ひだまりカフェ『大試食会』が終わって
大試食会が終わって、ぼくは、黒猫さんと一緒に、後片付けをしていた。
夕暮れを過ぎ、あたりは、もう、夜が降りてきている。
「たくさんの方が、来てくれたよね」
黒猫さんが、お皿を運びながら、嬉しそうに言った。
本当に、たくさんの方が来てくれた。
みなさんのおかげで、新メニューが生まれ、こうやってお披露目する機会をもらえたのは、とっても、ありがいな、と思った。
やって良かった。
ハートから、そう思う。
その気持ちは、黒猫さんにも、伝わった。
「ねえ、また、新メニューの企画をやりましょうよ。
今度は、冬に、みんなで楽しめるような」
黒猫さんが、瞳をキラキラさせて、言った。
それもいい。
冬には、あのイベントがあるし。
また、みなさんで集まって、パーティーをしたい。
ぼくは、期待に、胸をふくらませた。
「motohiroさん、また、手が止まってる」
黒猫さんに、言われて、我に返った。
まずは、この片付けを、終わらせないと。
夜が降りた世界では、虫たちの声が、心地よく、響いている。
その歌に、また、手が止まりそうに、なりながら、片付けを進める。
本当に、やって良かった。
ハートが満たされている。
ひと段落したら、コーヒーを一杯飲もう。
黒猫さんと一緒に、今日のことを、話そう。
新メニューを考えてくれた方。
来てくれた方に、感謝をしながら。
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