帰国。遠距離生活の始まり
こんにちは。昨日帰国して、ホテル隔離が始まりました。
彼は仕事を早退して空港まで見送りに来てくれましたが、保安検査場に来るまでは、これから二人で旅に出るような感覚で、ちっとも悲しくなかったし、むしろワクワクしてました。本当は感染症対策でチェックインカウンターにも旅行者本人しか入ってはいけなかったのですが、ガードマンの目を盗んで、二人とも旅行者のふりをして最後まで一緒にいました。だから終始ワクワクしてられました。笑
出国ゲートを前にして、「あれ意外と泣かないでいけそう」と思ったのも束の間、元気でね、とハグをした瞬間に堰を切ったように涙が溢れ出しました。彼は泣きませんでした。私の帰国当日に、彼が仕事を終えて帰ってきて、家のドアの前で抱きついて、ボロボロ泣いたあの一回以来、一度も泣きませんでした。強い人だな〜といつも思います。
出国審査は全てロボットが行います。パスポートの顔写真と本人の顔をカメラで認識するのですが、泣いたせいで目がパンパンだったのか、やたらと時間がかかりました。笑
いつも飛行機に乗るときは、特に離陸の瞬間は、本当にワクワクするのですが、今回ばかりはなーんにも感じませんでした。気づいたらもう上空にいた。シンガポールで乗り継ぎ待ちをしている13時間、日本に向かう便の中での7時間、心にポッカリと穴が空いたようで、ちっともワクワクしませんでした。初めてのシンガポールだったんだけどな〜。
10月の末にドバイに行って、1ヶ月で帰るつもりだったのが、延長を繰り返して結局4ヶ月みっちりドバイにいました。
4ヶ月間、食べ物がまずいとか、ゴキブリだらけとか、隣人がうるさいとか、時差のストレスとかで、日本に帰りたいと泣き出したり、まあ色々ありましたが、いつも彼は黙って私の話をそばで聞いてくれて、支えてくれました。長い夢を見ていたんじゃないかと本気で疑ってしまうくらい、あっという間でした。本当は一人暮らししてたのに、寂しすぎて空想の人物を作り上げてたんじゃないか…?ビデオ通話をしている間も、スマホの画面越しの彼を見て、AIなんじゃないかといつも思います笑
さて。
帰国の理由は、金欠で家賃を支払えなくなったからです。笑
全財産が5000円となり、生活できなくなりそうだったので帰らざるを得ませんでした。家賃を貸すと言ってくれた超金持ちの友人もいたのですが、それでも帰国すると決めたのは、これ以上タラタラと同棲を続けていても、彼への精神的なストレスはずっと増え続けるし、次のステージに進まないといけないと思ったからです。
前回のノートにも書きましたが、ムスリムにとって結婚前に同棲するというのはものすごいタブーです。私も母にしか話していないので、イスラム文化圏にいない私でもなんとなくわかります。
母とは何度もビデオ通話をして、結婚について議論しました。母には大学を卒業してからなら何をしても構わないと言われています。私がそんなこと知ったこっちゃないと言って無断で結婚してもまあ構わないが、父は深く傷つくだろう、そして今後ずっと私に対して心を閉ざしてしまうだろう、とも言われました。
父にとって娘というのはいくつになっても可愛い娘、というのはよく耳にしますが、知らないうちに娘が結婚していた、しかも海外で、しかもどこの馬の骨かもわからない外国人と、なんてことになったら心臓止まりますよね。
ということで、今回帰国したもう一つの理由は、両親に結婚の意志を伝えるためです。
どういう反応をされるか、全く予想つきませんし、結局何も言えずにまたドバイに行ってしまうような気がします。「あえて言わないことも思いやりだと思うよ」と母が言ったように、何も言わずにまたドバイで仕事を頑張っている娘であり続ける方が、父の精神は安定すると思います。
私が結婚の話を何も進めずにドバイに帰ったとしても、彼は受け入れてくれるでしょう。こんなに心の広い人を私は他に知りません。だからこそ、もうこれ以上、私と彼の家族の間で苦しんで欲しくない。彼がしてくれたように、私も彼の文化や価値観を尊重したい。
だから今回日本にいる間に、両親に私の決意を伝えたいと思います。
タイムリミットは、私が遠距離に耐えられなくなるまで。
誰か、両親への結婚のカミングアウトを円滑に済ませる方法を知っていたら教えてください笑
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