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インスタントな自信より、深く根を張った自信がほしい
「隣の芝生は青い」
こんなことわざがありますが…
わたしの視界に入ってくる芝生も、例にもれず、青いことが多いんです。
楽器の演奏が本当にいい例で、
「あー、あの人すごいな、こんなふうに演奏できたらいいな」
と感じた後、自分はまだまだ全然だなーっていう悔しさが襲ってくる。
これは、楽器の演奏に限ったことではありません。
自分の歯車はうまく回っていない気がする。そういう感覚をおぼえる時があるんです。
スポーツでも、楽器でも、文章を書くことでも…真剣に取り組んだことがあれば、似たような経験があるかもしれません。
最初はいいんです。順調。
何もできない状態から、できることが徐々に増えていく。それが楽しくて、だんだんのめり込んで…
何かを始めてから続くまでの過程って、だいたいこんな感じかなーと思うんですけど。
続いたその先、さらに上を目指していくと…
「できたこと」よりも「できないこと」の方が気になって、思うようにいかなくなる。
取り組んでいることにも、だいぶ詳しくなっているからだと思います。始めたての頃よりも、真剣に取り組んでいるぶん、余計につらい。
そして、立ち往生…いわゆるスランプです。
そんな時にチラッと見えたお隣の芝生が青かったら、もー大変。
せっかく育ちかけていた自信が、しぼんでしまうんです。
これを繰り返していくうちに爆誕したのが、インスタントな自信を摂取する方法。
「初心者の体験」を増やすんです。
何かを新しく始めることで、なかなか超えられない壁を突破するより簡単に「わーい、できたー!」が得られる。
それはそれで、新しい体験もできるし、楽しいからいいけど…
本当に超えたい壁を見て見ぬフリして、ちょっとした快楽を得るなんて、まるで悪い薬のよう。
ハイ。ここだけの話、今年のわたしは、これの常習者でした。
こうでもしないと、本当にポンコツになってしまいそうだったのかも。
「だけど、本当に、これでいいの?」
真面目さんな方の自分の声が聞こえてきます。
そうなの。
本当は、インスタントな自信よりも、深く根を張った自信がほしい。
隣の青い芝生ってものは、本当に厄介で。
だって、すでに理想のかたちがドーンって目の前にあるんだもん。
だけど、そこに至るまで、何年も何年も、ていねいに手入れされていたのかもしれません。
もしかしたら、一度は枯れちゃった芝生を、見事に復活させたのかもしれません。
そういった過程は、青い瞬間だけ見ても、まったくわからないんですよね。
きっと、芝生の数だけ、それぞれの育ち方がある。
だから、わたしはわたしの芝生を、コツコツ育てる。
まずは昨日の自分を超えることに集中した方が、歯車がうまく回り出すのかな~と思っているところです。
この記事は、ことばと広告さん主催の #モノカキングダム2024 に応募するために書きました。
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