やるべきことがやれない
突然だが、俺はやらなければいけないことが出来ない。これが俺がひきこもりになっている理由である。
世の中で仕事を責任持ってやっていく上で、当然好きなことばかりやっていればいいわけない。気の乗らない仕事、面倒くさい仕事、意味を見出せない仕事。そんなのあって当たり前だし、嫌でもやるのが社会人というものだ。
普段社会人というのを散々悪し様に言っている俺だが、この事に関しては流石に反論の余地もない。好きなことを好きなようにやるだけで生きることが許されるのはほんの一握りの天才のみである。
それを分かっていながら、未だ克服できていないのが俺だ。
逃げ癖がこびり付き過ぎて、最後の一線すら何度も逃げ切ってきた俺は、わりと真面目に途方に暮れている現状だ。
何が厄介かというと、これが本来好きなものであっても同様だということだ。
具体的に今の躓きを書く。
俺はTRPGを広める仕事をしたいと考えている。その手法として引きこもり×TRPGという売りでYouTubeで動画を投稿したいと考えている。その前段階としてまずメンバーを集めなければならない。集めるためには知らない人に楽しんで貰わないといけない。その為には短めのシナリオを用意せざるを得ない。
もともとはTRPGというのは6時間とか平気でかかるものだ。長ければ長いほど良いとまでは言わないが、やはりかけた時間がそのまま没入感や感情移入の過多に直結するのは否めない。
その上例えば1、2時間のシナリオというのはそもそもキチンと清書しても2千文字程度のボリュームしか用意できない。自分が回すためだけのメモ程度ならA4用紙1枚がすっかすかなレベルだ。
その制限の中でシナリオを作るとなると、どうしても薄っぺらい内容になりがちだ。少なくとも何かしらの問いを投げかけるのは相当に難しい。
俺が好きなのはそれ相応の時間をかけて、その人の人間性に問いかけるシナリオだ。葛藤の無いシナリオに心惹かれない。葛藤の末に決意とともに試練に立ち向かう姿をこそ見たいのだ。それを短時間シナリオに盛り込むのは、不可能とは言えなくとも相当に難しい。
だというのに皆、皆が「もっと短いの無いの?」という。本音を言うと歯がゆいどころか怒りすら覚える。自分がどれだけ無茶で的外れなことを言っているのか知りもしないで、なんて思ってしまう。
いや、もちろん頭では理解しているんだ。そりゃ知りもしない遊びに3時間どころか、6時間もかけてられないと。というか短めのシナリオが作りやすいのがクトゥルフが流行った理由の一つなんだしね。
そんな歯痒さの中短めのシナリオを、なんて縛りをかけてシナリオを書こうとしているうちに、再び冒頭の悪癖が出てきたわけだ。
TRPGは好きだしシナリオを書くのも好きだ。だが問いの無いシナリオを書くことへの倦怠感が俺を容易くベッドに縛り付け、他の一切を後回しにさせる。
シナリオというのは一度作れば何度も使いまわせるものだ。当然既存のシナリオを使ってもよいのだが、問いの有るシナリオを探すより自分で作った方が早いと言っているのも自分自身だ。
自縄自縛、自業自得。
いずれにせよ、この我儘としかいいようのない逃げ癖、悪癖を何とかしない限り、社会復帰など夢のまた夢だろう。
これがあるから、何時まで経っても俺は自分を認められない。
欠陥品、クズ、甘ちゃん。キャラリメイク出来るならしたいよホント
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