「無」になる英単語たち
こんにちは。
前回の記事で、Timelessnessという単語が出てきています。このTimelessというのが何故か頭から離れず、いろいろ思いを巡らせている最中に脱線していった内容を書きます。
単語の後ろに"-less"が付くと、「~ではない、~の状態を欠いている」を表現する形容詞になりますよね。
でも、Timelessを辞書で引くと「永遠の、無限の、時代を超越した」などといった訳が出てきます。「時間がない、時間を欠いている状態」とはならないのです。
前回の記事で出した英文を改めてここに紹介します。これを読むと、なんとなく分かると思います。
When humans created time, everything changed and contracted. People have come to look at life in a linear way, imagining that the past is behind them and the future ahead of them. But what if that isn't true at all? What if everything - creativity, beauty, chaos, order - were happening now, in a glorious timelessness?
ざっくり訳すと、
「時間は人間が作り出し、過去→現在→未来と一直線上に人生が進むと思っているが、もしそうではないとしたら?すべての物事が、今ここに、Timeless(永遠の、無限の、時代を超越した)空間で起こっていることだとしたら?」
で、つまり、Timelessとは、「Time=時間という概念が無い状態」ということなのです。
"-less"が付くと、ネガティブな表現に変わると覚えがちなのですが、単純にそういうことでもないのです。
その単語が本来持つ意味や概念が「無い/無くなる状態」と捉えた方が良いと思います。そもそも「無い」ということが、ネガティブなこととも限らないからです。
例えば、
Priceless
Price(値付けする)にlessが付いて、「値段をつけられない」「値踏みできないほど貴重な」。逆の意味だと「値段をつけるに値しない、くだらない」となることもある。つまり、「値段=価値」という概念そのものがない。
Effortless
Effortは「努力」。なので、そこに努力は必要無い、努力って何ですかぁ?状態。つまり、余裕でこなせている、脱力している、流れに身を任せている状態、とも取れる。
Useless
これは明らかに「役に立たない」といったネガティブな意味になるが、厳密に言えば、Use(使う、もしくは使える)という状態が無くなったので、役に立たない。使える状態がそこに無い、ということ。「使えねー」って感じ。
ちなみに、この逆に、Useful(役に立つ)がある。
-fulが付くと、単語本来の意味・概念を増幅、拡張させる感じになる。
Fruit =果実、実になる:Fruitless ⇔ Fruitful
Care=心配、注意する:Careless ⇔ Careful
Mind=心、精神:Mindless ⇔ Mindful
どうでしょう?
単語本来の意味は、あくまでもニュートラルな状態。lessやfulがつくことで、その状態が無くなったり、その状態が最大限に高まっているように感じませんか?
音量調節みたいな感じ。
lessで一気に0になり、fulが付いて100までグイっと上がっていく感じ。
うん、私だけですかね。(笑)
あくまでも私の頭ん中のイメージの話ですよ。
でも、英単語を覚える時、機械的な訳を当てはめるだけではなく、イメージして感覚で捉えていくことも大事だと思うのです。