#BLUE WHALE シナリオ
Blue Whale(青い鯨)とは?
ロシア発祥のSNSゲーム
ゲームマスターからプレイヤーに指令が出され
指令通りに動くことが求められる命令ゲーム。
・手に「f57」と刻み、写真を撮って管理人に送る。
・朝4時20分に起き、サイケデリックなホラー映像を見る。
・3回リストカットし、写真に撮って管理人に送る。
・屋根に上る。
・手に鯨を刻む。写真を撮って管理人に送る。
・特定の音楽を聴かせる、など。
青い鯨を書かせることからこのゲームは「青い鯨」と呼ばれています。
このゲームの問題は
最終的に管理人から自殺を促されること。
実際に犠牲者が出ています。
世界中で130名とか。
被害者は10代の若者。
ロシア、インドが多いようです。
ロシアの犯行グループの目的はひとつ。
SNSによってもたらされる広告収入。
犠牲者を出したことで首謀者は先日逮捕されました。
わずか21歳の青年でした。
構想に5年かけたと言います。
彼に罪悪感は無く、生物的ゴミを片づけただけと言ったそうです。
このショートフィルムは現実の事件を元にしています。
このショートフィルムで描きたいのは
悪質なゲームの裁き
ではなく
自殺願望を抱かざるを得ない、
現代社会に生きる若者たちの生き辛さ
心の傷
肉体の傷
もがき、あがきながら、それでもなんとか生きようとする姿を
ほがらかに
滑稽に描いていきます。
この「#Blue Whale」の撮影も参加型です。
僕(監督)から指令を送ります。
シナリオに則して
演じる役のプロフィールを作成し
提出しなさい。
氏名・年齢・職業・性格・家族構成・趣味・癖など
作品全体のトーンは
明るい
前向きな雰囲気です。
登場人物
プレイヤー1 :
役名:
人種:
年齢:
職業:
性格:
長所:
短所:
趣味:
学歴:
家族構成:
ゲーム「青い鯨」にハマった理由:
「青い鯨」から抜け出せたきっかけ・動機:
プレイヤー2 :
役名:
人種:
年齢:
職業:
性格:
長所:
短所:
趣味:
学歴:
家族構成:
ゲーム「青い鯨」にハマった理由:
「青い鯨」から抜け出せたきっかけ・動機:
プレイヤー3 :
役名:
人種:
年齢:
職業:
性格:
長所:
短所:
趣味:
学歴:
家族構成:
ゲーム「青い鯨」にハマった理由:
「青い鯨」から抜け出せたきっかけ・動機:
#1 (ゲームに夢中)
S1 街
歩いているプレイヤー1(以下P1)
タブレットやスマホで音楽を聴いている。
手首にはリストカットの跡。
T「あともうすこしでゲームクリアです」
S2 レインボーブリッジ・歩道
歩いているプレイヤー2(以下P2)
耳にはイヤホン。
手の甲にさりげなく「f57」の文字。
T「ここまでよく頑張りました」
S3 公園・歩道
歩いているプレイヤー3(以下P3)
ゲームマスターから指定された音楽を聴いている。
服の隙間から打ち身の傷痕が時折見え隠れしている。
T「選ばれし勇者たちよ」
S4 街
タイトル
#Blue Whale
S5 街
ポイントを探しているP1。
S6 レインボーブリッジ・歩道
P2、手の甲をアピールしながら自撮り。
S7 第三台場
ポイントを探しているP3。
S8 街
タブレットを操作しているP1。
時折、街を見ながら考える。
S9 レインボーブリッジ・歩道
スマホを操作しているP2。
時折、対岸の街を見ながら考え込んでいる。
S10 第三台場
散策しているP3。
時折、あたりを見まわし、人がいないかどうか確認する。
S11 街
P1への指令「街に浮かぶ青い鯨を描きなさい」
指令に従っているP1。
S12 レインボーブリッジ・歩道
P2への指令「東京がテーマの詩の中に『青い鯨』を登場させなさい」
指令に従っているP2。
S13 第三台場
P3への指令「体に青い鯨を描きなさい」
青色のマジックを片手に指令に従うP3。
S14 街
鯨の画を保存し、どこかに転送するP1。
P2の声「(実際に作ってもらった詩を朗読してもらいます。)」
S15 レインボーブリッジ・歩道
スマホのデータを転送するP2。
P2の声「(詩)」
S16 第三台場
体に描いた鯨の画をスマホで自撮りするP3。
P2の声「(詩)」
S17 街
生まれ変わったかのような充足感を覚えているP1。
T「おめでとう」
S18 レインボーブリッジ・歩道
達成感のP2。
T「きみたちはすばらしい」
S19 第三台場
満足気のP3。
T「いよいよラストステージだよ」
S20 黒
T「誰にも見られずにできるだけ高い所から東京湾に飛び込みなさい」
S21 街
P1「(指令を受けて)・・・」
S22 レインボーブリッジ・歩道
P2「(指令を受けて)・・・」
S23 第三台場
P3「(指令を受けて)・・・」
T「鯨に会いに行こう」
S24 黒
T「17時20分決行」
#2(我に還る)
S25 レインボーブリッジの下
あたりを伺いながらやって来るP3。
人気はない。安心。
手すりから眼前の東京湾を眺める。
P3「・・・」
遥か上のレインボーブリッジを見上げて。
P3「(怖気づく)」
やって来るP2。気まずいP3。
お互いチラチラ気にする。
P3の鯨の画を見つけるP2。「(あぁ)」という顔。
やはり海を眺めて
P2「・・・」
P3「・・・」
P2から離れようとするが、向こうからP1が歩いて来るのが見える。
P3「(落胆)」
あからさまにふたりを邪魔者扱いするP1。
P3の画を見つけて「(あぁ、あんたも)」という顔。
タブレットの鯨を見せる。
納得するP3。
P3の画を指さして
P1「下手くそ」
P3「(リアクション)」
P2「(リアクション)」
P1とP3が「(あんたは?)」と促すので、嫌々スマホを見せるP2。
P2のスマホを読むP1とP3。居心地悪いP2。
P1「(リアクション)」
P3「(リアクション)」
P2「(ふたりのコメント受けて)」
P1、やはり東京湾を見て
P1「・・・」
P2「・・・」
P3「・・・」
P1「汚ッ」
P2・P3「(リアクション)」
P1「あたしこんな所に飛び込むのヤダ」
P3「でも、飛び込まないとゲームクリアできないよ」
P1「だから? どうせならもっと綺麗な海に飛び込みたいわ」
P2「(リアクション)」
P1「(リアクション)」
P2「(受けて)」
P1「じゃあ、あんたやれば」
P2「(リアクション)」
P1「待って、待って、動画撮ってあげる」
P2「(リアクション)」
P1「だって、ゲームマスターに送らなきゃ証拠にならないじゃない」
P2「格好よく撮ってくれよな」
P1「任せて、そういうの得意」
P3「あ、ちょっ、ちょっと待って」
P1「なに?」
P3「誰にも見られちゃいけないんだよ」
P1「あ・・・」
P2「それってやっぱ失格?」
P3「そうじゃない?」
P1「死に損?」
P2「(リアクション)」
P3「・・・ねぇ、これってやっぱそういうことだよね? 死ねって言ってるんだよね?」
P1「(リアクション)」
P2「(リアクション)」
P3「・・・でもさ、誰にも見られちゃいけないんだろ、死んだ証拠残せないじゃん、死んだかどうか、ゲームマスターはわからないよね」
P1「(リアクション)」
P3「・・・じゃあ、本当に死ななくてもいいんじゃない?」
P2「もしかして、怖いの?」
P3「いや、というか、意味なくない?」
P2「(リアクション)」
手すりを乗り越えようとして
P3「あ、ダメだよ」
P2「止めるなよ」
P3「高い所から飛び込まなくちゃいけないんだよ」
P2「あ、そっか・・・」
レインボーブリッジを見上げる。
P2「・・・マジ?」
P3「・・・あそこから落ちたら痛そう」
P2「・・・やっぱ痛いよね」
P1「普通に痛いでしょ。さっき通ってきたけど、あそこ監視カメラだらけだった。誰にも見られちゃいけないなら、ダメね」
P2「じゃあ、場所変えるしか、って、いま何時?」
P1「なに、時計持ってないの?」
P2「お前だって持ってないだろ?」
P1「スマホの見ればいいじゃない」
P2「あ、そっか・・・って、電池切れてるー」
P3「やばいよ、タイムリミットは5時20分だよ」
P2「なんだよ、20分て中途半端な時間。何の意味があるんだよ」
P3「時間過ぎたらクリアできないよ」
P2「お前、止めてんの? 俺に死んで欲しいの? どっち?」
P3「(リアクション)」
P1「泳ぎは?」
P2「え、なに突然?」
P1「得意?」
P2「いや、あんまり」
P1「だったら大丈夫。ここからでも充分死ねるよ」
P2「あ、うん」
東京湾を眺めて
P1「大丈夫だって。ゲームマスターが見張ってるわけじゃないんだし。
要は死ねればいいんだから」
P2「まぁ、そうなんだけど」
P1「はい。じゃあ、どうぞ」
P2「え・・・」
P1「どうぞ」
P2「・・・」
P1「ほら」
P2「いや、そういう風にいわれるとちょっと行きづらいっていうか・・・」
P1「大丈夫よ、溺れて苦しいだけだから」
P2・P3「(リアクション)」
P1「汚い水ガボガボ呑みこむだけだから」
P2・P3「(リアクション)」
P1「どうせ死ぬんなら構わないんじゃない?」
P2「いや、どうせなら、もっと楽に逝きたいっていうか」
P1「ねぇ、もうすぐ死ぬけど最後に何したかった?」
P2「ちょっと、あなた意外にドS」
P1「わたしはね・・・(お答えください)」
P3「僕は・・・(お答えください)」
P2「俺は・・・(お答えください)」
P1・P2・P3「・・・」
お腹の虫が鳴る。
P3「あ、すみません」
じろりと見るP1とP2。「(空気読めよ?)」的な。
P3「・・・」
P2「あ~ラーメン喰いたい」
P1「あ、あたしも」
P3「(スマホを見て)あ、もう18時近いです。お腹が空くわけです・・・って、あ?!」
P1・P2「!?」
P3「・・・」
P2「なーんだ。どのみちゲームオーバーじゃん」
ちょっとホッとしている。
#3 (おまけ)
S26 ラーメン屋
ラーメンをすする三人。
タブレットを見て、
P1「あ、Blue Whaleの首謀者逮捕だって」
P2・P3「・・・」
P1「ロシア人だって」
P2・P3「(リアクション)」
P1「21歳だって・・・すごいね」
P2・P3「(リアクション)」
P1「よかったね、あたしたち死なないで」
P2・P3「(リアクション)」
ラーメンを美味しそうにすする。
了
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