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支払査定のリアル③再保険会社と謝絶のリアル
はじめに
支払査定のリアル第3回です。
「支払査定の」と言いつつ、「引受査定」の話も多い、このシリーズ。
今回はほぼ「引受査定」の話ですでにタイトルと多少ズレますが、保険会社の入口と出口で繋がっている大事な話なので、書きます。
ここまで、
・支払査定チームのスタンスは「保険金を払いたい」
・保険金を受け取ってもらうために、保険の最新の情報をお客様に届けて欲しいこと
・ネット保険の現状
・募集人の役割
について整理してきました。
最終日は、再保険会社の仕組みとLGBTや発達障害が保険に入りづらい理由を考えます。
1、再保険会社
保険には「再保険」という仕組みがあります。
保険会社では引き受けられないリスク(体況が悪いなど)を、保険会社から手数料を払って引き受けてもらう仕組みのことです。
保険会社が単体でリスクを背負い込み過ぎないように、リスクの一部を手数料と引き換えに肩代わりする会社を「再保険会社」と言います。
表に出てこない仕組みですが、色んな方のご契約を受けるための保険会社の仕組みの1つです。
再保険会社で面白いと思ったのは、再保険会社によっても引き受けが大きく違うこと。
保険会社ごとの引き受けが違うことは以前「代理店に来て驚いたことⅡ現場編」という記事で書きました。
再保険会社も引き受けが違うことに驚きでした。
再保険会社の査定基準は、「その再保険会社の発祥地」も影響してるようです。
BMIの数値が高い方のお引き受けの場合、
欧州系の再保険会社だと無条件でいけても、
日本の再保険会社では謝絶になることがあるそうです。
例えば日本人でBMIが35あると肥満と分類され
「病気のリスクも高い=謝絶」となる可能性が出てきます。
一方で欧州の方は元々身体が大きい方が多いので、BMI35は欧米基準では「標準体(無条件)」となったりするわけです。
引受の基準はリスクにもとづき作られていること、リスクは国によっても異なるということ、普段意識していないところなので、驚きました。
そしてこの話は、最後のLGBTや発達障害の引き受けの話へと繋がっていきます。
2、謝絶の理由
最後に伝えたいのは、謝絶の理由について。
今回取り上げるのは、LGBTQと発達障害の謝絶。
LGBTQと僕の抱える発達障害は、並んで非常に謝絶になりやすいです。
引き受ける会社もありますが、謝絶なことが多い。
謝絶の理由の1つが、
現代を生きる私たちに考えるきっかけを与えるものだったので、シェアします。
たとえば、LGBTQ。
近年、生命保険の受取人に同性パートナーを指定できる会社も増えてきました。しかし、実は申し込み後に謝絶となるケースがあります。
精神疾患で通院をしているようなケースです。
今現在の日本では、残念ながら、LGBTQの方への偏見や差別が少なからずあります。
カミングアウトしたことで偏見を持たれたり、カミングアウトせずに生きることで、抑圧されていると感じる人もいます。
その結果、精神疾患を抱えてしまうことがあります。
疾患を抱えて通院の事実があれば、告知の対象です。
精神疾患を持っている場合は、引受が非常に厳しくなります。
これがLGBTの方の保険加入を難しくさせている理由のひとつのようです。
LGBTQの方々が、世界中のどこの国でも、保険加入が難しいかというと、そんなことはありません。
なぜだと思いますか?
そもそも、LGBTQが差別されることなく当たり前でいられる国は、心の病気にかかることがないからです。そのため、身体上の理由で謝絶となる可能性がぐっと減ります。
謝絶が多いのは、LGBTQがマイノリティとして差別される国、生きづらさを抱えて心の病気になってしまう国です。
発達障害も似た理由です。
その障害自体が死亡率をあげる以上に、
発達障害を原因とした人間関係を築けないことによる周りからの偏見や、
度重なるミスへの叱責、障害と名前がつくことへの差別による
合併症としての精神疾患の併発が死亡率を上げています。
その結果、謝絶になる可能性が上がっています。
(ただしADHDは衝動的な行動があり事故リスクが高めであったり、薬を飲んでいる場合は薬の副作用によるリスク上昇もあるので、一概には言えませんが。)
本人の特性が理由ではなく、
特性によって引き起こされる生き辛さに由来する精神疾患があるために、多くの方が謝絶になっていることがあると思います。
ここからは自分の経験ですが、最近、発達障害の方のご相談に乗る機会が多いですが、生き辛さを感じている方が非常に多いです。
精神疾患を併発されている方も少なくありません。
私もADHDの特性そのものよりも、「大切なら失くさない→失くすのは大切に思っていないからだ」とか「ちゃんとやる気があれば忘れない→忘れるのはやる気がなかったからだ」みたいに、能力の不足を悪意と解釈されることで傷付いてきたから、そうじゃないんだよと声を大にして言いたい
— むぎちゃ (@_mugitea) June 18, 2020
このツイートは正にその通りだと思いました。
LGBTQや発達障害の方が今よりも生きやすい、多様性を認め合える社会になるために日々情報を発信していきます。
ところで僕はTwitterのプロフィールに、
多様性のある社会にむけて奮闘中
と入れています。
もっと優しくてお互いが認め合える社会になって、その結果多くの方が生命保険の相互扶助の仕組みを活用できるようなると嬉しいです。
社会の在り方が原因で、病気になってしまう、またそのため保険に入れないことがあってはならないと思っています。
どんな人でも認められる社会なるため、奮闘中です。
まとめ
今回、査定さんからお話を伺って、支払査定の方々の在り方に非常に感動しました。
なんとしてでも保険金を払おうとしてくれている方々がいる、そのために募集人である僕たちは何をすべきなのか。
お話を伺っている間中考えていました。
また一方で、社会の不寛容のために保険に加入できなくなっている方がいることに驚きと悲しみがありました。
生き辛さを感じている人が1人でも少なくなるように、仕事を通じて貢献していきます。
保険の仕事への誇りと自信をより感じることができました。
もし、この記事を読んで査定さんに思うことがある方は、Twitterやnote、Facebookにコメント頂けると、査定さんにお伝えします。
知れてよかったな、と思ったらコメント頂けると幸いです。
保険に既にご加入されていて再度考えてみたい方、
これからご加入を考えている方、
募集人の方でも話を聞いてみたいという方がいましたら、気軽にご連絡ください!
もっと良くしていきましょう!!
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