ヨーロッパを旅した100の感想:23.私がマルタ留学をオススメしない訳
マルタといえば、最近日本でも人気の留学先のようですね。英語が公用語であることと、まだ知名度のない国なので日本人が少なく英語を勉強する環境としてとてもいいという風に言われてましたね。
そんな私もマルタのセントジュリアンという地域に留学していました。
私は全くそんな風には思いませんでした
留学なんて行ってみないとわからないもので、人気のマルタ!と胸を弾ませて行っても実際は全然違うことなんてある訳ですよ。
マルタはまさにそういう国でした。正直、もう二度といきたいとは思いませんし、マルタに留学に行きたいと思っている人に勧めたいとは思いません。
もちろん、人によります。私はマルタに合わなかっただけかもしれませんし、時期的にも楽しめなかっただけかもしれません。
まず何がそんなに合わなかったのかという話ですよね。
英語が公用語なんて建前
一応、表向きはマルタの公用語は英語とマルタ語なんです。マルタの人たちは主に両方使います。ですが、私が出会ったマルタの人たちは都合が悪くなったりめんどくさいとマルタ語しか話さなくなるので英語で戦えませんでした。
そして何より気になったのは、マルタの方の英語もマルタ語にひきづられた英語なのでとても聞き取りにくいんです。マルタ語と言われてもピンとこないかもしれませんが、マルタという土地柄アラビア語圏とイタリア語圏に挟まれた国なのでその2つの言語を足して二で割ったような言語なんですよ。
なので、英語初心者の人が聞くにはとても大変な英語だと思います。加えて、彼らはなぜか自分たちがブリティッシュイングリッシュを話していると思っているので、プライドが高いです。全然ブリティッシュではないのに。
そもそもマルタ人と会うことがない
そして、何より感じたのは学校の先生以外にマルタ人に出会うことがあまりないということです。なので、お店に行ってもイングリッシュカフェという英語で話すためのサークルに行っても基本的にいるのはヨーロッパの他の国から来た人たちです。
なので、お互いにネイティブじゃない同士が英語で話すことが多いということですね。なので、その国特有のアクセントや癖がまた壁になってくる訳です。
島国気質で全てがいい加減
おそらく、マルタが合わないと思う人のほとんどがこの問題にぶつかると思うのです。
本当にいい加減です。大らかで陽気なことで有名なあのイタリア人がマルタは100年前のイタリアだと行って苛立ちを隠さない国、それがマルタです。
マルタには電車がなく、ほとんどの交通手段がバスなのですがバスが時間通りにくることはありません。もちろん、それは日本もそうなのですが次元が違うんです。
念のためにバスの時間10分まえにバス停で待っていても、時間より早いけど待ってられないからと15分前にバスが出たよと言われて1時間バス停で待ちぼうけを食らうことなんてざらにあります。
もちろん、バスに乗るために手をあげて待っていても急いでいるからとスルーされることもあるほどです。
たまに、お店でお釣りを間違えられたりすることもよくありましたね。
山がない
これは個人的に一番きつかったかもしれません。別に特別山が好きなわけでも、海が嫌いなわけでもないんです。けど、山がないということは土地に凹凸がないということなんですよ。まあ、丘っぽいものや坂はあるんですが。
つまり景色が代わり映えがしなさすぎて飽きてくるんです。
その代わりに海は生まれてこのかた見たこともないくらいきれいなんですけどね。
みんな日本人に慣れていて居心地が悪い
言っておきますが、マルタには日本人がめちゃくちゃいますし、日本人がいる日本食レストランも結構あります。なので、そこまで生きていくのに不便ではないです。
スーパーでも日本食が買えるほどに日本の文化が浸透しているので。
ただ、日本人がいないから英語を勉強するにはいいよ!と言われてきた人からしたら完全に騙されたようなもんですよ。下手したらパリやロンドンより日本人多いと思います、あんな小さな国に。
だからこそ、学校の先生や街の人たちは日本人の扱いに慣れている感じがしました。日本人はあまりNOと言わない、あるいは英語がほとんど話せないから押せばなんとかなるのようなマイナスなイメージを利用されてしまうこともあるということです。
これは本当に悲しい。学校でさえ、英語が通じない日本人は現地の学校の先生から舐められて罰金と称してお金を取られていたりしていました。もちろん、分からないことがあればちゃんと確認することをしない日本人も悪いんですが。英語が話せない手前コミュニーケーションを諦める人も中にはいましたね。
いいところもある
もちろん、いいところもありますよ。小さな国なので、友達がとても出来やすいです。ここで出来た友達は今だに連絡を取り合うほど仲良しです。
そして、海が綺麗。どこから何を見ても海がきれいです。この写真はブルーグロットという洞窟ツアーでのものです。
マルタの近くにはゴゾ島やコミノ島という完全に泳ぐためだけの島もあります。なので、バカンスで泳ぎに来るならもってこいの島です。
ヨーロッパの富裕層も夏はここでバカンスに来るようなので、そういった肩ともお近づきに慣れたりしますね。
これがいわゆる、マルタブルーと呼ばれる青色です。結構マルタの中では使われる色でして、目の覚めるほど美しいです。
そして私が聞き取った英語で間違いがないのならば、このバルコニーはマルタ発祥だそうでマルタでしか見ることの出来ないものだそうです。土台は石造りで出来ているんですが、戦後に廉価で加工がしやすい木を使ってバルコニーを装飾目的で作り始めたのがきっかけだとことです。
なので、このバルコニーもマルタ中にありますしいろんなカラフルな色があります。
そして、歴史もちゃんとある国なので世界史好きな人は楽しめるのではないでしょうか。これは中世に使っていたいわゆる「赤ちゃんポスト」です。マルタは敬虔なキリスト教徒の多い国なのでこういった”配慮”も昔からあるようです。
銀細工やイムディーナグラスといった工芸作品も有名です。色合いも美しく繊細です。細かい作業が得意な日本人もよく学びに来ると係のおじさまがいってました。
猫も島中にたくさんいますね。近づくと逃げてしまうんですが。
この子達はどこでご飯をもらっていたのでしょうね。謎です。
向き不向きある国
1週間のバカンスで来るには素晴らしいリゾート地です。ですが、決して長期で留学するような国ではないと思います。私は1ヶ月いましたが飽きましたし、3ヶ月いる予定だった方がマルタに耐えきれなくなって逃げるようにロンドンに向かった話も聞いたことがあります。
なので、向き不向きは激しく分かれる国だとは思いますが、国籍問わずマルタを素晴らしい国だと言っていた人に今だに会ったことはありません。
なので、短期でバカンスのついでに留学するにはちょうどいいのではないでしょうか。
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