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【美術編】こんなとこまで作り込んじゃいました #週刊MONDAYS #映画MONDAYS

※週刊MONDAYSは、映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』を観てくださった皆さんに贈る、特別連載……と銘打った、制作スタッフたちの思いの丈です。毎週月曜日にお届けいたします。

さあ、今週もやってきました月曜日。憂鬱だー!とつい思ってしまいましたが、2022年の月曜日はあとたった7回…と思うと、ちょっと月曜日が愛おしく思えま…せんか?どうでしょう…?無理か…?

映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』をご覧いただき、誠にありがとうございました!

週刊MONDAYS、記念すべき第4回は、MONDAYSの「美術編」をお届けいたします。

「舞台となった広告代理店のロケ地」や「吉川たちが考えた企画資料の制作秘話」、「劇中何度も出てきたあの怪しい雑誌」などなど、今回は美術の裏側をお話しさせてください。

(文・制作担当/ 福田文香 編集/夏生さえり)


※本記事はネタバレを含みます。

作品をご覧になった後に、お読みください。


主な舞台となる「Zコミュニケーション」

まずは、吉川たちが働く広告代理店の「Zコミュニケーション」の美術から。

都内にあるオフィススタジオを、「小さな広告代理店」という設定に併せてどう装飾をするか、美術の三枝さんと相談して、こだわり抜いて作っていきました。

左がbefore。右がafterです。
(撮影協力:高商スタジオ)

ほとんど全ての壁を上から青い壁紙を貼り、全体的に落ち着いたトーンの印象に。そして、その印象とは裏腹に、机の上は物で散乱していることで忙しく働いていることが視覚から伝わるように工夫して頂きました。

企画資料

この雑多なオフィスの中で繰り広げられる、無限の無茶振り…。「味噌汁炭酸タブレット」という存在意義が不明な商品であっても、仕事となれば、愛を持って企画書とコピーを考えなくてはいけません。

劇中では主人公たちが取り組んでいる様子として、パソコン画面やデスク上など、さまざまな場所で企画資料が登場しましたが、この企画資料も当然自分たちで用意しなければなりませんでした。

PC画面に映っていた企画たち…、実はこれにもリアリティを持たせるため、すべて本当に活躍しているクリエイティブディレクター(以下、CD)たちに考えてもらいました(ありがとうございました…)。

(クリックで大きく表示)

広告の仕事では、まずはクライアントが広告代理店にアイディアを考えてもらうにあたり、オリエンテーション(以下、オリエン)をします。

ということで、MONDAYSを企画・製作をしたCHOCOLATE Inc.(以下、チョコレイト)に所属しているCDたちに、実際に映画企画チームより「味噌汁炭酸タブレット、プロモーション施策」のオリエンを行いました。

オリエン内容(クリックで大きく表示)

相当な「無茶振り案件」にしたかったため、オリエン内容も好き放題……。「30個ほど提案する必要あり」などなど、普段はこんなに無茶なお願いはされませんが、こんな依頼があったらどうする? と伝えて、考えてもらいました(こんなオリエンがあったら気が狂いそうと言っていました笑)。

同じ会社内とはいえ、実際に広告領域で活躍されている方々に企画を出していただくなんて、なんという贅沢。超かっこいい尖った案……というよりは、「ありそう」「王道ライン」「または疲れ果てた時に一瞬で思いつきそうなレベル」な企画を、たっぷり出して頂きました。

実際に出ていた案の一部です(クリックで大きく表示)


そして、CDが考えたアイディアを、チョコレイトのインターン生であり、本作の美術(主に資料/小道具周り)を担当した岡崎が、なんと施策の具体案やKPIまで設定し、リアルな企画書を作ってくれました。

画面には結局あまり写っていませんが、きちんと中身まで作ってあります!

ちゃんと企画書…!(クリックで大きく表示)

しかも……「繰り返すほどに仕事力が上がる」のも体現するために、繰り返す回数に合わせて資料のクオリティも段階的に上げて用意していただきました。

(クリックで大きく表示)

これ、なんとあと18種類もあります(!)
存在しない味噌汁炭酸タブレットのために、また、一瞬しか映り込まないシーンのために、ここまで……(涙)それにしても、味噌汁炭酸タブレットって…なんなんだ!

大量のキャッチフレーズは…

企画案とは別に、毎週火曜にみんなで行う「キャッチフレーズを考える」シーン。ここでも机の上に並ぶキャッチフレーズ案が大量に必要だったため、撮影直前にチョコレイトのインターンチームにも助けてもらいました!

合計でなんと40個以上…!みんな、ありがとう(涙)

雑誌『ヌー』

本作の中で、キーアイテムの一つである雑誌『ヌー』。あの表紙も、岡崎がデザインを担当。いかにも怪しい、でもちょっと気になってついみてしまう、そんな絶妙な表紙になっております。

「世界の謎を鮮明に記載」笑。(クリックで大きく表示)


誌面も度々出てきますが、誌面は宣伝プロデューサーの永井が実際にありそうな記事を書いてくれました!(現在はチョコレイトに所属しつつも、大の温泉好きとして本も出版しているライターなだけに、ちゃんとした記事になっています!)

(クリックで大きく表示)

ちなみに初期の脚本の設定では、この本を出版しているのは「永久部長の弟」としていたため、文責名が「永久勝」になっています……(笑)

森山のポヤポヤクエスト

デザイン担当の森山が淡々と作業しているデザイン資料『ぽやぽやクエスト』もタイムループに気づいてから実は徐々にクオリティがあがっています。

パソコン上の資料なんて映るのは一瞬。でも、初見で気づいてくれた方もいたようで感激です。気づかなかった!な方は、スクリーンに写っているので、ぜひ確認してみてくださいね。

漫画のクオリティアップ

また後半から登場する、漫画。
こちらは、チョコレイト所属のやじまりが担当いたしましたが、漫画を描いてもらうだけでなく、繰り返すうちに上手になっていく様を表現するために、原稿も美術としていくつか用意する必要がありました。

・ラフ段階
・トーン前
・セリフのみラフ(他は完成)の主に三段回に分けて、美術をつくりました。

また、登場人物たちがどんどん上手になっていく過程を、漫画でも表現したかったため、下手な状態〜上手な状態まで美術の相沢さんに装飾していただきました。

左が下手なペン入れ状態、右が完成形です。

漫画を担当したやじまりは、漫画の制作に個人的な想いも込めたそうで…と、このお話はまた別の機会に。


以上、美術編でした!

まだまだ他にもこだわりポイントがありまして、全部をお伝えしきれない!のですが、そちらもまた別の機会でお話しさせてください。

細かいところまで皆の力を結集させて作り上げたMONDAYS。観るたびに「ここもこだわってたんだ!」と、少しずつ発見をしていただけたら、それほど嬉しいことはありません!2回目以降も、楽しんでもらえますように。

さあ次回は、編集と音楽編!

「どんなふうに編集していったか」「劇伴へのこだわり」「主題歌を担当してくれたlyrical schoolの楽曲」などなどお届け予定です!


それでは、また月曜日!👐


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