20210522 ミモザチラシができるまで
こんばんは。今日はなんとなく、演劇ユニットミモザのメンバーで、役者で、一応グラフィックデザイナーで、宣美担当の私が、今回の公演チラシができるまでの頭の中でも書いてみようかなと思います!
自分たちの企画公演なことと、メンバーが寛大なこともあり、私の好き勝手やらせてもらってるので、実際の受注案件でのプロセスをだいぶかっ飛ばしてラフに作っている旨、ご了承ください!!
まずは初演企画段階から(本演目は、2020年6月上演予定でしたが吹っ飛びました)。
1.世界観を考える
ミモザは「アングラっぽいことやりたい〜!」「(妙齢なので)セクシーなやつやりたい〜!」なんてノリから始まったような記憶があります。
2020年の初め、まだ普通に食事にも行けていた頃、ミモザのメンバーが出会った公演での稽古後の飲み会の一幕でした。
(なのでお酒の名前をつけました、笑)
つまり、ちょっと和風なアングラレトロっぽいフライヤーがいいな〜と思い、方向性を確定。昔のキャバレーのマッチ箱みたいな。
受注案件だったら真面目に打ち合わせして、イメージをお伺いしたり、お芝居のあらすじや世界観をヒアリングしたり、戯曲を拝読したりして塾考する。でも場合によってはインスピレーションでパッと決めた世界観が良かったりもする。
2.イメージを探る・サンプリング
前項で「昔のキャバレーのマッチ箱」と例えを出したけど、そんな感じの画像を検索しまくる。グーグルの画像検索とか。
この作業はデザインの参考と、どんなものを作るか雰囲気、空気感、特徴を頭と感覚に叩き込むためにやる。
私が気に入ってるのはピンタレストというアプリ(SNS?)。
画像を集めたリストみたいなのが作れるので、「レトロ チラシ」「アングラ チラシ」「昭和(大正) ポスター」とかのキーワードで画像を検索しまくって気になったやつをピンしていく。下記はその一部。
フォントが可愛いすぎますね。既成フォントでなんとなく作れてしまうDTP時代には出せない味わいがありますね。クリエイターの愛とこだわりが尊い。可愛すぎて泣きそう。
受注案件でも、どんなものをイメージされてるのか、お好みなのか、を探るためにこの参考イメージのピンを作ってお客さん見せたりします。
ミモザでもみんなに見せたやろか?割と一人で決めたかもしれん。見せてても「ね〜、こんな感じにしようと思うねんけど〜」くらいのノリやと思うので覚えてない。ノリと勢いで生きてる。笑。
3.印刷方法・仕様を決める
さて、そうこうしているうちにその当時稽古していた公演の本番が近づきます。結構なお客さんに来ていただける予定だったので、取り急ぎ仮チラシを作って挟み込みをしてもらおう!という運びになりました。
枚数を刷るので、お金がかかります。安くおさめたい(……)。
仮チラシなので、印刷は輪転機印刷を選択(説明はよくわからんので割愛します。街の出力屋さんで2円コピーとかスピードコピー言われてるやつ。軽オフセット??)。
単色で、刷りムラやカスレが出やすい印刷方法なので、レトロな質感を出すのに最高です。安さを逆手に取ったった感。
それでもまだお金を抑えたい欲求が湧きまして。
サンプリングした昔のチラシやポスターでも縦長のものや、縦のラインを強調したようなデザインが多いこともあり(日本語は元々縦書きですしね…)、縦長の紙=A4のタテ半分にしてやれ!と思いつく。
つまりA3の紙に4枚印刷できる。印刷枚数4分の1にできるわけだ。
やったね!
ま、このあたりの工程も受注案件だったらお客様の予算感やお求めのクオリティと照らし合わせて、どんなものができるか色々と真摯に提案していくよ。
4.デザインをつくる
この段階ではそもそも仮チラシだったし、公演の稽古も佳境で時間もないし、あまり深く考えずに超テキトーに作りました。昔のチラシみたいな可愛いタイトル文字は本チラでつくろ〜くらいのノリでございました。
A4のタテ半分、輪転なので単色、厳密な印刷位置は若干ズレる可能性もあり、という縛りがあるので、その中でいい感じに見えそうなものを雰囲気で作っていく。ズレもレトロ感の味のうち。
縦書きで、仮チラシの目的はとにかく「こんな公演やるよ!!」ってタイトルを覚えてもらうことなので、タイトルをドーンと。
「ちょっとアングラな雰囲気やで」というのも視覚的に伝わるように、レトロチラシによくある囲みデザインを使う。
残りのスペースにバランスよく情報を配置して、あとは物語の雰囲気を伝えるジャノメ傘や蛇のシルエットを周りにザクザク配置。ミモザの花を飾って(由来はカクテルのミモザやけど、笑)、完成。なんも考えてない、笑。
そんな感じで、めちゃくちゃラフに作りましたが。メンバーが優しくてめっちゃ気に入ってくれたので、情報面を1〜2回修正して、申し訳ないくらいサクサクっと校了。
うん、、仮チラシやしね。
とにかく時間なかったしね。本番前で稽古したいしね。
受注案件だったら、ラフ段階で複数案提案したりもっと真面目に…(以下略)。
そして、小屋入り朝に大急ぎで印刷して、A3をせっせと手作業で断裁。
カンプリさんで印刷させていただきました。
これが当時の仮チラシ。まだミモザのロゴも作ってなかったけど、結局これが各方面に好評で、延期リベンジ公演の今回もこのデザインを踏襲した。
たまたまこの印刷屋さんでインク色が選べたので、茶色を選択。大正解やったと思う!かわいい!!(自画自賛)
結局、挟み込むはずの公演も延期になり、お客さんの手元に届かなかったのが残念すぎる……。
ここから、今回の黄色のフルカラーチラシへの展開は、ご興味があればまた次回…!
そんな紆余曲折のリベンジ公演、観に来ていただけたらとても嬉しいです。
公演詳細
【演劇ユニット ミモザ】第二杯目公演 「蛇の女の傘」
🐍☔️昨年延期作品をパワーアップしてお届け。この世の片隅にある遊郭「舞媚屋」を舞台に、アヤカシの遊女たちと、2人の刑事が追う連続猟奇殺人犯「人喰い河童」をめぐる物語。
2021年 6/25(金)〜27(日)
於 難波サザンシアター
通常チケット ¥2,500
応援チケット ¥3,000(オマケ付)
※応援チケットのオマケは、缶バッジとYouTubeでの限定お礼動画を予定しています!どうぞ御贔屓に
サイト
https://mimosa.stage.corich.jp/stage
ご予約
https://quartet-online.net/ticket/mimosa02