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羊の原毛を洗いました

昨日は昼から、羊の原毛を洗う作業をしました。
昨年の春に天国に行ってしまった、うちの羊、名前はこまる。チェビオット種の1歳でした。こまるの身体からわけてもらった原毛が、袋に入ったまま手元にずっとあったのです。

こまるのウールを何かの形に残すべく、まずは原毛を洗うところから始めます。
(作業に当たって、あちこちのサイトを調べてみると、洗い方や手順、お湯の温度、つけおき時間、様々な情報がありました。個体差もあるだろうし、これは実際にやってみないとわからないな…と感じ、今回は、いくつかの情報から、自分で勝手に解釈して挑戦します。初めての試みなので、数値はあくまで試行錯誤の一例としてみてください!)

洗う前のごみ取り(スカーティング)

晴れていたので、原毛(fleece【※】)を収めていた袋を持って、ベランダへ。袋を開けると、こまるの匂いがします。
刈ったまま眠っていた原毛には、小屋の敷き藁や、牧草、好きで食べていた豆殻のかけらなどが絡まっています。

内側の、肌に近い部分は白くてフワフワ
表面は、毛玉になっていたり、汚れやごみもちらほら

素手で毛を掻き分け、ごみを取り始めたものの、繊維に細かく入り込んでいて、思うようには取れません。あっという間に、指先が羊の油で光り、ペタペタしてきました。ウールに油脂が含まれているのは知っていたけれど、こんなにもしっとりしていたとは。よく見ると、根元のほうには黄色っぽい皮脂の粒?もあるように見えます。
しばらく試みたのち、結局、ごみ取りは粗々で済ませました。
洗いや、乾燥後にもだいぶ落ちるだろう…(と勝手に期待して)。

【※】刈ったままの、羊一頭分の原毛を、fleeceと呼ぶのだそうです。
フリースといえば安くて軽くて暖かく、匿名性の高い、あの「フリース」のみが表象としてばーんと頭に浮かぶ私。
しかし今回目の前にあるfleeceは、しっとり重く、油を含み、獣の匂いがするし、枯れ草が絡まっていて、質感が全然違う。さらに、こまるという名前と、固有の記憶も紐づいています。
「フリース」という語は、もともとは、これを表象する文字列/音だったのかー。新素材の名前(「レーヨン」「ポリエステル」みたいな!)だと勝手に思っていたよ。
…まさにユニクロのフリース(10年以上着倒している)を身に着けながら、こまるのフリースを触って、そんなことを考えつつの作業です。

洗うために用意したもの

  • 原毛 約500g
    小柄な羊、半身分のfleeceから、お尻回りやお腹の汚れたところを取り除き、軽量しました。
    農業用ミニコンテナハーフに入れて、だいたい半分くらいの体積?があったのですが、量ってみたら、実際の見た目より軽い印象。

  • 漬け込み用容器
    原毛重量の30~40倍の湯に漬け込む、と良いらしい。
    原毛0.5kg×30=15㎏、水1kgで1Lとして、必要な容積は15~20L?
    家にあった、容積約14Lの容器をお風呂場にスタンバイ。(本当はもう少し大きいのが良いなと思いつつ)

  • ざる
    大きなざるがなかったので、野菜収穫用の手提げ籠で代用しました。

  • 洗濯機
    脱水のために使います。

  • 中性洗剤
    家にあったアクロン

  • お風呂の洗い場(作業場として)
    熱いお湯(40℃~70℃)が出せることと、排水のしやすさを考えると、作業場はお風呂場一択でした。
    ごみ取り時の手触りからして、排水時にけっこうな脂分が流れそうだけれど、どうなるだろう…。

下洗い

50~60℃くらいのお湯を容器に入れ、原毛を沈めて1時間放置しました。

沈めた直後。
こうやって写真で見ると、やっぱりごみがたくさんついている~

原毛を沈めると、すぐにお湯が濁ってきました。
洗剤なしでもこんなに汚れが出てくるものなのか。
1時間後には、お湯は真っ黒に。

1時間後。
お湯がモール温泉のよう!指先が見えないくらいの濃度です。

ざるに上げて水気を切り、洗濯機で軽く脱水しました(90秒くらい)

下洗い→脱水後。一段階明るい色になりました。
触ってみると、油脂分もけっこう落ちている印象。お湯すごい。

洗剤洗い1回目

60℃くらいのお湯を容器(14L)に張り、15㏄の中性洗剤(アクロン)を入れて撹拌、原毛を漬け込みました。
お風呂場が寒かった(室温13℃くらい)ので、お湯が冷めないよう、発泡スチロールで蓋をして、まわりにアルミの断熱ピクニックシートを巻きました。
※あとになって、洗剤量は原毛重量の5%~10%、という記載を見つけたので、もしかして濃度がやや薄かったかも?(原毛500g×0.05=25㏄、となる?)

4時間弱そのまま置いておき、その後、お湯からざるに引き揚げて軽く水気を切りました。保温効果はそこそこあったようで、手を入れるとまだお湯が熱く、ゴム手袋で作業しました。下洗いの時ほどではないですが、お湯はやはり灰色に濁っていて、汚れが落ちた様子が分かります。
洗濯機で90秒脱水。

洗剤洗い1回目→脱水後。
黒いところがなくなりました。

洗剤洗い2回目

40℃(お風呂くらい)のお湯を容器(14L)に張り、1回目の半分量の中性洗剤(アクロン7.5㏄)を入れて、1時間置きました。
その後、お湯の中で軽く振り、汚れのひどい部分(主に毛先)があるときのみ軽くつまみ洗いをしながら、小分けにざるに上げていきました。お湯の色は今回はそれほど濁らなかったのですが、細かいごみがたくさん沈んでいました。
ざるで水気を切った後、洗濯機で90秒脱水。

すすぎ

40℃くらいのお湯の中で、小分けに軽く振り洗いをして、細かいごみを落とし、ざるへ上げていきます。けっこうごみが落ちるので、お湯が汚れたら取り替えます。
これを2回繰り返した後、洗濯機で90秒脱水しました。
洗濯機から取り出すと、ずいぶん白くふわふわになっているのがわかりました。

すすぎ→脱水 終了後。
白くなった!そしてふわふわに!
細かいごみは、少し減ったけれどまだ残っています。

広げて干す

洗った原毛を乾かすため、新聞紙をしいて、原毛を平らに広げて並べておきました。
本当は網の上で乾かすのが良いのだろうけれど、ちょうどよい網がなく。
室内はストーブを焚いていて乾燥気味なので、うまく乾くのではないかな?…と勝手に期待。

まずはここまで

  • こまるの匂いは消えてしまったけれど、原毛は白くきれいになりました!(さみしいけれど、うれしい)

  • まだ、細かい牧草や藁が残っているけれど、これは取れるものだろうか?どうにかうまく取れるといいな。作業が進んだら、追って記録します。

  • 作業に使ったお風呂場は、それほど汚れませんでした。よかった!
    原毛の油分を落とす、とはいっても、お肉を焼いたときのような動物性の油とは性質が違いました。(当たり前か…?でもやってみるまでよくわからなかったのでした)
    作業後に調べてみて、ウールに含まれる油分は、いわゆる「ラノリン」で、脂質というよりは蝋(wax)のような性質なのだと知りました。なるほど!納得。 

この後やりたいこと

  • 乾いた羊毛から、こまかいごみを取る(どうやって?)

  • ハンドカーダーで繊維をそろえる(カーディング)

  • ウールの量や状態を見て、フェルトにするか、糸を紡ぐか決める

  • 最終的に、自分が身に着けるものを作る

畑の作業も徐々に始まるので、最終段階までは長い目でみていくとして、まずは春になる前にカーディングまで済ませて保管したいです。
作業をしたら追って記録します。

【自分メモ】羊仕事で参考にしているサイト


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