生活保護レポート「何のお金が支給されるか、具体例を用いて」
前置き
にっき
今日は中々酷い日だった。
ゲリラ豪雨に見舞われるわ、眼鏡のつるは折れるわ、ヘッドホン壊れるわ。ニー株の入会料(厳密には違うけど似たような費用)とか、免許の更新とか、今月は何かと入用だから、わりと本気でお金に余裕が無い。丁度今日が支給日なのに、既に金銭的余裕が無いの辛い。
ただまぁ、わりと仕方ない部分もあるのだ。眼鏡もヘッドホンも大体三、四年前の同じくらいの時期に買ってたやつだから、いずれにせよ遠からず寿命が来るのは変わらなかった。雨は天気予報見ない上に、傘持つの嫌いで自立訓練施設でも敢えて傘を借りなかったんだから。
ヘッドホンは昔父が景品で貰った物を譲ってもらった予備があったから取り合えずそれで凌ぐとして、何より致命的なのが眼鏡だった。
財布に結構なダメージを受けはしたが、まぁ諸々含めてまだ軽傷で済んだ方だろう。
ここから読んでね
ま、そんな愚痴は置いといて、今回は生活保護受給中に眼鏡を買い替える話をしようと思います。
生活保護がどういった制度か、理解しやすい事例だと思うので共有しようかと。受給中、受給検討中の人などの参考になれば幸いです。
ただ生活保護については市区町村によって多少制度が変わってきます。支給額は勿論変わるし、適用範囲も異なる可能性があるので、必ずお住いの福祉課にて確認をお願いします。
とはいえ、基本的な考え方などはそう変わらないとは思いますが。
生活保護の支給範囲
生活保護で眼鏡の買い替え代は出るのか
詳しくない人にとっては、わりと微妙な問題だと思います。
因みに結論から言うと、買い替え代は出る。が、勿論色々手続きは大変です。
わりと分かりやすい事例なので、まずは生活保護はどういったお金が出るかから解説していきます。
どういった物にお金を出してもらえるのか
生活保護受給中のお金に関しては、まず基本が月々の生活費の支給ですね。
都内在住の私の場合だと、家賃ライフライン込みで13万を支給して貰ってます。冬など光熱費が高くなる季節は数千円手当が出たりもするが、ほぼ一定です。
他に重要なものとして医療費がありますが、これも出ます。私の場合療養という名目で受給しているので心療内科の受診が義務付けられているのですが、これも全額出ます。
具体的には医療券というものを毎月福祉課で発行してもらい、保健証の代わりに病院の受付で提出する感じです。
適用範囲は大体保険適用範囲内と同じで、例えば歯の矯正のような保険でも全額自費になる類は当然出ません。
ただ、先ほど述べた通り全額出る。薬代も全額出る。生活保護を受給せざるを得ない人は大抵の場合何かしら心身の不調を抱えているだろうから、わりとこれは大きいと思います。
健康診断なども通るので、比較的気楽に健康状態に気を使えるのは本当に大きいところだというのが実感としてありますね。
まぁセルフネグレクト気味な私はそれを分かっていて尚健康にあまり注意を払っていないですが。予約して行くの、しんどいんだわ……
次いで社会復帰の為に必要な経費。
私の場合自立訓練施設というのに通っていますが、そこの費用+交通費も出してくれてます。
確認はしていないですが、ハロワの各種職業訓練の費用も出るのではないでしょうか。
大分基準とか対象とかは古いが、公的に認められる範囲なら積極的に利用してみたらいいでしょう。役所の人もオススメしてくるしね。
因みにどれくらい古いかというと、カウンセラーは出ない。医者じゃなきゃダメ。
個人でやってる情報商材とかも当然ダメ。ハロワとか公的な資格を取ってるところのみ。
まぁこの辺は公的な制度だから仕方ない。昭和かよって思うけど。
さて、ここからが今日の本題です。
眼鏡買い替え、スマホ買い替え、免許更新。
これらのどれが出てどれが出ないと思われるでしょう。
正解は眼鏡のみ出る。スマホや免許更新は出ない、です。
日常生活を送るための最低限+自立の助長
改めてこのタイミングで生活保護の制度上の定義を見てみると、
まとめると、
日常生活を送るための最低限+自立の助長
というのが適用範囲ですね。
そう考えると先ほどの例三つは、まぁ分かるって感じになるんじゃないでしょうか。
免許はなくても歩いたり自転車で生活出来なくは無いし、スマホが無くても死にはしない。
一方私のように裸眼視力0.02とかの人は眼鏡なしではまともに生活出来ない。具体的には、道路のミラーとか一切見えないから普通に危ない。だからこそ眼鏡もちゃんと医療機器だし、公的にもOKの範囲なんでしょう。
正直やっぱり古いとは思いますがね。
私は都内で車なんかいらないけど、地方だと車必須だったりするだろうし、現代人としてスマホはもはや必須だと思うし(役所にも電話番号欄絶対あるし)。
まぁ昭和を生きてるお役所に言うだけ無駄でしょう。
ただ、逆に言えばこのラインが生活保護の適用ラインだと考えれば理解しやすいのではないでしょうか。
生活保護中の諸々の手続き
さて、じゃあどれ位の労力でお金を出してくれるのかについてもお話ししましょう。大体の場合において、大まかには以下のような手順が必要となります。
①窓口で相談して、医療券を発行してもらう。
②医療機関で「本当にこの人に必要かどうか」の診断を出してもらう。
③診断書を役所に提出する。
④審査
⑤許可を貰ってお金を出してもらう(持ち出し式ではなく、必ず直接役所に請求が行く)
①医療券の発行
医療券というのは先ほど述べたように、まぁ大体保険証のようなものです。
福祉課に出向いて、書類書いて、ハンコ押して、担当の人に提出して、ハンコ貰って、別の窓口に提出して、審査通して、当月中のみ有効のA4用紙を貰う(所要時間30分くらい)。
基本的には毎月通院して睡眠導入剤や抗不安剤を処方してもらうので、毎月行うことになると思います。私自身収入申告書みたいなのも書く必要あるので、月一で通ってる。わりと慣れる。
そして保健証の代わりに窓口で提出すると、財布を出さなくとも請求が直接役所に行くという形式です。
当然受診する時にその書類が手元にある必要があるので、急病で医者に駆け込んだ時には使えないです。
②診断を貰う
医療券で受診料は出してくれるので、基本的には費用の心配は無い。
ただわりと注意しないといけないのが診断書は別料金、別書類が必要ということです。私も一度これでやられた。
先ほども述べたように、受診のタイミングで必要な書類が無いとお金出ません。むしろ保険入って無いから3割ではなく10割負担になります。たまに医療券だけでは不十分なのに説明が無い(あまりにサラッと話されて頭に残らない)ことがあるので、診断書や意見書が必要なときはきちんと確認しましょう。
ともかく、書類を貰ってお医者さんに「本当に必要か」の確認をしてもらう必要があります。
まぁ、余程のことが無い限り診断貰えずお金出ないってのは無いと思います。
因みに生活保護の受給自体(≒月々の生活費もらう)にも、療養目的の名目の場合医者の診断が必要になります。ただ、この場合だけ受給開始の後でOKです。
流石に自費で診断書取ってからじゃないと受給できないとかではない。
就労までの一時的な場合は分かりません。
③役所に提出、④審査
そのまんま。
基本的には個人情報がうんたらで提出には自分で福祉課に出向くことになります。
審査結果とかは書類が届いたり、翌月訪れた時に確認したり。
わざわざ結果を電話で教えてくれるとかは無いです。担当者次第なのかもしれないけど。
⑤サービス開始
医療券と同じで、ここまで辿り着いてやっとサービスを受けられます。
具体的には"自立訓練施設の通所""眼鏡の買い替え"の二件がこんな感じでした。
ここまで大体一か月。
端的に言えば、手続きに一か月かかってからサービスを受けられるって感じですね。
眼鏡とか無いと死活問題だとしても同様です。
※交通費
因みに自立訓練施設へは地下鉄片道200円で通所しているのですが、これに関しては一旦持ち出し後、翌月頭請求,翌々月支給といった感じです。
丁度今日が通所二か月目の保護費支給日なのですが、二か月分の交通費持ち出しは大分辛かったですね。
↑眼鏡を作るときに渡された書類。ペン下は電話番号とかが書いてます。
※地区によって異なります
働いて稼いだら?
眼鏡の件とは関係ないですが、多くの人が気になりそうなのでこれについても書いておきます。
よく「生活保護受給中は働いても意味が無い」と言われがちですが、厳密には違います。
これもまた地区によって大きく変わるでしょうが、
①15000円までは稼いだ分そのまま使えるお金が増える。
②10万稼いだら2万程使えるお金が増える。
③22万稼いだら3万程使えるお金が増える。(≒16万が収入の上限)
それぞれの間は比例して増えていきますが、上記の金額で増加スピードが変わる感じです。
なので厳密には、
・社会復帰の為少しずつ働くインセンティブ(動機付け)はある
・一方、2万以上働いても金銭的なメリットは少ない
・しかし生活保護から抜け出すには3か月ほど安定収入を維持出来るようになる必要がある。(ハロワ経由で就職したら別かも)
こういったイメージであってると思います。
思いますがこれは体験して確認したわけではないので間違ってたらご指摘いただければ幸いです。
いずれにせよ、受給している当人視点で私としては、この制度自体はそうおかしな物ではないと肯定的に捉えています。
私たちは本来自分で稼いで生活しなければならないところを、返す必要のない借金をして生活させてもらっているわけです。
ただで毎月13万を貰えるというのを前提に考えるとなんだか損した気分になりますが、働いてまだ足りない部分を生活保護で補填してくれているという方が正しいのです。
16万を超えた辺りから稼いだ額以下しか使えないのは少しモヤっとしますが、本来払うべき税金とか考えれば、そして借金を返していると考えれば、そんなものなのでしょう。
まぁそんな正論を言いつつ、やっぱり感情的には損した気分になるし沢山働こうと思いづらいとは思いますがね。
ただ少なくとも、多くの場合最初で且つ一番大きな壁になる「短時間でも"働く"」という所に対するインセンティブは確保しているので、まぁ制度としては妥当なのだと考えます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
具体例を交えて生活保護の利用イメージを解説してみました。
これを読んで、少しでも生活保護へのイメージが変えられれば。
受給を拒否し追いつめられた末の悲劇を防げれば。
親の呪縛を振り払い一人暮らしを始めて、自分を取り戻すきっかけになれば。
生き延びるための選択として一時的に生活保護を選んだ人を、無理解からの白い目で見ることを減らせれば。
そうなれば嬉しいと思います。
生活保護の受給方法、体験
なお、生活保護の申請時の話に関しては当時に別記事を書いておりますので、こちらをお読みください。
一年半前の情報ではありますが、そこまで変わってはいないはずです。
(※修正:年金については自分で手続きする必要があります。免除手続き自体は可能です)
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