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2023年はローネ漬けだった~ヘタッピながらも何かが見え始めてきた

皆さま、めたる・ぐる こと山口敦と申します。関東のローネ弾きです。私のローネ歴に関しては、こちらを参照してくださいまし。https://note.com/mone1213/n/nfdba336438b3?sub_rt=share_pw

3年前に執筆した時から3年経過し、58歳になりました。でもまだ、元気にローネ運んで、練習場にがしがし足を運び、お酒飲んでもお家に無事に帰っています

クリスマスイブイブイブの22日、昨日は、有給休暇(といっても担当企業の大型買収発表でとんでもなく忙しくなり、午前中はお仕事)を取得し、母校である早稲田大学マンドリン楽部(WMG)の第211回に賛助で参加。曲は、なんと、モーツァルトの交響曲40番、41番の抜粋とブラームスの交響曲3番の全曲というとんでもない選曲。WMGは伝統的にマンドリンオリジナルなどの演奏はせず、クラシックの曲を編曲する選曲をするのですが、これらは本来のオケで演奏しても相当な難曲。特にブラ3は、高音部がシンコペーションの嵐の真っただ中にいる時に低音部は正拍で楔を打ち込んだり、音型の違うシンコペーションで絡んだりと。この1ヵ月間は、出張の新幹線、飛行機の中でもずっとブラ3のイメトレを繰り返してました。練習は3回しか行けなかったうえ、その日にモーツァルトの練習がなく、40番は本番ぶっつけ。しかも、上記の仕事のため譜読みできずと、不安で一杯でした。それから解放されて今日はマンドリンのない一日です。


自宅付近で一人打ち上げ

第一部、何かがわかってきた気がする

私は高校時代はギタパでしたが、大学ではローネを弾いてみたいと早くから思っており、早稲田大学マンドリン部(WMG)入部とともにローネ希望をしました。ところが、当時はローネは他パートの持ち替えが多く、専門家はいませんでした。4年生のローネ弾きはベースが本業。ギターに関して、プロのレッスンにも行っていましたが、ローネに関しては、ベース、ドラ、セロの持ち替えの先輩方からの我流でした。ピックは真ん中ぐらいを持ち、ヤマハのペタペタのピック、ネックを高く掲げて弾いておりました。


青少年音楽祭にて 大学3年生(3回生)

自分は仕事がとても忙しくなった30代半ばから50代前半まで、マ界からは遠ざかっていました。ブランクがあったうえ、我流ということもあり、学生時代から何の進歩もなかったわけです。ペタペタなピックですから早くフレーズは弾ける。fffで全音符となれば、全力投球でトレモロする。楽器自体の振動が自分に伝わってくるので、良い音色で大きいな音が出ているものと思っていました。

しかし、加藤さん(以下、「隊長」)をはじめ、西国の方々の音色や音量は全く違う。東国ではおそらく、一人もあのような形で音を出せる人はいないと思いました。2018年に川越マンドリンの賛助に私に加えて、隊長が呼ばれ、多くの違い(間違い)があることに気が付きました。しかし、ただ、見ているだけでは、何の進歩もないですよね。

とりあえず、見よう見まねで緑のワニピックを使ってみる。削り方もわかんない。自分がWMGの定演に賛助した音源を聞いて、隊長にピックノイズを指摘される。硬いピックに対して弦が負けており、薄いピック時代のパタパタよりも質が悪い状態になっていました。。。。。

構え方、腰かけ方、打弦の方向、ピックの握り方、削り方(ビデオで隊長の磨き方を撮影)、トレモロの時のポジション、ノイズを出さないためのトレモロの回転数の制御、弾く位置など  弦の結び方がまだわかんない

ピックの先端まで深く握って、ピックノイズを出さないで弾くためには、結構、親指や下腕の力が必要。3分ぐらい弾いていると、もう力が続かない。見当違いな努力を続けてきた自分の方向転換です。これが22年頭のこと。

また、譜読み。東国の指揮者や奏者は、スラーならトレモロ、スタッカートであれば、単打のようなステレオタイプの人が多いのですが、太弦のローネがセロと同じように弾いても必ずしも効果的ではない。音の強弱もそう。ローネを活かすには、独自の譜面づくりも必要であることが理解されました。どちらがよく貢献するかという思考。詳細は後述しますが、今年は一人で乗ったステージもあり、スコアと音源見て、譜面修正する訓練しました。

硬いピックをノイズを出さないで、弾くための打弦。最低限の筋肉をつけないといけないし、ff連続の曲で、腕に乳酸溜まると感覚がなくなる状況を解消するため、下腕部と握力をつける訓練を22年から開始。毎朝を日課に。二日酔いや出張の時はその前後に休んで日をやることをルーティンにしました。訓練を初めて数カ月後のコンコルディアでは、最後の最後に力不足で、失速してしまい、全くだめでしたが、今はましになってきたかもです。

腕の腹筋
握力も

一進一退という感じですが、今年の中頃から後半にかけて、弦の張力が気にならなくなり始めまた。ビデオ映像見ていると自分が弾いている時は全身カチカチなので、まだダメだと思いますが、打弦がうまくいった時に音色が遠くに飛び始めたのを自覚しています。自分は学生の時に学生指揮でしたが、一時期、斎藤指揮法を習っていました。ある一点だけ力を入れて、ビートを出したり、力の制御で速度感と音の硬さ、柔らかさを出す。これと一緒で、ある一瞬の打弦には力が必要な場合が多いと思われますが、その他は脱力しているような。何かつかみかけてきた気がします。それでも興奮してくると悪い癖が。冷静にいられるようにしないと。これを磨くのが2024年の課題かと思います。

ここから第二部。今年の演奏記録です。

前述の通り、ブランクが長かったため、自分はマ界では無名の存在に近い状態でした。このため、ローネを弾きたくとも機会が少なかったのですが、徐々にお声がかかるようになってきました。嬉しいことです。騒音問題があり、自宅で楽器が弾けないので、練習は全て、オケの練習場。この回数が増加している点は悪くない環境と思っております。

2月にはアンサンブル・アメデオに3回連続での出演となりました。隊長に加えて、WMGの大先輩の進藤さんと3人の演奏。フィンジの「恋の骨折り損」が楽しかった。残念ながら音源は公開されていないです。2024年もこの3人で出演が決まっています。世界的なピアニスト、小川典子さんによるグリーグのピアノ協奏曲を演奏します。

アンサンブル・アメデオ マンドリンオーケストラ(関東・東京) (www.ne.jp)


ローネ棒の儀

4月にはオルケストラ シンフォニカ 東京(OST)の定期演奏会に参加しました。故武井守成氏が創設された団体が母体で、武井氏の作品や日本の古典曲を演奏する独自の団体です。特権は、賛助の時に、獅子頭のヴィナッチャのローネを借りることができる点です。もう一台のヴィナッチャローネは獅子頭はついていませんが、私はメスライオンと勝手に呼んでいます。今回二度目の賛助。このメスライオンで出演しました。隊長がラインヘッド。

今回、都合で3回しか練習に行けなかったのですが、本年前半の最難関が待っていました。ヴェングラー作曲の「星座」。悔いの残る演奏をしてしまいましたが、どこかで機会があれば、是非とも再演したい曲です。宇宙空間が見えてくるような響き。


右がライオンヘッド、右がメスライオン

浦和ギターマンドリンクラブの演奏会に今年も参加。当初、ローネは平石さんのみだったのですが、2018年には私も参戦。22年からは隊長も出演して、3ロー体制。地域に愛されているオケで大ホールを満席にする実力。団員のチームワークもよく、隊長も私も練習後の飲み会で無事に帰れなかったこと複数会。本年も大盛況でした。


 ローネ棒の儀

7月中旬に東京プレクトラム音楽協会が主催する世界的なギタリストであるレネ・イスクエルド氏のバックでテデスコのギター競争力を弾くというチョイ役に。ピアノみたいにギター弾いてしまうレネさんすごかったですが、残念ながら音源がないです。

7月下旬は唯一の自分の所属団体である、オルフェイスマンドリンアンサンブルの定期演奏会に。二橋潤一先生の編曲したバッハの無伴奏セロ組曲第五版抜粋がオケ全体で難易度高かったですが、いい編曲。是非とも、他団体でも。自分はフィンジのロマンセが好きでした。尚、今年、唯一のギターでの参加です。

(1465) ORPHEUS MANDOLIN ENSEMBLE 第30回定期演奏会 - YouTube

8月12日はWMGの記念公演に参加しました。一部は最近、野口のローネを購入した浜田さん、二部は進藤さんとのローネ共演でした。指揮はWMGを指導していただいている杉原先生(東京音楽大学や昭和音大で講師)。ベースにはマンドリンアンサンブルイリスの音楽監督である小幡先生が指導者についていて、自分が学生の時より格段に上手いです。ベートーベンの交響曲第5番「運命」を演奏。WMGは100回記念でも運命やっています。102名による演奏。80歳超から18歳までの年齢差。時間があったら少しでもいいので聞いてみてください。
尚、前日にローネ弦を変えようとしたらペグのネジがなくなっている!!近くのホームセンターを3件回って、ようやくネジをみつけました。乱心して隊長や石川さんにメールしてしまいました。お騒がせしました。


ローネ棒の儀


ネジがなくなってパニック

翌日、8月13日はマンドリン・アンサンブル・モニカの第17回定期演奏会に参戦。二日連続の本番は学生以来かもしれない。ここはアメデオのメンバーが多い。鬼才マエストロ平井氏による隠れたクラシックの名曲(珍曲?)をマンドリンに編曲して演奏。ローネは自分ひとりでした。孤ロー。ラロ作曲のノルウェー狂詩曲のローネが格好良かったのですが、音源がない。幻のオーケストラです。


孤ローだったので、一人でローネ棒の儀

9月は川越マンドリンクラブの定期演奏会に隊長と参加。自分は6度目となります。穏やかな田園地帯で、このオケは猛練習を重ねています。コロナ前は大ホールを満員にしていました。団員一人あたりの集客力では、UGMCに勝手いるような気もします。素敵な人生の先輩方。

この演奏会の1週間前に大事な方が亡くなりました。武藤理恵さんのこの曲が沁みました。自分も冷静に弾けたと思うので、ここに残しておきます。


ローネ棒の儀 奏者は二人でしたが

11月はロマンツァ マンリーノ アンサンブルに初参加。ずっと隊長が賛助してきた楽団です。知人が多いオケでいつも練習の後に夢庵で飲んでいるのをフェイスブックで。ノンアルビールでしたが、念願の夢庵デビューを飾りました。埼玉から千葉北部まで片道2時間の運転はきつかったですが、暖かく迎えていただいて、感謝です。曲はマンドリンオリジナル曲ばかり。楽しく弾けました。徐々に音源は公開されると思います。


ローネ棒の儀

そしてWMGの211回定期演奏会。自分はいろいろあり、WMGから離れていた時期が長かったのですが、ローネの修理、頼まれた賛助で部と再会したのが、2021年。その時、接してくれた今年の4年生。自分の子供の年齢です。
今回はその修理をしたローネ、「彫物」で演奏しました。感慨深いです。

https://note.com/mone1213/n/n373a82e54ea4?sub_rt=share_pw


学生の演奏はいろいろまだまだかと思いますが、コロナ禍の中練習不足で学生達はよく頑張ったと思います。今年の学生指揮は10年に一度でるかでないかの逸材。4年生はチームワークもよく、彼らの涙にお父さん目線でもらい泣きでした
https://www.youtube.com/live/9VW2Dbl143g?si=2huil1MeW3zdHYYs

さて、だらだらと書き連ねましたが、頭も体もコンディションを整えるための孤独の時間を過ごしているだけに、いろいろな団体に呼んでもらって、仲間の輪が広がっていくのは、楽しいです。だんだん老いていきます。そのうち重いローネをしょって練習にいけなくなるかもしれません。仕事も忙しいですが、子供が巣立った後の第二の青春時代を楽しもうと思っています

長文、駄文、かたじけなし。皆さま、よいお年を!

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