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転職で嫁ブロックにあったらどうするか

お疲れ様です。もなきです。転職エージェントをしたり、スタートアップ企業の採用のお手伝いをしたり、採用動画のプロデュースをしたり、YouTube(名もなき転職チャンネル)をしたりしています。

YouTubeで話している内容を文字でもお伝えしている「名もなき転職マガジン」。今回は「転職で嫁ブロックにあったらどうするか」について書きたいと思います。

まず冒頭でお伝えすると、僕はこの「嫁ブロック」って言葉好きではないですね。漢字を見ていただくとわかるように、「女編」に「家」と書いて「嫁」ですよね。

漢字の成り立ちからわかりますが

男=仕事
女=家事

という決めつけが見えます。昔はそれが当たり前だったのかもしれませんが、今は夫婦で共働きすることも多くありますし、奥様側がメインで家計を支えていることもあります。

今の時代で「過去にそうであった名残」を残す性差別的な表現というのはよろしくありません。ですが、今回は内容の分かりやすさとして、あえて「嫁ブロック」という表現を使用している点、ご了承ください。

嫁ブロックの言葉の意味は、今更説明するまでもないかもですが

奥様の方が夫の転職に待ったをかける、または反対すること

を指します。もともとは、この「嫁ブロック」が企業の採用活動に影響を与えることから、採用担当者や転職エージェントなどが使っていた業界用語でしたが、近年は世間的にも認知される言葉となったようです。

今回のnoteでは、そもそも「嫁ブロック」はなぜ起こるのかということを要素分解した上で、じゃあどうすればいいのかという対策を含めてお伝えしていきたいと思いますので、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。

▼動画や音声で試聴される方はこちら▼

【1】なぜ嫁ブロックは起こるのか

リクナビネクストが以前に行ったアンケート調査によると、転職経験のある既婚男性のうち、転職の際に奥様から反対にあったことがあるのは25.3%と、実に4人に1人が「嫁ブロック」を経験しているそうです。

奥様から反対に合う要因は

・収入が減ることへの心配
・家族との時間減少の心配
・住居移転の心配
・転職先企業の安定性が心配

などが多いみたいですね。

まあ、これは考えてみれば心配になるのは当然です。

例えば「収入の減少」について。

例えるなら、家族として生活しているということは「家庭が1つの会社」みたいなものです。

その会社の売り上げのメインは、旦那さんの給与収入であるということがまだまだ多いパターン。そして、会社としての黒字を目指す上では「売り上げ−経費」がプラスになる必要があります。

経費というのは、家賃や食費、光熱費や通信費用、お子さんがいる場合は保育園や習い事もかかるし、車を保有していたら駐車場代やガソリン代などもかかります。それらの経費は、お子さんがいる家庭であれば今後増えていく可能性もありますよね。お子さんを塾に通わせたり、私立の学校に入れたかったりしたら、今はそこまでかかっていなくても、将来的な家計の経費は増加します。

そうなると、家庭の共同経営者である奥さんから、売り上げが下がることを選択することについて、不安を感じるのは当然です。

「家族との時間」についてもそうですね。これまでは、旦那さんの方が朝に保育園に送ってくれていたり、土日は家族と一緒に生活をしてくれていたりしたところから、出勤時間が早まったり、土日も仕事が入りそうになったら生活スタイルが大きく変わるわけです。

「勤務地」も心配になりますね。。とりあえずは引っ越しの必要がなくても、転勤が頻繁に発生するとしたら、引っ越す選択肢も出てきます。その時に、住宅ローンを払っている今の家は売るのか賃貸に出すのか、単身赴任にしての生活にするのかなど、やはり家庭への影響は大きいものになります。

最後の「転職先企業の安定性」は、今の時代本当に安定と言える会社なんてないとは思うのですが、今後住宅ローンで家を購入しようと考えていたりしたら、例えばまだ数名のスタートアップの社員よりも、歴史がある会社の方が審査が通りやすかったりするということは今の日本だとどうしてもあるのです。

色々挙げましたが、まずは奥さん側が心配すること自体が当然である、という理解に立つことが大事です。

【2】嫁ブロックを回避する方法(転職活動初期フェーズ)

奥様の方が、旦那さんの転職に一定の心配を示す心境はご理解いただけたかと思います。では「嫁ブロック」を回避するためにはどうしたらいいでしょうか。

ここではあえて「回避」という言葉を使いましたが、そもそも「嫁ブロック=悪」ではありません。家族で生活を営んでいく共同経営者に対しての「必要なステップ」であるという風に捉えましょう。

その上で、まずは転職初期フェーズについての話です。

まずは、自分が転職を考えているその理由や背景について、きちんとコミュニケーションを取っておくようにしましょう。これは当たり前に聞こえるかもですが、「内定が出た後くらいで急に報告をする」人が実際には多いので、必ず押さえておいて欲しいです。

ただ、転職活動の初期フェーズって、そもそも自身が「なぜ転職をするのか」いわゆる「転職理由」がフワッとしている人の方が多いのが事実です。できれば以下の3つ

・転職を考えたきっかけ
・転職をする理由
・転職活動の軸

については自分の中である程度自己分析を通じて整理して、言語化できたタイミングで奥様に話すことをお勧めします。これらが抽象的な段階で奥様に報告すると「そんな考えだったら転職はしない方がいい」みたいに言われて、旦那さんの方がへそを曲げてその後報告をせずに転職活動の終盤になってまた揉める、みたいなカオスになりかねません。

ちなみに、自分のことをよく理解してくれている奥様に
・転職を考えたきっかけ
・転職をする理由
・転職活動の軸
を伝えて感想やフィードバックをもらうということは、その後の転職活動にもプラスになるはずです。奥様から見て「その話はあなたっぽくない」「なんかしっくりこない」と言われたとしたら、面接でも同じように面接官にピンときてもらえない可能性があります。この工程をきちんと踏むようにしましょう。

【3】嫁ブロックを回避する方法(転職活動中盤フェーズ)

次に、転職活動の中盤。具体的には、求人を選んで応募し、書類選考を経て面接を受け始めるフェーズです。このフェーズでは、正直そこまで細かい進捗報告はいらないと思います。

「明日1社面接を受けてくるので帰りが遅くなるよ」
「この前受けた会社が⒈次面接通過したんだ」

くらいは、普段の夫婦間の会話の中で話していいかもですが、具体的な企業名や志望理由か面接感想などをくまなく伝える必要はないと思います。あまり細かくやり過ぎると、転職活動する側にとってはストレスになっちゃいますからね。

徐々に、最終面接フェーズに進み、候補企業が絞られてきたら、そのタイミングでご自身の中でも整理はすると思います。自分の転職理由の全てを叶えてくれる会社なんてそうそうないでしょうが、この企業は給与は高いけど入社後のキャリアステップが不明確、とか、自分の中でメリットデメリットを整理していくかと思います。ある程度、候補企業が落ち着いてきたタイミングで、中間報告を入れてみると良いかと思います。

【4】嫁ブロックを回避する方法(転職活動最終フェーズ)

最後に、転職活動の最終フェーズです。具体的には、志望度が高い会社から内定をもらい、意思決定をするフェーズですね。
ここで大事なのは

Why 「なぜ転職するのか」
How 「転職後、家族はどのように生きていくのか」
What  「転職で何が得られるのか」

の3つをセットでお伝えすることが大事です。順を追って説明します。

Why「なぜ転職するのか」

まずは、Why「なぜ転職するのか」です。これは、ここまでの転職活動について奥様との共有の中で、転職理由や転職軸の話をしてきたのであれば、繰り返しにはなりますが、改めて伝えましょう。イメージとしては、よく会社のミーティングの冒頭で「この会議の目的やゴール」をきちんと共通認識持った上でミーティング進めていくイントロのようなイメージでしょうか。

How「転職後、家族はどのように生きていくのか」

次に、How「転職後、家族はどのように生きていくのか」の部分です。ここが1番のハイライト部分です。

特に心配されやすいのが、やはり収入の部分です。例えば、年収が50万円下がれば、手取り額でいえば月に3万円くらいの減少になります。住宅ローンを抱えていたり、お子さんがいたりしたらそれらがまかなえそうかどうか、心配になるのも当然ですよね。

ここでは、きちんと「見える化」して「数値ベースで伝える」ということをした方がよいかと思います。まずは家庭の日々の費用の平均を項目ごとに算出すること。その上で、減らせるところや今後増えることを整理してシミュレーションすること。そうした時に、最低限必要な毎月の金額は出てきますよね。ここで、旦那さんと奥様の方で数値認識のズレがあったら、きちんと整理しておくようにしましょう。

ここまでをやった上で、年収が例えば50万下がり月の手取り額が3万円くらい下がったとしてもやっていけるのか、難しいのかを考えます。過度にお金がかかる生活をしちゃっていたら、家計を見直す一つのきっかけにしてもいいかもしれないですね。

あとは、これまでは旦那さんが保育園に送ってくれていたり、土日は家族との時間を持てていたところから、転職によって生活スタイルが変わりそうな場合は心配があると思います。

この部分についても、例えば朝の子供の送りは毎日は難しそうだけど週に何回なら可能であるとか、逆に朝送れない日は帰りのお迎えをできるようにコントロールする、土日の出社がどうしても入ってしまった時には必ず代休をもらえることや、祖父母の協力を仰げるように頼んでみる、など対応策もセットで伝えると良いかと思います。

What 「転職で何が得られるのか」

最後のWhat「転職で何が得られるのか」については、自身の転職で何が得られるかの中長期的なメリットを伝えるということです。

一時的に給与は下がるけれども、その分、市場価値が高い経験を積むことができるので中長期的にみた時の所得水準は上昇する話であるとか、転職先がIPOを目指していて、ストックオプションの付与があるので成功したらそこで資産保有額が増える話とかをしてみましょう。

ここは正直「そんな先の話、夢物語だよ」「絶対にそうなる保証はないよ」って言われる可能性も高いですが、可能な限り理解を得られるように、噛み砕いて、ファクト(事実)ベースの情報を共有して伝えるようにしましょう。

以上3つのステップ

Why 「なぜ転職するのか」
How 「転職後、家族はどのように生きていくのか」
What  「転職で何が得られるのか」

が、転職活動の最終フェーズで必要なことです。なんだか、仕事をしていく中での事業プレゼンみたいですね。

ちなみに、転職の初期フェーズや中盤フェーズで奥様に共有をすることができず、やむなく最終フェーズで報告をすることになってしまったとしても、この3ステップは有効です。一番ダメなのは、転職をするという事実を先行して報告し、これらの3つのステップをきちんと伝えられないまま、共有が破断になることですね。そうならないように、きちんと順を追って奥様に報告し、理解を得られるように伝えましょう。

【5】奥様は家庭の共同経営者

いかがでしたでしょうか。まずはここまでの復習です。
本日は「転職で嫁ブロックにあったらどうするか」という話をしました。
まとめると

転職にあたり奥様が心配であるのは当然の心情、という前提に立つ

その上で、転職の初期フェーズでは

・転職を考えたきっかけ
・転職をする理由
・転職活動の軸
をきちんと伝える。

転職の最終フェーズでは

Why 「なぜ転職するのか」
How 「転職後、家族はどのように生きていくのか」
What  「転職で何が得られるのか」
を伝えて合意を取る。

そんな話でした。

上記でも何度かお伝えしましたが、奥様は家庭という会社経営の中での共同創業者です。「お金を稼いでいるのは俺だから文句を言うな!」みたいなどこかの昭和の父親が言いそうな考えはナシです。

仮に、お金を稼いでいるのが旦那さん側だとしても、それは家庭を成り立たせている奥様の協力があって成り立っています。なので、自分の一存の判断だけでなく、共同経営者に対してきちんと合意形成を取る、というスタンスはとっても大事です。

僕は、妻がもともと人材紹介会社のキャリアアドバイザーだったので、比較的前提の理解がスムーズでした。1社目から2社目の転職の際は「大手人材紹介会社の法人営業→ベンチャーの人事」への転職だったのですが、その転職で得られる経験や、将来的な市場価値を理解してくれたので、年収は下がったものの理解をしてくれたし応援してくれました。

ベンチャーを退職して独立する時は、ちょうどマンションを買い替えてローンを組み直すタイミングだったので、その点が大丈夫なのか?という心配の声があったので、結果的には退職時期を少し後ろ倒しにして住宅ローンの審査が通り引っ越しが完了した後に脱サラをする、という道を取りました。

これらは先程の
How 「転職後、家族はどのように生きていくのか」
What  「転職で何が得られるのか」
を伝える話にもつながってくるんじゃないかと思います。

嫁ブロックは、決してあなたを妨害するものではありません。家族で仕事・キャリアに対する価値観を捉え直す良い機会だと思います。

頑張ってください!

今後も、このnote(名もなき転職マガジン)では、転職やキャリアにまつわる話を発信していきたいと思います。ぜひnoteやマガジンをフォローください。尚、今回の内容は以下の動画でも見ることができますので、よろしければぜひ高評価とチャンネル登録お願いしますm(_ _)m

▼今回のnoteの内容について話した動画

それでは、みなさん、良い1日を。

もなき

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もなき(森尚樹) / カナダ🇨🇦暮らしの転職&留学エージェント
サポート金を元手にその方とランチに行きたいです(都内のみ)つまり、500円が1,000円のランチに化けます。