#早稲田大学マンドリン楽部、マンドローネ復活プロジェクト
長年、距離を置いていた早稲田大学マンドリン楽部(WMG)に戻ろうと思ったのは、現役の奏者がいなくなってしまい、楽器が次々と壊れかけているマンドローネを復活させたいと思ったためです。2年前にローネの賛助出演している若手OBから、WMGの3台のローネのうち、2台が壊れて、使用不能になっているとの話を聞きました。そういえば、一人はいつも加藤さんのヴィナを借りていました。
そもそも、現役でローネを弾いたのはいつまでだったでしょうか?自分の後は誰かいたかもしれませんが、多分、持ち替えだったのでしょう。
早稲田WMGのローネの歴史を簡単に記します。3台とも渡辺です。初代は、1963年に制作されました。小柄で甘い音色。弾きやすいので、まず、この楽器で初心者はローネの練習をします。自分は一度も本番では使わなかったですが、自分の定演の時は大妻女子大の指揮者がこれを弾いて賛助してくれました。女性でも弾けます。ニックネームは長老。もう一つは1966年誕生で、テンションがあり、遠達力のある名器でしたが、握力が必要でした。バカなOBが彫刻刀でWMGと表面版に書いたので、ニックネームは彫り物。ちなみに小職は1965年生まれであり、自分と同じぐらいの年齢。故障するのも無理はないです。自分の生まれる前からの楽器もあり、何人もの先輩達がこれを弾いてきたと思うと感慨深いものがあります。もっとも、2013年に発行された100年史でも、ローネに関する記述は皆無で、自分が入学前の写真では2枚しかローネは写っていませんでした。↓は1968年の100回記念公演の写真です。長老と彫り物がぴかぴかで乗っています。この先輩方は元気なのでしょうか?
黒豚というニックネームのある巨大な渡辺3号が私が入部した1985年、OBの寄付金で寄贈されて3台目となりました。この楽器は音程はいいのですが、あまり遠くに音が飛ばない楽器でした。二度ほどジュネスの本番で使っています。ハードケースが黒いので黒豚です。
最後に3台のうち2台(黒豚と彫り物)見たのは、2013年の記念公演の時でした。この時は東京文化会館でカルメンの舞台上演方式(独唱と合唱入れて)でした。自分は野口のMy楽器で出たので、長老がどうしているかは解りません。写真手前が彫り物を弾く先週の206回の演奏会も一緒だった井上さん、真ん中が黒豚を弾く、珍しくローネ専業だった佐藤先輩、野口で参戦する小職。記念公演前のリハです。
今回の演奏会の練習の帰りに部室に初めて入りました。新しく学生会館が建設されたのですが、疎遠であった自分は初めて足を踏み入れました。長老が棚の底から出てきました。なんと、ゴキブリホイホイが一緒においてあって。おそらく20年以上ぶりの再会。。。ああ。ペグが割れていました。渡辺のローネはペグがセロみたいなのですが、あんな太い弦の荷重を支えられなかったようです。反ってもいるようです。ボディが割れたりはしていないようでした。これは重症だなぁとの印象。
彫り物は、共演する井上君が家で練習するために持って帰っていました。自分の学生時代の愛器。。。。 どきどきする気持ちでケースから出すと思いっきり、反っていました。(*´Д`*) すごいテンションなので、これで弾いた後、自分の楽器を手に取ると、なんでも弾けます。大リーグ養成ギプスのようなものです。しかし、相変わらず、音色は素晴らしい。。。何とか、修理できないかと思いました。今、我が家で預かっています。
黒豚だけの写真を撮りませんでした。一番、左です。やはり、反り始めています。まだ、何とかなりますが、高音の音程は悪い。また、低弦でも音が硬く、これでは、合奏を支えることは難しいです。
今回、現役の3年生と話しましたが、ローネ奏者が現役で出なくなってしまったのは、まず、楽器が壊れている、黒豚は大きすぎて、指が届かないなどでした。男子一人、女子二人が楽器があれば、弾いてみたいと言ってくれました。ところで、関西では三回生というのですね。
まず、長老と彫り物の修理が先かな、と思います。OB会の何人かに打診したところ、「なんで、奏者のいないローネを優先して修理しなければいけない」と言われてしまいました。こんなところでもローネに理解がない。OB会の予算を少しはあてにしていましたが、方針転換。歴代、ローネを弾いた先輩方などに相談し、有志で動こうか、ということになりました。現役の低音パートのメンバーと相談し、年明けに楽器屋さんに持ち込もうと思います。
いちOBのお節介ではありますが、私はローネのあるオケの響きが大好きです。WMGの名器を復活させ、現役に奏者が出ることに無償の愛情を注いでみようと思います。