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フローラステークスを終えて

こんな時間というのに久々の記事。

前回の記事はほぼ2か月前だろうなって思ったら案の定そうだった。

前走は2/20のフェブラリーステークスの日だった。

周りは砂の頂上決定戦にワクワクしてる中、僕の心は3歳1勝クラスだった。

勿論そのレースは快勝し、次走どこなんだろう…いや、その前に藤沢先生が引退されてからどこの厩舎なんだろうって思いながら過ごしていた。

宮田厩舎に転厩となります。

この知らせを見た時、どなた?って思いました。

しかし、調べると凄い厩舎だなって事が分かり、これはやっぱりラスールへの期待って大きいんだなと改めて認識。

そしていつものようにお手紙を送る。

そうさ、僕はレース前、レース後に必ず厩舎にお手紙を送っている。しかもバカみたいな長文で。

読む方も大変だろうな…って思いながら、僕の気持ちはそれだけ溢れて止まらない。

宮田厩舎へ最初のお手紙を出した翌日、ラスールのフローラステークスへ向かうという発表が出た。

おい!次走はどこか分かりませんが楽しみにしてますとか書いちゃったよ!

というタイミングだった。なんでやねん。

フローラステークスの1週間前はラスールの兄のシャケトラの命日だった。

その兄のシャケトラは2019年に1年以上の怪我からの復帰でAJCCと阪神大賞典を制して春の盾へ向かう途中、心半ばでこの世を去った。

そんな兄の命日と天皇賞春の丁度間のレースだった。

これは何かの巡り合わせだと思った。

レース1週間前に僕はまたお手紙を書いた。

今度はお守りも一緒に送った。

人生でお守りなんて買ったのは初めての事だった。基本的には僕は神様なんて信じていない。

でも、競馬の神様はいるとは信じている。

ラスールの1週前追切は馬がヤル気に満ち溢れているという杉原騎手の意見とは裏腹に息が重たいという調教師のコメント。

そして当週の自己ベストを出しながらも良くなかったという意見はとても多かった。

うるせぇな。

これが僕の本心だった。

どんな時だってラスールを信じているから、そんな余計な声なんか聴きたくないわけだ。しかし調教師の言葉というのはどうしても引っかかる。嫌な予感は正直していた。それでもそんな言葉に蓋をして僕はいつものように入れ込んでいたわけだ。

1週間前、もう誰と会話しても自分が何話してるか分からないし、他人の会話が頭に入って来ない。

いや、入れ込み過ぎだろ、自分。落ち着けよ。

落ち着いてなんかいられないわけだよ。

当日はやっぱりほぼ眠れなかった。

そんな状態で競馬場へ向かう。

朝いつもの友人と合流し、ご飯へ。

競馬場内に新しく出来た俺の生きる道というラーメン屋に行くが僕はカレーを、友人はチャーシュー丼を。ラーメン喰わないんかい。

そして2R目くらいからパドックへ。勿論最前列。前に視界を邪魔するものを入れたくなんかない。いつだってラスールの前はry

そんなパドック待機に友人らは付き合ってくれる。本当に有難い。

午後に入り雨が降り出して来た。しかも結構な雨だ。カッパは持っていたとは言え、雨はやっぱり嫌だな…だけど、この雨が恵みの雨になればいいと願っていたわけで。

自分の体温が今暑いのか寒いのか分からないままパドックで時間を過ごした。自律神経も精神も乱れてるし、僕にクロス鼻革付けて欲しいくらい。

メインレース。

パドックに先頭のルージュが出て来た。あー!もうあとちょっとで会える!もうこの時点で心はジェットコースターの最初の頂点に向かう時に似ていた。

ラスールが出て来た。

もうこの時点で僕の涙腺はガバガバで涙が出ちゃう。


多分毎回泣いてる気がする。パドックで。

今回はメンコを着用していた。あの流星が見れなくなるのは寂しいけど、その姿さえもカッコいいし、美しい。

馬体に関しては贔屓目はあるけど、どの馬よりも美しかった。他の馬たちはマイナス体重の中、プラス体重。よし、いいぞ。

前回までは甘えていたようにしていたけど、今回は堂々とパドックを歩いていたように見えた。

パドックが終わり、僕は全速力で走り、馬場へ向かう。空いてる場所を探し、極力前へゆく。勿論ソーシャルディスタンスは守るわけです。

ねぇwww前の公式カメラマンさんwwww映り込んでるのwお願い、しゃがんでwwwってのは皆思うよね。仕方ない。


カメラをやってる人は分かるけど、パドックと違い、レースや返し馬は本当に一瞬だからシャッターチャンスは少ない。

もう全集中!シャッターの呼吸!壱ノ型!連写!

脳筋連写しちゃうよね。

返し馬が終わるとモニターには阪神のマイラーズカップが映る。

しかし、僕の意識はそれどころじゃない。

あと何分?ねぇ、何分?

友人にしつこく聞く。

ファンファーレが流れたあとはもう心臓が口から出そうになった。

いや、喉まで来てたかな。

勘弁してくれ。

ゲート入りが始まり、祈った。

スタートすると課題のゲートは上手く出た。

よしよし!

前目に付けた。

しかし、ここでも一瞬掛かった様子を見せたが直ぐに落ち着く。

嫌な予感がする。

そしてレースは流れ、直線へ。

ラスールは加速した。よし!そのまま伸びろ!!!!

しかし、開幕週で前が止まる事なく、完全に内を通って前に行った馬で決着した。

負けてしまった。

言葉を失った。

むしろ思考回路がショートしてて、何があったのか理解が追い付いていなかった。

結果は6着。

このあと友人たちと飲み物を飲んで、帰宅したけどもう記憶は飛んでいる。

あれ?いつ家に帰ったっけな…

幸い、家はとても近いのでそれは有難い。

いつカッパを干して、リュックからカメラなどを出したのか分からず、気付いたら布団の中にいて寝てしまっていた。

1週間前から入れ込んで、前日はほぼ寝ずに、雨の中パドックにずっといて、あの結果を突き付けられてまともな精神でいられるわけがなかった。

身体も脳も現実を受け止めることが出来ずに眠ってしまった。

そこからも正直あまり記憶が曖昧なわけで…

ああ…お手紙も書かなきゃ…って。正直、勝つような気はしていたからそのつもりで手紙の内容を考えていたのに。

何を書けばいいんだろうって分からなかった。

それでもやっぱり手紙を書きたい、書く!ってのはきっと自分の中で送ることが義務になっているのかも知れない。

日曜から3日目…未だに放心状態。

きっとこの春はもうお休みなんだろうな…。

今週は春天。来週はNHKマイル。

距離が長かったとコメントがあったし、事前に2000はギリギリとコメントもあった。

フローラに出るからと応援はしていたが、それならNHKマイルに向かって欲しかったという気持ちも正直ある。

桜花賞も出て欲しかった。

能力があってもローテーションが上手く組めなかったり、馬の体調や怪我などもある。

馬を作っていくというのが大変なのは天栄に見学に行った時にお話を聞いて感じていたけど、たらればをしてしまう。

悔しいな…。

彼女は期待をされ、次のグランアレグリアと言われるくらいの素質馬だが噛み合わないものが沢山あってしまった。

誰も悪くない。

だけど、グランアレグリアが偉大過ぎた為にラスールを貶されてしまうのが悔しい。

もうそれがとにかく悔しい。

3歳の春だけが全てじゃない。

そう自分に言い聞かせた。

上手く言葉がまとめられないけど、この春はゆっくり休んで成長して…秋以降にまた強く、逞しくなってターフに戻ってきて欲しい。

僕には応援をする事しか出来ないけど、ラスールの成長と共に僕自身の心も成長していかなくてはいけない。

そんな記事をボロボロ泣きながら書く朝でした。

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