初めての陣痛
29歳の10月30日、初めての出産予定日だった。
臨月に入ってからは、いつ来るのであろう陣痛に身構える日々。妊娠〜出産〜産後は、いままで知らなかった専門ワードが頻出する。〝おしるし〟もそのひとつだった。
10月29日 AM9:00 出血あり。なんだこれは?と思って、里帰りでスタンバイ万全の私は母親に出血したことを伝えると〝おしるし〟ってやつ?と教えられた。
たまたまその日は妊婦検診の日だったので、入院準備を持って産院へ。お昼の12:00、検診後そのまま入院することになった。どきどき…。
14:00 陣痛の間隔を測り出したら見事に10分置き。痛みはそれほどでもなく、余裕。
17:00 陣痛間隔が短くなってきた。7〜10分間隔をうろうろ。
19:00 ひどい生理痛ぐらいの痛みを越えた。鼻から吸って〜、口から吐くときに「ハァァァーーーー…‼︎」と声も出すことで痛みを逃がす。腸にも良い刺激となるのか、う○こがたくさん出た。
20:00 足の付け根を押したり、腰に己の拳をぶち込むもだいぶ痛い。陣痛間隔は5分置きになった。5分休憩時に「陣痛 ポーズ」で検索!いろんなポーズを試す。私は、胸下に枕やお布団で高さを出した四つ這いっぽいポーズがしっくりきた。ゆっくり呼吸を続け、吐くときの「ハァァァーーーー‼︎」で痛みを逃す。これ個室じゃないと無理。
21:00 痛みがどんどん増す中、夫到着!初めは会話もできたけど、途中から痛みが3分置きに。そうなってくるともう余裕なし。痛みが終わったと思ったらまもなく痛い。夫に力いっぱい腰を押してもらわないと呼吸ができない。骨盤がゴンゴンに無理矢理こじ開けられてる感じ。
初めての出産、何がこわいって、陣痛のピークがわからないということ。どこまで痛くなるの〜!?っていう未知の痛みへの恐怖。
22:00 分娩室へ移動。いよいよか…?子宮口が6cmかなと言われて「先はまだまだなのか…?」と心配になる。ヨタヨタと歩いて、移動のエレベーター内で思いっきり吐いてしまった。聞いてない…こんなことあるなんて聞いてない😭多くの先陣達に出産トークをヒアリングしてきたけど、吐くことがあるなんて知らなかった!何も選りに選ってエレベーターで吐かんでも…。看護師さん、ほんとにごめんなさい😭散々吐いて、プゥとか屁もこいて。分娩室のトイレでもさらに吐いてゲリもした。
気を取り直して分娩台に乗る。初め横向きのときは、夫に腰を押してもらえるからよかったけど、さぁ本格態勢とるよと上向きを指示され自分の拳も外されたときは傷みを紛らわす術なし!
痛すぎて顔面ぐしゃぐしゃ。目をギュッとつぶってしまう私に助産師さんが「いきんでいいよ!目を開けてあたしの方を見て!」と。
その言葉に絶大な信頼と説得力を感じた…。心の中で「了解!!」夫が呼吸を合わせてくれたけど、顔に息がかかるのが不快だった。けどそんなこと言う余裕はなかった。
肛門から大きな玉ねぎが無理やり出てきちゃうような痛みと腰の骨を無理やり左右にこじ開けられちゃうような痛み、生理時の腰痛の50倍ぐらいがミックスされたような…。とにかく呼吸することだけに集中した。
「痛い」と感じるだけで気が散った。最後は集中するのみ。一刻も早く産み落とす!
23:30 出たぁーーーー!!!
2いきみぐらいで「頭が出ましたよ‼︎」のかけ声に一気にテンションが上がった。若い助産師さんたちがみんなで励ましてくれた。呼吸の指示、いきむタイミング、助産師の仕事ってすごい。ほんとにすごい。心から尊敬する。
メインで担当してくれた助産師の丸山さんは、ゲロ処理〜わたしの下の世話〜赤ちゃんの取り出しを夜勤で笑顔でこなすっていう…。偉大だよ、この仕事😭
2時間ほど分娩台でそのまま休む。
寒さと、子宮が痛くて眠れない。子宮収縮というらしい。これも知らなかった…。大きく膨らんでいた子宮が、赤ちゃんが産まれて一気にしぼむその痛み。この後陣痛は数日つづく…。長いな陣痛。
その後病室へ車イスで移動。立ちくらみがひどくて2度も気を失った。1度目は倒れてあごを打った、痛い〜。2度目は個室のトイレで座ったまま、気づいたら天井を見上げてた。目の前に助産師さんの心配そうな表情…。
こんなこと初めてで、だからそのあと、起き上がるのがこわかった。ゆっくりゆっくり、頭の高さを上げていって貧血が起きないようにした。
陣痛〜出産の一夜がセンセーショナル過ぎて全然眠れなかった。体が全部痛くてスーパー猫背、余計背中が痛くなる。悪露(おろ)という名の出血が続くし、お股がギザギザしてて触るのこわすぎ洗えない…。座るのもこわい。大好きなストレッチは到底できず、産後は超具合悪いってこーいうことか〜 、と納得。
分娩時間は6時間と母子手帳に記載された。
時間的には短いし安産なんだろうけど、自分史上最も壮絶な一夜だった。
私も赤ちゃんも、無事でなにより。
陣痛の記録でした!