記憶に定着させよう
記憶は、その情報をどれだけ使うかによって定着度が左右されます。
脳研究者の池谷裕二氏によると、記憶の定着は
「その情報をどれだけ使ってみたか」
に大きく依存するとのことです。
確かに、仕事で必要な情報は日々使うため、自然と頭に入っていきます。
また、勉強が苦手な子どもでも、
友達と一緒にプレイしているゲームについては、
驚くほど詳細な情報まで正確に覚えているものです。
頻繁に使う情報に対して、脳は「これは重要だから覚えておこう」と
判断します。
このように、脳は記憶の取捨選択をしています。
出力(実際の使用や具体的なアウトプット)として使用頻度が高い情報ほど、
優先して記憶します。
池谷氏は「頭にあるものをアウトプットすると記憶は定着しやすい」と
指摘しています。
具体的には、覚えた内容を誰かに話したり、文字として書き出したりすることが有効です。
頻繁に友達に勉強を教えている生徒の成績が良いことがあります。
もちろん、その生徒自身の地頭の良さも要因の一つですが、
誰かに教えることを通じて情報がより整理され、
実際に使える形で記憶に定着するという点もまた要因の一つです。
このことは勉強に限らず、日常生活にも当てはまります。
楽しかった出来事も、誰かに話したり日記に書いたりすることで、
より鮮明な記憶として残っていきます。
池谷氏は、どれだけ入力されたか(見た・聞いた)はあまり重要ではなく、
どれだけ出力されたか(使う・書く・話す)が重要だとしています。
覚えておきたい情報は、できる限り積極的に使いましょう。