いじめにあっても自殺は間違いだ
心を痛めるニュースが続く。なぜ未来ある子どもが死を選んでしまうのか。過去に自身がいじめにあった経験から考え、伝えたいことをまとめた。
ポイント
・いじめの履歴書
・いじめを受けた気持ち
・周りへ助けを求めたか、周囲の対応
・いじめの終焉
・いじめの終焉から
・まとめ
○いじめの履歴書
私がいじめを受けたのは主に小学生の頃だ。特段優れたところも劣ったところもない普通の子どもだった。
一番過酷だったのは4年生の頃。クラスでもリーダー格の女子に目をつけられ、ただただ苦痛な学校生活を送った。
女子のいじめは目に見える殴り合いではない。仲良しグループに加入を促され、外からは見えないようにいじめをする。
具体的にされたことを列挙した。
・バイ菌扱い(汚いから触るなと言われる)
・容姿の中傷(ギャルではなかったが、当時のブームに合わせ汚ギャルと言われていた)
・砂場に埋められる(今思えば犬のフン尿がある衛生的な砂場ではなかった。それでも埋められていた方が楽だった)
・玩具を奪われる(ポケモンパンのおまけシールを集めるのが流行っており、パンを買っては彼女に献上していた)
・金銭を奪われる(少ないお小遣いのほとんどを彼女に渡していた)
・一人だけ差別される(彼女の自宅にグループの仲間で招待された際、みんなはジュースを出されたが私だけ水だった)
今思うと友達ではなく、姫と奴隷のような関係だったと思う。
○いじめを受けた気持ち
とにかく辛かった。彼女に復讐しよう、そんな考えは全く出て来なかった。
何をされてもひたすら謝っていた。
もはや条件反射のように謝っていたと思う。
後述するが当時の私に逃げる術はなかった。何があっても学校に行って、彼女が支配するグループに入り、いじめを受ける。
それが当時の私の生活だった。
いつしか遺書に彼女からのいじめのことを全て書き連ね自殺することが頭をよぎっていた。
○周りへ助けを求めたか、周囲の対応
結論から言うと私は自発的に周囲に助けを求めることはなかった。
親や教師に助けを求めたとしても、彼女の怒りを増長させることは分かっていたからだ。
学校に行かないという選択肢があることも知っていたが、親に認めてもらうことが難しいと分かっていたので、言い出すことができなかった。
徐々にいじめが周囲の人の目に見えるようになり、彼女と私に対し何らかの働きかけがあった。
・クラスメイトの女子
正義感の強い子だった。私のハンカチが汚いと言われているときに、彼女と対峙し注意してくれた。
しかし彼女も負けない。ノラリクラリと正論を論破してしまった。それ以降、正義感の強い子が関わってくることはなかった。
・クラスメイトの男子
私が何もやり返さないことをじれったく思ったのだろう。「あいつに死ねって言われたら死ぬの?」本質的なことをストレートに聞かれた。何と返答したか覚えていないが、うやむやな返答をしたと思う。
・親
金銭を搾取されていることに気がついた母親が彼女に注意した。穏やかな性格の母親が他人の子供を叱ったのは、これが最初で最後だと思う。
しかしながら、彼女は周到な言い訳を淀みなく答えた。結果彼女と遊ぶことを禁止されるということはなかった。
この事件以降、彼女は、○○のお母さんは最悪だね。といった言葉を何度も私に投げかけた。彼女の望む通り答えないと怒りを買うので自分も母親を嫌いなふりをした。
ちなみにもし父親にいじめのことを打ち明けた場合、自分でやり返せor彼女を酷く叱責する(→さらにいじめられる)ことが想定されたので、絶対に父親には知られたくなかった。
・教師
定年間近の男性教師だった。基本的に、なぜ私が彼女の命令に従ってばかりなのか?自分でやり返せという指導であった。
詳細なことはもう覚えていないが、一つだけ衝撃的な言葉をかけられたことを覚えている。
「お父さんに言うからな」
簡単にまとめると、私が彼女から自身で身を守ろうとしなければ、彼女に対抗しようとしなければ、私が一番望んでいないことをすると言うのだ。
何で悪いことをしていないのに怒られなければいけないのだろう。余程ショックだったのか、今でもあの時の雰囲気を思い出すことができる。
○いじめの終焉
5年生に進級するにあたり、クラス替えが行われた。彼女とはクラスが別になり、彼女からのいじめはピタリと終わった。
○いじめの終焉から
彼女とは中学まで同じ学校へ通っていた。何らかの申し送りがあったのか知る余地はないが、中学で彼女と同じクラスになることはなかった。
小学4年のいじめの後、彼女と数回言葉を交わした。謝られたことは一度もない。
きっと彼女の中で、私は一つのコマに過ぎなかったのだろう。
あの頃から10年以上経つがきっと彼女は私をいじめたことすら忘れているだろう。
彼女は卒業文集に友人の大切さを書いていた。私は何だったのだろう?
○まとめ
・自殺してはいけない
→あなたが死んでも、あなたをいじめたあの人は、あなた以上の苦しみを受けることはない。あなたは死んでしまったら、相手に反論をすることもできない。相手の為に自分の命を犠牲にする必要はない。
・どこにも逃げられなくても自分の心までは相手に渡さない
→できることなら、いじめから逃げてほしい。ただ親の保護下にいる小中学生では自分の意思だけで、逃げることは難しいと思う。
私は自分がいじめにあっていた頃、物・金銭の搾取のほかに、自分の価値の算定まで相手に委ねていた。そして相手によって形成された価値をそのまま受け取っていた。
それは絶対に違う。どんなことを言われようとされようと、あなたの価値はあなたにしか決められない。
これから一生いじめ相手と共に生きていくのか?
NOが多数だと思う。一生背負っていく自分の価値を、誰かに決められてはいけない。
・全ての原因を自分にしてはいけない
→いじめられる側にも原因がある。一理あるかもしれないが、考えても考えても誰かに聞いても、原因が分からない。
私もなぜ自分がターゲットになったのか大人になった今でも分からない。(きっと気が弱かったのでいじめやすかったのだろうとボンヤリとは思う)
そのような時にいじめられる側にも原因がある。という言葉を正面から受け止めてはいけない。
そんな言葉はいじめを受けた当事者なら口に出来ない言葉だ。
無責任な外野から投げられた言葉は、受け流してしまおう。絶対に自分の心の中に留めてはいけない。
○最後に
ここまで読んで下さりありがとうございます。
どなたかのお役に立てれば幸いです。