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子連れには敷居が高すぎたハローワーク

仕事を探すときに、まず始めたのはネットで求人募集サイトを閲覧してみることでしたが、住んでいる地域が田舎のせいか情報がほとんどありませんでした。地元のスーパーで手に入れた無料の求人誌も同じ結果。。。
そこであきらめて、今度はハローワークに行ってみようと考えました。

ハローワークに行くと行っても、一人で行くのであれば何ら問題はないのですが、子供を連れて行くとなると、ハードルはぐっと上がります。
夫にハローワークがあいている平日昼間に仕事を休んでもらうこともできず、一時保育も簡単に利用できるような状況ではなかったため、2歳の娘と生後10か月の息子を連れていくのは、なかなかに勇気がいることでした。


意を決して、ある日の午前中に息子を抱っこ紐でだっこして、娘の手を引きハローワークを訪れてみました。
受付でパソコンで求人を閲覧したい旨を受付に立っている職員さんに伝えたると、子連れで来る人が珍しかったのか、すごく不思議そうな顔をされ、何とも言えない気分になったのを覚えています。

気になる求人が何件かあったので、職員さんとの面談を申し込みいろいろ説明を受けていたのですが、そこで中年の女性職員からかけられた言葉が「そんな小さい子供がいるのに、なんで働かないといけないの?母親ならちょっと家計が苦しくても、子供が小さいうちは側にいてあげようと思うのが当然じゃないの?というか、よくここに子連れで来ようと思ったね。」というものでした。

この令和(当時はまだぎりぎり平成でしたが)の世で、面と向かってそんなことを失礼ですが赤の他人から聞かされるとは思ってなかったので、思わず「えっ・・・」と言葉を失いましたが、何とか平静を装い「いえ、どうしても働きたいんです」と訴え希望する職場への面接をどうにか申し込んでもらいました。

そんな対応をする職員に当たったことは、運が悪かったと思うしかありませんが、本当に本当に腹が立ってたまりませんでした。
確かに小さい子を連れていくことはよくなかったかもしれませんが、息子は抱っこ紐の中でずっと寝ていたし、娘も私のそばで大人しく過ごしていたので、そこまで周りに迷惑がかかっていたとは思えません。
少なくとも、「働かなくてもいいのでは?」となぜハローワークの職員にいわれないといけないのか?仕事を求める人に仕事を紹介するのが、あなたたちの役目ではないのかと・・・。


でも、同じような言葉はその後もいろんな人たちからかけられました。

「ママとずっと一緒にいたいよねー。」「こんな小さいうちから保育園なんてかわいそうに。」「こどもは母親と一緒に過ごすのが一番の幸せなんだよ
」「働かないと食べていけないほど生活きついの?贅沢しすぎじゃない?」

これらは全部実際に言われたことです。確かに当時、夫は公務員で安定した収入を得ていたし、家族4人がなんとか暮らせる程度に家計に余裕はありました。
それでも、私は自分のために、将来の子供たちに選択肢を増やしてあげるために仕事がしたかったのです。

「家にずっといるより、外で働く自分のほうが好きだと思った。挑戦してみたい職種もある。だから働きたい」

たったそれだけなのに。その思いを尊重してもらえず、すごく悔しい思いをしました。一億総活躍社会なんて、すごく遠い言葉に感じたし、働く女性を応援しますなんていう政治家の存在は全て嘘なのかと。。。私がこれからがんばろうとしていること全てを否定された気になりました。
もちろん上記の発言をした人たちに悪気はなかったのかもしれません。世代の違い、男女の差もあるでしょう。でも悪気なくかけている、その一言が誰かを傷つけているかもしれないと気付いてほしいです。









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