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誠意は曇ったガラスをクリアにする

気にはなるけど入りづらい店ってありませんか?

ある、というあなたのそれはどんな店でしょう。僕の場合、昭和感が漂うおばさまの名を冠するスナックであったり、常連らしき方々でお祭りのようになっている立ち飲み屋であったり。

店とは少し異なるけれど、ゲストハウスが、気にはなるけど入りづらいということがあるかもしれません。

僕はゲストハウスに泊まりながら旅するのが好き。好きだけど、はじめて泊まるゲストハウスのドアノブをまわすとき、スタッフはどんな人だろうか、雰囲気になじめるだろうかと、楽しみでありつつちょっと不安だったり、ごちゃまぜで少しどきどきします。

先日、とあるゲストハウスのオーナーの話を聞き、ドアノブをまわすときの不安を減らす、すなわち、入りづらいをやわらげるヒントを得ました。

そのオーナーのゲストハウスを宿泊予約するには、ホームページ、メール、電話などを使います。ゲストが宿泊予約をしてからゲストハウスを訪れるまでに、ゲストとオーナーの間でメールを何度もやりとりすることがあるのだそう。

そのやりとりを経て、ゲストがゲストハウスを訪れたとき、オーナーはあることを感じるといいます。それは、やりとりをしていない人と比べ、ゲストがゲストハウスやオーナーによい印象を抱いていることが多いということ。

この話を聞いて、中学生のとき、ユースホステル (注) などに泊まりながら四国をめぐったことを思い出しました。当時、ユースホステルは往復はがきで宿泊予約することができたのです。まず、泊まる日程などを記入しユースホステルに送付。続いて、ユースホステルが返送してくれるという流れ。

僕が選んだ予約方法は往復はがき。今思い返すと、なぜ、わざわざめんどくいのを選んだのか覚えていませんが。

ユースホステルから届いたはがきを読んだとき、うれしかったことや訪れるのが楽しみになったことを覚えています。はがきに書いてあったことは忘れてしまったけれど。

つまり、ヒントはメールや往復はがきといった事前のやりとりがあること。

事前のやりとりがヒントだといわれても、本当にそうかと思われるかもしれません。そこで考えてみたいのが、一期一会です。一期一会とは、一生に一度の出会いであることを心得て、お互いに誠意をつくすこと。中学生の僕とユースホステルの方とのやりとりには誠意があり、感じ、結果として、不安を減らし、わくわくする気持ちになったと思うのです。メールも同じなのでしょう。

ゲストハウスが気になるけどちょっと...という方に限らず、異なる環境に体を置いてみたいとき、ゲストハウスに泊まってみてはいかがでしょうか? 異なる環境で何か気づきを得たり、思わぬ印象に残る出会いが、旅の印象を変えるかもしれません。

(注:ユースホステルとは、もともとは若者向けの宿泊施設。今は、あらゆる年齢層の人が利用できることがほとんどです。ドミトリー形式が多い。)

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