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三日月が二つ…キモくて面白い

三日月が二つ見えた。
らっき〜と思ったのでらっき〜と声に出した。
目が悪いので月がボケて二つに見えただけである。しばらく歩くと自分のあまりのポジティブ発言が堪らなくおかしくて今度は心で笑った。

(ある日を境に目も合わせなくなった、"元"友達に囲まれた席に7時間も座らなければいけない空間に行くのが苦痛で、学校の最寄りの駅のホームに足を下ろすことに精一杯の"がんばる"を使い、一日のエネルギーを使い果たす。)朝、からしてみればあまりに陽気な考えだった。
二つの月を見る前に変なウイルスが充満し、他人同士がギュウギュウに詰められた気持ち悪い乗り物に長時間乗っていた事も考えると、とてつもなく気味が悪かった。
もっと気味悪いことは1日のうち初めて笑ったのがこの瞬間だから。
まったく幼い頃に感じたおばあちゃん家の長い廊下くらい気味悪い。
というか、不謹慎では無いか?
こんなに這いつくばってまで学校に行ったと言うのに、月を見て笑うくらいの元気があるのかよ…今笑うのは私自身に対して不謹慎では?
月を見て笑うくらいの元気があるなら朝学校に入る時の苦しさを少し軽くして貰いたいところだ。
あ、そういえば、。とんでもないことを思い出した。帰りの気持ち悪い乗り物の中で、おばあちゃんにマスクの中に自分の中では優しい笑みを浮かべながら席を譲った。
ありがとう、悪いわね。と言われたが朝から会話をしてないので咄嗟に返す言葉に困り心の中で、こちらこそありがとう。と言ったつもりの無視をしてしまった"事実"があった事を。
月を見て笑うどころじゃ無い。
まったく、何度も言うようだけどそんな勇気を出せるなら朝に分けて欲しいと。
こっちは朝に全部の力を使い果たしている気でいるのだから。
まぁあのおばあちゃんが少しでも心地よく、気持ち悪い乗り物に乗れたならいいか。
そう思った。

何が言いたいかと言うと三日月が二個あるのは相当面白いと言う事と、かなりキモいという事。

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