真夜中の香水

昨日夜の出来事。

寝付くまでの暫しの時間。

空気の流れが無いのは嫌なので、網戸をしてベランダの窓を全開に開け、カーテンでに３分の２くらい覆っておりました。

ちょうど０時を回った頃、どこからともなく男性用の香水の匂いが漂ってきました。

わたしは香水好きなので、メンズかレディースかは簡単に嗅ぎ分けられます。ウッディでモス(苔)が使われることの多い、あの、独特な香り。

その昔からある男性整髪料も、確かこんな匂い。

そんな匂いが突如として流れ込んできました。

フワッと香って来たのだとしたら、あぁ、誰かベランダに出たのかな、寝る前にタバコでも吸うのかな、で終わったんですが。

その匂いは、かなり濃く強くなり、部屋の真ん中まで漂ってきました。

え、、、。

妙な気がして、窓に近寄り外を見ますが、何もありません。もちろん、誰もいません。隣は今は空き部屋で我が家は角、そして何より、一階ではありません。

聞き耳を立てても、階下の住人がベランダに出ている気配もない。

なんだ？

状況確認をしている間も、香水の匂いの濃度は変わることがありませんでした。

まるで、大量につけた人が側にいるかのように。

正直、男性用香水の匂いがあまり好きではない私は、いつまでも濃度の変わらないその匂いの濃さと好みじゃない匂い、そしてその奇妙さに気持ちが悪くなり、さっと窓を閉め、鍵も閉め、カーテンを最後まで引きました。

一通り終え布団に戻りましたが、そうした後も、部屋の中には男性用香水の匂いは残っていました。

好まない匂い。

一抹の不安を覚えながらも、寝ないわけにもいかず、電気を消す。

一体、なんだったのか。

おしまい。