当番と係のハイブリッド型活動
私は小学校の教員をしています。学級経営ではたくさん悩み、色々な方法を学び、実践する中で効果的な方法を模索してきました。
このnoteでは自分が実践する中で、子どもにとっても教師にとってもハッピーだったものを紹介したいと思います。拙い実践ですので賛否両論あるかと思いますが、一つの選択肢だと思って読んでいただければと思いますし、どなたかの役に立てばと思っています。
今回は私の学級で取り入れている当番と係のハイブリッド型活動を紹介します。学級では「会社活動」という名前で取り組んでいます。
1.この活動の目的
この活動の目的は、子どもたちだけで学級が機能する状態にすること。さらに、子どもたちの手で学級をよりよくすることが出来る力をつけることです。
学級は教師が作るのではなく、子どもたちの手で作るもの。この目的を子どもたちと共有した上で会社活動をスタートします。
2.当番と係とは
私の認識では、当番とは学級でないと困る仕事。私の学級では、連絡黒板の書き換え、黒板消し、配り、提出物チェック、戸締まり、整理整頓などがあります。
では、係はというとなくても困らないけれど、あったら学級がより良くなるものにあたると思っています。
どちらかというと、当番にはやらされ感が生まれやすく、ともすると教師から「やってないぞー!」の声が上がりやすかったりします。教師からこの声が上がるということは子どもたちの主体性はない状態であると見られます。
3.ハイブリッド型とは
私の学級では、会社活動として、まずはその会社で当番になりうる仕事を担ってもらいます。その上で、その会社で仕事を増やして係になりうるものを増やしていきます。
当番でも、週替わりとかではなく、学期間ずっとその仕事に取り組み、その仕事のプロになってもらいます。
子どもたちは、会社というネーミング、社長や社員といった普段と違う役割、プロになるという言葉に新鮮さを感じて楽しそうに工夫しながら、当番になりうる仕事も主体的に取り組んでいるように思います。
学期の終わりには、株主総会を開き、どの会社が学級に貢献したかを開く会を設けて評価もしますので、これもモチベーションの一つになっているかと思います。
4.仕事は皿回し
私はこの取り組みをするときに、仕事は皿回しというお話をします。これは、以前勤めていた企業の研修で学んだ話です。
仕事は皿回しと一緒で、一つだけを一生懸命回しているだけではダメ。一つ回り始めたら、その皿が落ちないように気をつけながら、二つ目、三つ目の皿を回し始め、たくさんの皿が回っている状態をキープしていくことが大切になります。
ちなみに、私の学級で仕事を一つ増やした会社は皿回しカードを一枚手に入れることができます。
4.皿を増やすコツ
子どもたちには、皿を増やす、つまり、仕事を増やすコツとして3つ提示しています。
一つ目は、「できるだけ効率的に仕事ができる工夫をする」です。道具や物の置き場など少しでも時間をかけずに仕事ができるように工夫するのです。例えば、連絡黒板も手書きより、貼りものを作った方が早く作業できます。ちなみに、この貼りもの作りを別会社に外注することもOKです。
二つ目は、「自分たちが動き過ぎない」です。例えば、整理整頓をその会社のメンバーだけでやろうとすると大きな労力ですが、帰りの会に30秒みんなに時間をとってやってもらえば大きな負担なく一つの仕事ができます。
三つ目は、「道具に仕事してもらう」です。例えば、落とし物箱を一つ作れば、自然とそこに記名のない物が集まります。また、机の場所に印をつければ、自然と子どもたちが自分の机を合わせることに繋がります。
このように仕事を増やすコツを伝えながら子どもたちは会社で様々な活動をしていきます。
5.子どもの姿から
この取り組みになってから、子どもに「やってないぞー!」の声をかけることがほとんどなくなりました。
整理整頓をする会社がロッカーのチェックをし綺麗なロッカーの子を表彰したり、学級のゴミ袋にとどまらず、校内のゴミ袋を取り替える会社も出てきました。
まだまだ少しずつではありますし、学級を楽しくするという取り組みには弱さがありますが、当番で主体性に欠けやすいものも、その仕事のプロとしてよりよくしよう、係の仕事になり得ることもしようという子どもの姿が見られています。
最後になりましたが、お読みいただきありがとうございます。一教員の拙い教育実践がどなたかの役に立てたらと思います。
子どもたちとの目的共有の為のパワポも作成してますので、よれしければご利用下さい。
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