見出し画像

枯れ葉を踏み砕く

枯れ葉を踏み砕くと硝子が割れた時と同じ音がする。そんな気がする。
目の前を猫が通った。黒い猫で尻尾が根元からちぎれている。人間にちぎられたのか、それとも他の野良猫と喧嘩でもして千切れたのか、はたまた鴉とかに悪戯でもされたのだろうか。とにかく、目の前を通った猫に尻尾はなかった。猫が反対側の鋪道で鳴いた。前脚で顔に付いたダニでも払っているのだろうか。その顔は晴れた空に向いて、私はそれを見ている。

ぽかんと頭上で破裂音がした。冬の空はよく晴れていて、夏よりも青さが心地いい。イヤホンを耳に突っ込んで、古い音楽を聴く。私にとっては古いと思う。だけどみんなにとっては違うかもしれない。

今日もバイトである。昨日もバイトだった。明日もバイトだ。日常は変わらない。高校を卒業してから。高校を卒業して、私は友人がいなくなった。個人的で身勝手な行動を起こしたせいであるから、どれもこれも私側から働きかけなければ、絶対に関係は修復しない。だからこそ、私には勇気がなくて、もう二年以上が経った今、私はひとりでいる。
ごめんなさい、の続きが思いつかない。謝罪から入るのも違うような気がする。そんな風に堂々巡りの反省会場に時々迷い込みながら、いつもと同じで道を歩いている。

もうすぐ今年が終わる。そんな話を何回もしている。このままだといつ死んでも同じだな。
前方からやってくる茶色のワンボックスカーに乗り込んで消え去りたい。

毎日マックポテト食べたいです