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みみみ
2020年7月24日 21:00
どこまでも続く一本道だった。アスファルトで舗装された、太い道路。景色は荒凉としている。通る者など誰もいない。一体誰が、何の目的で作った道なのだろう。その先に、気球が見える。あたたかい空気をたっぷり孕んでいるのに、地面にくっついたままで、飛んでいく気配はいっこうにない。人気のない道路。飛び立たない気球。この道をどんなに歩いても、気球は永遠に「その先」にあり、決してたどり着けないような気がする