4月。〈桜〉
春…
彼との再会に
トクンっと私の胸が高なったのが分かった。
高校の入学式
クラス表の前には沢山の人集り
あの中に入ったら押しつぶされちゃうな…💦
少し離れたところの木の下へ行く
空を見上げ目を閉じて深呼吸。。。
鳥のさえずりが春の風に乗って聞こえてくる
よし頑張ろう そっと目を開ける
ふと隣に誰か立っているのに気がつく
足元から確認…男子生徒…かな?
「人。すごっ…」
ボソッと隣から聞こえた独り言に
ハッとした!…いやでもそんな事って
恋愛漫画じゃあるまいしって思いながら
そっと横を見る。
爽やかな黒髪の短髪、整った横顔、
そして…左手の制服の袖からチラッと見える
ミサンガ。やっぱりあの人だ!!
… ‼️‼️‼️‼️ あ。バチっと目が合っちゃった
たぶん茹でダコみたいに
赤くなって固まってしまった私を見て
一瞬 不思議そうな顔をしたけれど
ニコッと彼が微笑んだ…
と同時に彼の左手が伸びてくる
え?何?っと体と目がキュってなった私に
「はい。これ」
目を開けた私の目の前に
桜の花びらをつまんで持っている彼がいた
「髪に 付いてた…」
「あ。ありがとう…」と言いながら両手を広げ
花びらを受け取る。
「だいち~!」人が随分居なくなった
クラス表の方で友達が
彼を呼びながら手を振ってる
「おぅ!今行く」走り去ろうとした彼が
こっちに振り向く
「じゃ。…またな」と手を振りながら言う彼に
私は 花びらを握りしめたまま
コクリと頷くので精一杯だった。
そしてまた春風が舞う…。
あの時 吹いた春の風は…
甘くキラキラした匂いがした。 〈桜〉終