ONE PIECE 「ラフテル」のジョイボーイとマーシャル・プラン
ONE PIECEの最終章でいずれ登場すると作者が予告していた隻眼・眼帯の海賊。
考察ブログで眼帯をしたルフィの画像をあらためて見かけていて、それとは別にジョイボーイって誰だ、この影のシルエット見覚えがある気がするんだけど・・・とぼんやり考えていた2点が交差してしっかり繋がったので、書く。
「ジョイボーイ」の影絵は魚人島でオトヒメの語りの背景に描かれた。
オトヒメは「正しく導く者が現れ・・・」としか言ってませんが、ポーネグリフの謝罪文もあるし、まずジョイボーイで間違いない。
人によって受ける印象は様々だろうが、私の場合は細身のバンカラコートみたいな、この影、見覚えあったな誰だっけ。でした。
バンカラで伝わらない人のために有名な像をあげると、「貫一お宮の像」の貫一みたいな学生さんのマントコート姿、昭和、大正イメージ。
いや明治30年より6年間新聞連載された尾崎紅葉の「金色夜叉」だそう。
そして、この人物が初登場したとき、バンカラ好きな私は少し期待し、その後がっかりしました。
登場回は17巻154話「アラバスタへ」で、前話でヒルルクの桜が咲きチョッパーを見送ったDr.くれはとドルトンが雪の上へ座り込んでいるところへ、ルフィの手配書を持ってきたドラム住民が、報告をすっかり忘れていたと話す場面。
麦わら帽子を被った海賊が来たらアラバスタで10日だけ待つと伝えてくれ、と伝言したエース。
この時はシルエットだらけで、お披露目前夜な感じでした。
次にはっきり顔が書かれたときは暑い国アラバスタで、マントでバンカラの片鱗もなく上半身裸。で、私はちとがっかりしたわけですが、大事なのはメシ屋で左上のタトゥーがはっきり描かれたこと。
D:ドラクロアは、イエズス会の隠れ切支丹
という説明は前回の記事で済ませてます。
キリシタンにとってイエス・キリストは「エス様」
ファーザーやパードレにあたる上役に「オヤジ役」もある。
A [S] CE
エースのタトゥーは綴りを間違えたと言わんばかりに、Sにバツ印
これがオックス・ベル16点鐘のルフィの 3 [D] 2Y に呼応している。
16聖人や26聖人に追悼の鐘を鳴らしているのに、3日で復活しないとバツ印をつけるのは、キリシタンの教義からしたら大変失礼な話。
イエス・キリストは亡くなって3日で復活するものだから。
でも約束してるわけですね、2年後に。おそらくラフテルで会おう。
エースのトレードマークと言える笑顔と泣き顔を象ったゴーグル
2Y後にゾロが失った左目側に眼帯を当ててみると、残るのは「ニカッ」
そういうことです。
ルフィは、エースに再会したとき「メシヤー」と叫びながら飛び込んでましたし。
私個人としては、ラフテルは海底にある岩塩坑で、岩塩製の「最後の晩餐」も見られたら素敵だと感じますが、エースの服装に戻りましょう。
数珠が目立つのは、隠れ切支丹は神道や仏教に見せかけてロザリオを持つ者だからだと思いますが、筆のようなネックスレスも気になるし、まずは牛の飾りが目立つ。
(神道や仏教がネロナイムだなんてあたしゃ書いちゃいないよ!)
筆のような首飾りはオテンペンシャ、牛はまた前回と同じ平戸市生月島博物館「島の館」がヒットしました。生月学講座No.211「かくれキリシタンと牛」
(何度見ても、フィッシャーマンズアリーナのジンベエ鮫が可愛い。)
「ローグタウン」はライオネル・ローグ由来
エノラ・ゲイやボックスカー、パンプキン爆弾、そんなもので頭がいっぱいになるのもシンドイので、前回「ウィンストン・チャーチル・ヒトラーから世界を救った男」を観て、次は「英国王のスピーチ」を観ると書いた。
前回記事のコメント欄に追記したが、
ジョージ6世(故エリザベス女王の父王)の吃音症の治療にあたった言語聴覚士の名がライオネル・ローグ。(Lionel Logue)
「始まりと終わりの町」ローグタウンは、この人の名に由来していた。
ヒトラーの演説を聴き、「演説がうまい」と自分と敵の現実を見据えて、吃音症の王が歯を食いしばって負けまいと奮起する姿は、たしかに起死回生のはじまりでした。
「ロベールの街」はロベール・マルジョラン
その経緯から、あらためて単行本を開いてみた「ロベールの街」もきっと何かあるんでしょうとググると、なんとね。
表題の人物名とともに「マーシャル・プラン」という言葉が出てきた。
第二次世界大戦とド=ゴール政権
マーシャル・プランとOEEC なんて表題が並んでいたWikipedia
黒ひげマーシャル・D・ティーチが「おれが成り上がる手段はもう全て計画してある‼️」と言ってましたもんね。
人の夢は終わらねぇ!
彼をどうにも嫌いになれないのは、根底にきっとアメリカン・ドリームを描いているからなんでしょうか。
だからきっとエースと黒ひげのバナロ島の決闘は西部劇なんですね。
神の火
とにかくも、イエス・キリストといえば「カエサルのものは、カエサルに。
神のものは神に返しなさい」
かつて「神の火」という小説を書いた高村薫は、原子力技術への警鐘として
「神の火は神に返す」というテーマを書いた。
うる憶えだが、北からミサイル一発飛んできたら、どうにもならないような地理にありながら、技術も安全も土台、虚しい絵空事だろうというようなセリフがあって、あぁ確かにと頷いた記憶がある。
結局、北よりも地震と津波で未曾有の事態を招いたが、今現在、ロシアとウクライナの原発間で同じ懸念が生じている。
ミサイル一発というより、狂人一人で、恐ろしいことになると気づくことに。
暗くなるので、狂人の話は控えて先へいくが、エースに火の能力を与えたのは、神の火の話をしよう、ということかと。
ワーテルロー
トラファルガー・D・ワーテル・ロー。長い名前。
バレンティーノ・ロッシがモデルとよく書かれていて、まぁ写真1枚に残った服装とかヘルメットみたいな大きな帽子とか、お衣装的にはそうなのかもだが、ロッシを16歳から観続けてきたファンとしては、まるで似てなくて、ロッシはルパン三世にそっくりだけど、ローは、次元大介と五右衛門の刀を合わせて思い切り日本人色を濃くしているように見える。
おにぎりと焼き魚が好きと、ビブルカードとやらに書いてあるそうで。
あの十字だらけの大太刀は、D=ドラクロア=切支丹 の図を凝縮して詰め込んだキャラクターと想像して、丹、という字を調べると
鉛丹。鉛粉を焼いて作った顔料、硫化水銀鉱 など。鉛、出てきました。
またキリスト教についてググっていると、「ルーテルアワー」なんぞという親切なサイトに当たり、えぇ?ルーテル?ワーテル?と困惑した。
ラジオからはじまった聖書の通信講座から今はインターネットへ。通信を通しての伝道をしているらしい。
トラファルガーの「虎」には、作者は非常な愛着を持ってつけているだろうと想像するが、それはまた別の記事に。
ポートガスとは
日本ルーテル・アワーのサイトを見ても、ド・ゴールの「フランスのレジスタンス(抵抗)の灯は消えてはならないし、消えないだろう」にしても
クリスチャンにとって、灯は大切な単語だとわかる。
先のサイトを引用すると、わたしの道の光、わたしの歩みを照らす灯
導くもの、足元を照らしてくれるもの、
ポートは港、港の導きの灯りといえば、灯台。
間違いなく、ガスだと思う。ガス灯。港のともしび。
まさにオトヒメの言う「正しく導く者」 電気のなかった時代の港の灯台。
どのように出会うのか
YouTubeの考察チャンネルでどなたかが、ホログラムで片目に眼帯のルフィがいる、と仰ってて、それはまぁそうなんだろうなと。「ホログラム」だけはエッグ・ヘッド島で出ていますし、そもそもフラッシュ・フォワードの手法であらかじめ「あらすじ」が描いてあるとして
1巡目の最終回は、チョッパーがヒルルクの桜を観た場面が切れ間になる。
アーロンパークで城のような建物を叩き壊した、あれがマリージョア崩壊
双子岬でくじらの頭に「生花っ!」とやったのが陽樹イブを抜く反転
巨人二人の理由も忘れた100年の決闘が、空白の100年にあたり、
ドラム王国で崖のような山をよじ登ったのがどう交わるか・・・
ラパーンの雪崩を掻い潜ったのも結局、親ラパーンの腕を引き抜くで「生花っ!」と重複してるんだけど
雪崩を掻い潜ったようにホワイトストローム(白い竜)を抜けて、
ともかく最後はヒルルクの桜。
あれを観た当時に、正直あまり感動なくて、それこそホログラムじゃねーかと思ったような。プロジェクションマッピングと感じたのだったか、初見の記憶は遥か遠く。ただ、映像だろ、と思ったあれが最後にこんな重要になるとは。
ブリュレの「投影」からすると、プロジェクションマッピングなんだろうなと思ってきたのが、エッグヘッドでホログラム。
でもね。映写機がいちばん綺麗な情緒を感じるんだけどなぁ・・・
暗い海底の広い洞窟のような場所で、エースが長崎の平和記念像みたいな銅像でいて、白い壁にカラカラと古風な映写機がFILMを流していたら、これまでFILMなんちゃらと映画やってきた甲斐もあるんじゃないかと。
ONE PIECE STAMPEDE
アニメも映画もほとんど興味なくきたんですが、
STAMPEDEが万博で、10000 89 と数字をアテられてるのをどこかで見かけ
私は「1945年8月9日」つまり和暦「S20年8月9日」に焦点を当てれば、すべてハックできるはずと思ってるわけだから、え。と観ました。
しかも20周年記念、20thと銘打っていて、S20年といちばん結びつけられる、ここで作者がダサい隠し事などするはずない、と信じられた。
「10000 89」て、そのまんま、千の海を超えて8月9日にいたるサニー号じゃないすか。
すべて出てましたよね。辿り着く方法こそ描写はなくだけど、「白い竜」もイメージ画像で出てきたし、ワノ国編の武器庫と同じ放射能マーク、アンのビジュビジュの能力とサボのリクエストという捻りを効かせつつ、あの映画は、フラッシュ・フォワード・ラフテルとして完璧。
扉絵
さて最後に、扉絵の意味だ話数合わせだっていう、特にそれで、尾田先生すげーってのは、だからなんだよって感じでちっとも好きじゃないんだけども、見つけたらまぁ出します。
冒頭でオトヒメ語りとジョイボーイの影が示された626話。
オレンジ色のキャップに赤いゴーグルに見立てたベルト。
ね、これでロジャーの「そりゃおれの息子だな!」
まさに泣き笑いしますわ。少し皮肉でもあり。
扉絵のタイトルは「連結式・シスターアンコー」
ガス灯も期待できるし、双塔のアンジェラスの鐘が少しでも多くの人に響くように描いてくれるといいな。
赤と白
肝心なことを書き忘れたので追記。
普通の人にとって肝心かわからないが
エースの腕にある赤と白の腕輪かミサンガのようなもの。
あれこそが彼が港の灯台である印だった。
灯台は赤灯台と白灯台がある、海から陸に向かって右に赤、左に白。
世界共通ルール。
こうなると、パンダマンが最大の敵にすべき理屈もわかってくる。
三元色の白・赤・黒で、エース=ジョイボーイの敵は白黒と。
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