自画と自賛と #書もつ
毎週木曜日は、読んだ本のことを書いています。
確か中学生くらいのときだったと思いますが、絵本を作りました。
美術なのか、家庭科なのか科目は忘れてしまいましたが、真っ白な絵本が配られて、自分で絵を描いて、文章を作って、絵本を作るといった時間がありました。
絵本なので、絵を描かねばならない・・僕が描けるのは、ただの猫でした。
猫だけが登場する作品、しかも絵本らしく、学校のカリキュラムらしい、教育的視点を盛り込んだ作品を作る必要があったのです。(考えすぎ)
シナリオは、子猫がおもちゃを大事にしていなくて、夢におもちゃたちが出てきて、不遇を訴えることで、おもちゃを大切にするようになる・・という、いかにも僕が好きそうな内容に(笑)。
夢の場面では、ページを塗るのが面倒くさくて、灰色の画用紙を貼ってみたり、後半には開くと飛び出す仕掛けを作ってみたり。猫だけでなく、そのほかのおもちゃもいかにも簡単なもの(それしか描けないから)にして、とにかくシンプルにしました。
完成してみると、いかんせん字が多くて、絵本というよりも、ひらがなで書き連ねた、「物を大切にしよう」という訴えが重たい作品となっていました。
あれ、読んだ本の感想はどうした?って思っている方もいるでしょう。
実はこの本が、いまは子の本棚にあります。
つまり、子が読んでくれているのです。
作った当初、よもや自分の子が読む未来が来るとは思わず、ただただ変な作品にならないように注意しただけの絵本でした。
しかも、内容も「おもちゃを大事にしなさい」という普段から発している言葉を、子猫が言い換えただけという一貫性。
子が初めて読んだ時には、「この子猫、お父さんみたいなこと言ってる」と思ったはずです。
最近、子がこの本のことを「とってもいい本だよね。猫が可愛いし、飛び出すのもすごい」と言ってくれるようになりました。物語がとても似ている作品がほかにもあって、それも僕は好きです。
両方を合わせて、親としての絵本に対する期待が込められている作品として、これから何度も読み(聞かせ)たい絵本になっています。
絵本を作った当時から、画力としての成長は殆どないので、もし新たな絵本を作るとしても、やはり猫だけが登場する作品になりますかねぇ。