確定申告☆超初級~音楽やってた私の「これやっときゃどうにかはなる」~
初めての確定申告は大学生だったと思う。
何にもわからず「まあしなくても損もくそもない金額だし」とサボっていたら、大学のある先生に「ちゃんとやれ」と尻を叩かれ、本当に何の準備もしていなかったので方々に迷惑をかけながら受付最終日に出した記憶がある。
叩いてくれてありがとう、先生……。
私は音楽高校と大学出身で、在学中からフリーランスの道を歩み始めた。
でも大抵の高校・大学では確定申告について教えてくれない。
勿論ネットで調べれば何でも出てくるから、初回だけ何日もかけて頑張れば自力でどうにかなる。
でも初めての確定申告に、生まれたての小鹿のような震えた足取りで立ち向かわんとするひよこ達の一助になればと思い記事を書きました。
本題に進む前にもう一度言います。
これは超初級編です。何もわからず白色申告をする人向け。
「こんなん知っとるわ!」というクレームは受け付けません。
「これだけやっときゃどうにかなるよ!」
①領収書を貯めておこう
②源泉徴収票or支払調書は保管しよう。
この2つ。
ついでに言えば、
③領収書を整理しておこう。
④領収書と源泉徴収票or支払調書を帳簿の形でデータ化しておこう
の2つも追加で。
正味この4つが出来れば、確定申告は半分以上終わったに近い。
①領収書を貯めておこう
領収書は金のなる木と心得るべし。
仕事で使うから買うものってありますよね。
音楽家なら、楽譜、弦や松脂、生徒のご褒美シールとか。
確定申告では、自分が一年で貰ったお金から、仕事で使ったお金を抜いた額を出します。
一年で貰ったお金が『収入』、仕事で使ったお金が『経費』。
収入から経費を抜いて余ったのが『所得』。
この所得が小さければ小さいほど、払わなきゃいけない税金が安くなります。
でも経費が何円かかったよ、と証明するためには、証拠が必要です。
その証拠になるのが領収書。
まぁレシートでも可。
なければ申告はできません。架空請求になっちゃう。国を相手取った詐欺になっちゃう。
だから領収書は大切なんです。
あ、経費だけでなく、年金や国保などを支払った時の証拠等も取っておきましょう。
②源泉徴収票or支払調書は保管しよう。
これはクライアント・ワークの場合ですね。
音楽家なら、飲食店や演奏会で弾いたとか、お教室で楽器を教えているとか。
依頼主からお代を貰ったら、どちらかを貰うことが多いです。
お代と同時の場合もあるけれど、翌年の一月に郵送されてくる方が多いかな。
源泉徴収票は、私たちが払うべき税金を先に払っておいたよー、というもの。企業さん相手の場合はこちらが多いです。
支払調書は税金払ってないよー、お代をそのままお渡しするよー、というケースの時のもの。
どうして2つもあるのかは、まあおいておいて、
初級者に大事なのは、貰ったら保管することです。
でも、例えば個人でピアノを教えています、みたいなケースの場合。
お教室を介さず、自宅や貸しスタジオで教えているとかですね。
お金を頂くのは一般人の生徒さんですよね。
こういう時は、お月謝を貰うときに領収書を発行しておくか、『入金票』を自分で書いて保管すれば大丈夫。
領収書は「お月謝を貰いましたよ」という証になるので、トラブルも避けられて一石二鳥ですね。
私は自分の事務能力を信用できないので、履歴の残り、月謝袋もいらない、銀行振り込みかQRコードでお月謝を頂いていました。
お月謝を頂いたら自分で勝手に入金票を書いて保管していました。
以上、2つが出来てればどうにかなります。
確定申告する時になって、「夏に買った楽譜の領収書がない!」なんてことになっても、お店に再発行してもらうのはなかなか厳しい。
源泉徴収票や支払調書も、失くしたらお仕事先の人に「再発行お願いします」とお願いしなくちゃいけなくなるから、ちょっと...…ねえ。
さて、あとの二つは、私が普段の生活でやっていたコツです。
これをやっておけば、確定申告は1日で終わる。
③領収書を整理しておこう。
日々宝の山・領収書を財布に忍ばせ帰宅する私を出迎えるのは、玄関近くに置かれた3つの袋でした。
1. 仕事用
2. 家計簿用
3. 医療費
の、3つ。
帰宅したらそのまま財布の中の領収書をそのどれかに分配しておく。
それだけで作業が楽になります。
結婚してからは、夫にも必ず、医療費の袋の中に病院の明細書を入れさせていました(病院は領収書の代わりに明細書をくれます)。
④領収書と源泉徴収票or支払調書を帳簿にまとめておこう
年末にまとめてやる人も多いと思いますが、量が量なので、私は毎週木・金曜日、昼ご飯を作る片手間で領収書のデータ化作業をしていました。
作るのはリゾットとか、具沢山パスタスープみたいな、下手したらまな板もいらない放置系料理。
必要なのは領収書の入った袋、帳簿付け済みの領収書を入れる袋、そしてパソコンかスマホがあればできるから、台所でも作業可能です。
会計ソフトを使う場合は、『経費』のところに片っ端から入力していきます。
私は青色申告になってからは会計ソフトを使っていましたが、白色申告をしていた時には、エクセルやスプレッドシートなどのソフトに、
・買った日
・お店の名前
・品目(物の具体的な名前)
・項目(消耗品費、接待交際費、とか)
・金額
・備考(メモしたいことがあれば)
を入力していました。
本当はもっと細かいことも書かなきゃだけど、最初はこれでも大丈夫だと思う。
『項目』とはなんぞや、ですよね。
確定申告の時、経費は項目ごとの合計額を申告します。
鉛筆なら消耗品費、楽譜なら図書研究費、とか。
これはネットで調べた方が色々出てくると思いますが、私が使っていた項目をざっくり挙げておきます。
私は自宅を拠点に『演奏、ピアノ講師、演奏会の企画運営』を仕事にしていたので、
・消耗品費
・接待交際費
・会議費
・交通費
・図書研究費
・広告費
・通信費
・外注費
・雑費
・水道光熱費
こんな感じになることが多かったです。
経費の証拠をそろえて、項目ごとの合計も出せて、売り上げに関する書類もゲットできたらあとは書類を数枚書くだけです。
私にはe-Taxがとても便利でした。
なにせマイナンバーカードを連携させれば、色んなデータを勝手に集計しておいて貰える。
先ほどもいいましたが、私は自分の事務能力を信じていません。
いちど医療費の欄に、私の計算したものより一万円くらい高い数字が表示されていて、大いに救われた経験があります。
なんにせよ、慣れるまでは税務署の提出する前に書類を全部税務署に持って行って、職員さんにチェックしてもらってください。
そうすればうっかり国を相手取った詐欺『脱税』をする心配がなく安心です。
さて、最後に。
と、いうか。
これだけは是非にと勧めるものがあります。
税務署の確定申告講座を一度は受けてください。
そんな神みたいなものが無料で受けられるなんて知らなくて、私は相当苦労をしました。
税務署の方たちはみんな優しいです。
教えて頂いて、勉強して、ミスがあっても慌てないように、確定申告受付初日の週に出してください。2月中旬です。
わたしのようになるな。
白色申告は、ほんの少し、一回勉強すれば、次の年からは1、2時間で書類は作れます。
頑張れひよこたち!