[Avacusアーカイブ]暗号通貨でAmazonショッピング
こんにちは、私はこれまでAvacusに関する記事を多く書いてきました。それも複数の媒体で書いてきたので、過去記事の保管場所が点々としている状態になっています。なので、これらを今一度再編集し、画像も作り直し、ここに再投稿していきたいと思っています。
現在Avacus.ioはすでにサービスが終了しておりますが、Avacus株式会社としては今後も存続が明言されており、現状は新サービスの続報が待たれているといったところです。ホルダーやユーザーの雰囲気は、おおむね楽観的に彼らのカムバックを待っているように感じられます。なぜ楽観的でいられるのか?それはAvacusがこれまで本当に多くのリリースやアップデートを提供し、ユーザーを楽しませ続けてきたという実績に基づいた信頼に他なりません。
最終的にAvacus.ioは、Shopping(Amazonでのお買い物)・Ask(クラウドソーシング)・Pay(送金サービス)・Bazaar(フリーマーケット)という4つのサービスを備えたプラットフォームへと成長していきますが、当初は「暗号通貨でAmazonのお買い物ができる」というところからスタートしたサービスです。
実際、Avacusは2017年からスタートしたサービスで、だいぶ時代の先を行き過ぎた感は正直なところあるかもしれません。そしておそらくこの先多くの「Avacusっぽいサービス」がでてくることでしょう。この記事は、そのときに「2017年に時代の先を行き過ぎていたAvacus.ioというサービスが存在していた」ということを人々が思い出す何かの助けになればと思い、アーカイブとして残していくものになります。
暗号通貨でお買い物するだけで最大50%OFF
AvacusShoppingは、Amazonのほしい物リスト機能を活用し、暗号資産を手軽に入手したい人と暗号資産をつかってお買い物をしたい人をマッチングするマーケットプレイスです。
サイトは日本語・英語・ベトナム語、ポルトガル語など多言語をサポートし、グローバルのAmazonマーケット(日本・アメリカ・カナダ・イギリス・ドイツ)に対応。国内だけでなく世界のユーザーが利用する暗号通貨のグローバルプラットフォームとして急成長しました。
ショッパー(暗号通貨でお買い物をしたい人)にとっては、ディスカウントを設定することができ、割引価格にてAmazon価格よりもお得にアイテムを購入できることが大きな魅力となりました。
バイヤー(暗号資産を手に入れたい人)は、ショッパーの設定した割引分を負担しなければいけないものの、それを差し引いてもAvacusで暗号通貨を入手したい利点がありました。それについて話す前に、まずはAvacusShoppingの仕組みをご説明しましょう。
①ショッパーはAmazonでほしい物リストを作成し、Avacusにほしい物リストのURLを貼ります。
②この際、割引率を設定することができ、ユーザーランクに応じて最大50%まで自由に設定することができます。
③バイヤーはオファーリストに並んでいる中から商品価格や割引率などを見比べながら取引したいオファーを見つけ、ショッパーが指定するほしい物リストの商品を代理購入します。
④商品が無事にショッパーのもとへ届いたことが確認されたら、エスクローが解除され、報酬の暗号通貨がバイヤーに支払われます。
つまり「暗号通貨でAmazonのお買い物をする」と言っても、直接Amazonにビットコインや暗号通貨を支払うわけではなく、代理購入を利用して実質的にビットコインや暗号通貨をつかって買い物をするという形です。
余談ですが、かの有名な「ビットコインピザ」も、Avacusと同じ代理購入で取引されたものでした。ピザ屋さんに直接ビットコインを支払ったものではないということはあまり知られていないかもしれません。大きく違うのは、Avacusにはエスクローシステムがあり、取引完了まで報酬が仮払いの状態となって両者の安全と公平が守られているという点です。
Avacusをつかって暗号通貨を入手する利点
Avacusが登場するまでは、暗号通貨を手に入れる方法としては、取引所や販売所で購入することが一般的でした。口座を開設するために本人確認書類を揃えて提出し、住所確認のための郵送物を受け取り、日本円を口座へ入金し、はじめて取引ができるようになるのです。
Avacusが画期的であるポイントの一つが「ウォレット開設の容易さ」で、メールアドレス一つで、無料でユーザー登録ができ、煩雑で時間と手間のかかる申し込みを必要とせず、口座を持たなくても今すぐにスタートできることです。
そのためビットコインが値下がりしている時など、今買いたいという時機を逃さずに購入ができました。また、販売所のレートは一般的に売却価格より購入価格の方が高く設定されており、特に国内取引所のスプレッド幅はあまりにも広すぎるという評判を持っています。そういった不利な価格で購入したくない場合にもAvacusは有効でした。
代理購入時にAmazonの幅広い決済手段をつかえるということは、実質的にクレジットカードのショッピング枠やギフト券やポイント、電子マネーを暗号通貨に交換できるということを意味します。バイヤーで代理購入した分のポイントを別途得られることもメリットです。
VACUSなどのトークンの場合は、取引所で購入しようとするとVACUSであればXCPやBTCというように、ほしい通貨を購入するために別の通貨を用意する必要がありましたが、Avacusで購入するならその必要がありません。
さらに Avacus内での取引は市場の板に影響を及ぼさないため、価格を上げずに買い集めることができる(あるいは価格を下げずに使うことができる) のも大きな利点として機能しました。
Avacusが途上国で高い需要を持っていた理由
最終的に、14,000人を超えるAvacus.ioのユーザー割合は、ブラジルなどの海外ユーザーが大部分を占めるようになっていきます。それには、海外での日本とはまた異なる需要が大きく関係していました。
▲ブラジル人ユーザーの要望に応えてサイト言語もポルトガル語に対応
発展途上国の若者たちの新しい稼ぎ口としていま急激に伸びているのがマイクロタスク市場で、その代表的なものがAmazon Mechanical Turk(アマゾンメカニカルターク)です。メカニカルタークのワーカーはアメリカ在住であればドルで報酬を受け取り可能ですが、ワーカーの多くはブラジルやナイジェリアなど途上国の若者で、彼らは有効期限つきのAmazonギフト残高で支払いを受けています。もうお分かりですね、彼らには「報酬で得たギフト残高を現金化しなければいけない」という需要がありました。
このように、多くの利点とともにユーザーの要望に応えるものとして根強く支持されたのがAvacusのShopping機能でした。ちなみに「マイクロタスク」というキーワードはAvacusの今後の戦略に大きく関わってくるものになりますので、別の記事で詳しくご紹介したいと思っています。
Shopping手数料収入の75%をユーザーへ還元
Shoppingの手数料は「割引額の10%」で、こちらはショッパーが負担します。
たとえば1000円の商品を15%引きで購入したときには865円分の暗号通貨を支払う(商品代金1000円-割引額150円+手数料15円)という計算になります。
手数料のうち25%が運営の利益となり、大部分の残り75%はホルダーに還元される仕組みを持っていたことも特徴的です。このユニークな還元システムについても、別の記事でご紹介しましょう。
Avacusは必要不可欠な「生活」のサービス
AvacusのShoppingは多くユーザーにとって(特にブラジルなどのメカニカルタークユーザーなど)そして私自身にとっても、生活に溶け込んだ不可欠なサービスでした。なにしろ家の中の多くの物をAvacusで揃え、日用品から食料品までAvacusで購入していましたから、電気水道ガスAvacusと言ってもいいほど、ライフラインに近いサービスでした。
▲キャットフードや猫砂も毎回Avacusで購入していたので、うちの猫はもしかしたら地球上で初めての暗号通貨で生活していた猫かもしれません。
もともとAmazonのヘビーユーザーだった私は、Avacusを使いこなすまでに時間はかかりませんでした。Amazonの販売価格は物によっては定価よりも安かったり、逆に高かったり、定価と変わらなかったりバラつきがあるのですが、定価よりも安い商品にさらにAvacusの割引をかけるお得感と、育てる通貨である暗号通貨を暴落しているときにAvacusで買って値上がりしたときにAvacusで使うというお得のトリプルコンボが節約好きのコスパ厨にがっちりハマりました。もっとも、値上がりしているときは割引率があまりに高すぎるとオファーが成立しないので、オファー単価を下げるとか、商品の選択を工夫するとか、すぐにほしかったら割引を諦めるとか、そういった攻略性もまた面白いと感じた要素のひとつでした。
▲Amazon価格にAvacus割引をかけてさらにお得にお買い物ができた一例
Avacus.ioが終了した今でも私の買い物のほとんどが相変わらずAmazonですが、そのたびに「Avacusがなくて困るなあ」「あれも買っとけばよかった」など、余計にAvacusの存在を感じています。ただし、ShoppingはAmazonのほしいものリストがあってこそのサービスなので、今後もしAmazonの仕様が変更になったりすればこれまでと全く同じ形のサービスは提供できなくなる可能性もあります。これまでも何度か突然Amazonの仕様が変更されることが起きていて、そのたびにAvacusはシステムをアップデートさせながら対応し続けてくれました。
さいごに
AvacusがカムバックしたときにShopping機能が再び利用できるのかどうかはわかりませんが、2021年にエルサルバドルが自国通貨をビットコインに決定したことで大きな話題になったけれど 「暗号通貨で生活すること」が2017年すでに日本で、Avacusという箱庭のなかで実現していた、暗号通貨で生活していた未来人が確かにいたのだ ということは書き残しておかなければ、と義務感にも似た気持ちでこうして過去記事を掘り起こしています。
最後までお読みいただきありがとうございました。こんな感じでAvacus.ioの過去記事をアーカイブとして残していきたいと思っていますので、次回以降もお楽しみに。