中身を充実させよう
西岡常一氏は法隆寺・薬師寺の宮大工棟梁でした。
明治生まれの人なので、若い世代は知らないかもしれません。
『法隆寺を支えた木』という文章は、
光村図書の国語の教科書に掲載されていました。
西岡氏は、薬師寺金堂再建のために、台湾まで檜を見に行きました。
樹齢2000年を超える檜の中に、まるで若木のように
枝や葉に勢いを持つ木がありました。
しかし、そういう木は決まって<中は空洞>だったそうです。
中が空洞なので枝葉に栄養が行き渡り、若木のようになっていた、
ということでした。
これに対して、芯までしっかりしている木は、
樹齢相応の風格があるそうです。
長い時間生きていると、当然身体は老化します。
人生100年時代と言われる前から、
アンチエイジングという言葉は、普通に使われるようになっており、
若返りのための製品・サービスは以前よりずっと増えました。
外見に気を使うことはもちろん大切ですが、
<中身は空っぽ>になってしまうことは避けたいところです。
年齢を重れば重ねるほど、これまでの人生が顔と身体に現れます。
まさに「20歳の顔は自然の贈り物、50歳の顔はあなたの功績」という、
ココ・シャネルの言葉の通りです。
年齢相応の風格を身につけるには、
充実した日々を少しずつ重ねていくしかありません。
木の年輪を見れば分かる通り、木の幹はいきなり太くはなりません。
特に檜は成長が遅いため、年輪の間隔が詰まっていて、
非常に強固になります。
樹齢に相応しい風格をもった檜のようになれるよう、
自分の内側にも栄養を取り入れましょう。
人との交流や読書を積極的に行い、
自然や美術・芸術に触れる機会を増やすなど、
内側を豊かにする活動を続けていきましょう。
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