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アルコホリズムが私たちに与える影響

「あなたは飲酒がアルコホーリクに与えている影響を見ることができる。
しかし、それがあなたに与えている影響を見ることができますか?」
"YOU CAN SEE WHAT THE DRINKING IS DOING TO THE ALCOHOLIC.
BUT CAN YOU SEE WHAT IT IS DOING TO YOU?"

これは、アメリカでアラノンが初めて出した公共広告のキャッチコピーだったそうです。・・・ちょっと怖いですね。さながらサスペンス映画のそれです。果たしてメンバーを集めたのでしょうか。まぁ、それはさておき。

これまで「私たちが原因だったのではない」「私たちはコントロールできない」「私たちは治すことができない」というアルコホリズムの実情を基に、私たちにできないことを見てきました。次に私たちが目を向けるもの。それが、キャッチコピーに謳われている「飲酒が私たちに与えている影響」です。こちら岸に渡ってくることは、私たちにできることをするための第一歩でもあります。

影響とは読んで字の如く、何かの形に従う「影」と、何かの音に応じる「響き」。アルコホリズムの独特な症状は本人だけでなく周りの人々にも強烈なインパクトを与えます。それがとりわけ近くにいる私たちに色濃く影を落とし、強くこだまするのはごく自然なことであると言えます。けれど、なぜそのような当たり前のことに敢えて目を向ける必要があるのでしょうか?

アラノンの基本テキストであるHow Al-Anon Worksによると、アルコホリズムの影響は強迫観念/とらわれ(obsession)、不安(anxiety)、怒り(anger)、否認(denial)、罪の意識(feelings of guilt)として表れると書かれています。これらの症状がアルコホリズムの影響の姿であり、私たちの多くが抱える苦しみの本性であると考えます。またこれらの症状は私たちを苦しめるだけでなく、まるでリアルな生き物のように私たちを動かすようになります。強迫観念や不安、怒りや罪の意識に駆られた私たちの行動は歯車の一つとなって、共にアルコホリズムという家族の病を大きく転がしてゆくのです。

これらの症状はさらに、たとえアルコホーリクが酒をやめたとしても、あるいは私たちが長年アルコホリズムとは無縁の生活を送っていたとしても、私たちが自分自身の回復を求めるようになるまで根強く残り続けると言われています。これもまた、私たちの多くが体験している事実です。

少し重たい話になりましたが、それが先ほどの質問の答えでもあります。けれど私たちは問題が共通であることを大きな強みとして「飲酒が私たちに与えている影響」に共に向き合い、共に解決を探し求めることができます。次回より、上に挙げた5つの症状を一つずつ取り上げ、深く考えていきます。

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