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大人になってから読んだ「NANA」が面白かった

LINE漫画の123話無料につられてNANAを読み始めました。11月16日に、無料の話ぶんぐらいをイッキ読みして、「待たないと無料にならない」状況になりました。結果、AmazonでKindle版を5巻〜21巻を大人買いしました。大人だからいいんです。

わたし漫画アプリの「待てば無料」が待てない女なんです。(笑) いっぽう、夫は辛抱強く待って無料で漫画を見ています。毎日出勤前にいろんな漫画をみているようです。わたしみたいに待てない人の感覚がわからないみたいです。

久しぶりに読んだ感想としては、NANAって大人の恋愛とかの話なのかと思いきや、ヤスと淳子以外はNANAの登場人物はみんな精神がとにかく弱いんです。みんな寂しがりやで、すぐ泣いたり、誰かの肩を借りたくなる人たちです。完璧じゃなくて、不安定で、今にも崩れ落ちそうなところが多くの人たちに共感されるのかな…と思いました。

ここからは各キャラクターへの感想を述べたいと思います。(ネタバレを含みます)

⬛︎ハチ(小松奈々)の生き方

中学か高校のときに読んだNANA。ハチの貞操観念が低いところ、高校生の時点でもはやアバズレで、常に色恋しか頭にない感じが当時の私は本当に受け付けなくて、たぶん1〜2巻でギブアップしました。

寂しさから、女遊びの激しいタクミから優しいノブに乗り換えちゃうところがずるいんです。ところが、予期せぬ妊娠が発覚して、正直どっちの子かわからないのに、タクミに口説かれ、タクミを選びました。お金もあって、有名人で、かっこいいタクミのがそりゃいいだろうと。

30歳の私の中にもハチがいて、愛よりも安定がいいとうなずいてしまいました。子供を授かったら、貧しい生活より、安定を選びたい、言葉で「子供がどちらの子であっても、責任を持つ」なんて言われたらコロリといく気持ちがわかります。

ハチという女は高卒で、彼氏を追って上京したものの、定職につかず、せっかく就職した出版社も無断欠勤や仕事ができない等の理由でクビになりました。夢も目標もなく、フラフラと彷徨う、安定とは程遠い生活でした。そこへ現れたキラキラ芸能人のタクミ。こんなチャンス何がなんでも捕まえたい!と思うのは誰もが思うことなのではと思いました。才能も努力もできない、どうしょもない凡人は、他力本願、玉の輿に乗りたいと思ってしまうのではないでしょうか。平凡な女の子なら一度は考えてしまうことな気がします。

⬛︎ナナ(大崎ナナ)の依存体質、ボーカリストなのにタバコ吸いすぎでは??

とにかくヤスに依存しすぎでびっくりです。レンよりヤス!!困ったらヤス!!!寂しかったらヤス!!(笑)

あとボーカリストなのにあんなにタバコ吸っていいんですかねえ…ボーカルの人って加湿器を控室に持ち込むくらい喉を大切にするイメージなのですが、ナナは真逆ですね(笑)  

奈々と対照的な性格のように描かれてますが、すごく弱くて脆いのを隠そうと必死で生きているようにも見えます。

家族の愛を知らないナナは、レンやヤスに依存と固執しています。彼らが恋人を作ったり、ライバルのトラネスに近づくと怒りや悲しみに襲われています。奈々がタクミと結ばれることとなると、奈々を恋人や所有物のような気持ちを抱き、ノブを利用して自分やブラストのもとに取り戻そうとします。

⬛︎タクミは本当に最低なのか?

ナオキ以外メンタルお豆腐のトラネス。レンは薬物中毒で、レイラはタクミ依存でブラコンもどきです。トラネスを守るために、週刊誌や、周りに働きかけたり、ときには擬似恋愛をしたり…タクミってめちゃくちゃ頑張っていると思うのですが、世間ではクズ扱いされているみたいです。タクミって、そんなに悪いやつなんですかね。奈々にたいしても妊娠させた責任をとって、結婚して、衣食住困らせないようにしているあたりも、クズとは思えないです。

⬛︎レイラの本命って?

最初は売春で出会ったシンのことが好きなのかと思いきや、ずっと昔からタクミのことが好きだったように見えました。イマイチ本当のところは心がどこにあるのかわからなく見えました。けれどタクミの愛人に成り下がるあたりが、タクミへの愛のが本当なのかな…と思いました。レイラへガチ恋のシンちゃんが少しかわいそうです…

◼️映画のキャスティング

第一作で奈々役を宮崎あおい、レンを松田龍平、シンを松山ケンイチが演じました。この3人の役は、第二作で変更があり、別のキャストが演じています。降板はいろいろな理由があったらしいのですが、NANAのキャスティングが豪華すぎました。みなさん今第一線で活躍されています。ただ、レンとシンは漫画のキャライメージとは合ってないので第二作のが良さそう!と思いました。


本作は21巻で連載が止まっています。チビ蓮は誰の子供なの?ナナはどうしてロンドンに?トラネスの活動は?…など沢山疑問がありますが…矢沢先生の筆は止まっています。

どうやら、矢沢先生はご病気で休まれているようです。ネットでみた話によると、21巻でレンを死なせたことにより、批判が殺到したことも影響があるとか…

2009年の3月に発売してから、14年の歳月が流れました。携帯はガラケーではなくなり、連絡手段はスマホの電話とか、SNS、LINEになりました。14年の間にデジタル面の変化や、人間関係の関わり合いの変化はありました。けれども恋愛とか人間の葛藤や悩みは14年後も20年後も変わらないわけです。

進化した世の中であっても、相変わらず、恋愛で悩んだり、将来、才能、人生そのものに悩んだりしています。矢沢先生には、NANAのつづきを描いていただきたい、ハッピーエンドとはいかなくても「NANA」のストーリーを完結させてほしいな…と願います。


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