「了解」を「り」で済ませる若者達を甘くみていたら死にかけた話。
皆さん。こんにちは。わたらいです。
若者言葉を知っているだろうか。
若者言葉を若者言葉としか表現できないあたり、老いを感じる。
若者言葉とは、中高生をはじめとする若者が中心となって現代的で文学的かつ、センセーショナルでドチャクソエモイ感じ?の言葉達のことを指す。
若者言葉と聞くと、
「若い人だけが使う言葉」「日本語じゃない」「頭悪そう」などとマイナスイメージを抱く人も多いのではないだろうか。
実際僕も、若者言葉に触れ合うまでは「こんなものは日本語じゃない!帰れ!(平泉成 風)」と思っていた。
しかし現実にはそうではなった。若者言葉とはいわばファッション。その時代にのみ生まれたその時代だけの言語。
その時代でなければ生まれることもなかったであろうその言葉たちは非常に繊細でかつ美しいものではないだろうか。ないだろうな。
つい先日、JKと交流する機会があったのでその時に教えてもらった若者言葉をいくつか紹介しよう。※JK=妹
まず紹介するのは
「り(りょ)」
「は?」と思っただろうか。僕も最初はそう思った。
意味は「了解」だそうだ。
「りょうかい」の頭文字「り」を抜粋したものだそうだ。
「リンゴ」でも「リンダマン」でもない。「了解」だ。
衝撃的だった。
なぜリンゴでもリンダマンでもなく「了解」なのか。
「り」から始まる単語などいくらでもあるだろうに。
というか、いきなり唐突に「り」と言って通じるのか?
妹に「通じるのか?」と聞くと
「直前までの話の流れでわかる」とさも平然と答えた。
つまり
友人A「今日、焼肉食べ行こうよ!」
友人B「り」
ということだ。
いやどういうことだよ。
しかし、よくよく考えれば、確かにここでいう「り」は「了解」と解釈して差し支えないだろう。
しかし驚いた。現代の若者たちはこんなにも高度な会話を自然に楽しんでいるのか・・・。
緻密な計算によって組み立てられた会話によってのみ出すことができる「了解」の最上級。「り」
ブリーチで言ったら完全に卍解だ。
なぜブリーチで言ったら卍解なのかはよくわからない。
この「り」を使うためには相手と自分に強力な「絆」が要求されることは言うまでもない。
両者の思考がまるで己の思考のごとく理解できなければ「り」を出すことは叶わない。
しかも当然、この「り」は若者言葉を扱うための専門知識を有した者同士でしか成り立たない。
例えば会社で上司にお願いされた仕事を「り」と返せばたちまち呼び出しを食らうだろう。
上司「この書類頼む」
僕「り」
上司「は?」
僕「り」
カオスだ。
それにお互いの信頼関係が築かれていない状態で「り」を多用すれば誤爆する恐れも懸念される。
友人A「ご飯食べに行こうよ~!」
友人B「り(リンゴ食べたいの略)」
僕「り(了解の略)」
友人A「よし!じゃあ牛丼な!」
友人B「は?怒」
無理もない。友人Bは「リンゴ食べたい」と言う意味で「り」を使ったのにAにはそれが届かなかった。
友人AとBの間に確固たる絆がなければこの会話は成立しえないのだ。
友人AとBは今後一切口も利かないだろう。
感服だ・・・・。
一歩間違えば首が飛ぶかもしれない。
一歩間違えば友人を失ってしまうかもしれない。
彼らはこのリスクを背負ってまでこの若者言葉を使うことをやめないのだ。
何たる覚悟。サムライ魂とはまさにこのこと。
ふぅ。
なんて奥が深いんだろうか。若者言葉。
これはもう日本を代表する文化といって差し支えない。
若者言葉専用の広辞苑を作るべきだとさえ思う。
さぁどんどん行こう。
続いての若者言葉は
妹「そマ?」「こマ?」
ふふ。僕はJKの出した設問2で既に心が折れそうだ。
SOMA?KOMA?
もういい。疲れた。2問目で疲れた。疲労はピークだ。
おしゃれなブランドか?きっとそうだろう。
いいんじゃない?売れそう売れそう。繁盛繁盛!
「 SOMA-KOMA 」
インスタ映えするアイスの名店に違いない。
疲れがピークに達した僕は良く考えもせずJKに答えを聞いた。
妹「それマジ?これマジ?の略」
僕「・・・」
僕「え?」
妹「それマジ?これマジ?の略」
僕「難聴じゃねえよ」
妹に難聴と思われても仕方ない。
しかし、僕が2.3秒硬直するには十分すぎるほどの衝撃だった。
最初こそ「全部言えよ。略すなよ!!!」と怒り心頭だったのだがよくよく考えると素晴らしいの一言なのだ。
現代はスピード社会。日本人は何かと生き急いでいる時代だ。そんな中、より効率的に言語を伝えるためにはどうしたらいいか?
手っ取り早いのは言語の略小である。一見アホそうに見えて実は非常に理にかなった方法ではないだろうか。
「SORE MAJI?」はおそらく年に10万回は使用するヘビーフレーズだろう。
「SORE MAJI?」と「SORE MA?]ではアルファベット2文字分。日本語で1文字分違う。
日本語1文字発するのに
0.5秒かかると仮定すれば
0.5秒×10万回=5万秒=約13時間
となる。
若者たちは「それま?」のみで年間13時間もの時間の節約を果たしている。
驚異的な数字と言って過言ではないだろう。
今思えば前段に記述した「り」もまさしく略語だ。
これ以上ないほどに洗練された美しい略語といって差し支えない。
誰が略語を作ったのだろうか。
誰が「「了解」って「り」でいんじゃね?」と発案したのだろうか。
天才じゃないか。
並の人間が略語を思いついたとしても「了(りょう)」くらいが限界だろう。だれも「りょう」から先を削ろうだなんて考えるはずもない。
牛丼から牛を抜いたらそれはもう「ご飯」だ。そこから「ご飯」を抜いてしまえば残るのは「無」だ。
しかし、略語の先人たちは「りょう」と略すだけじゃ飽き足らず行けるとこまで行ってみようよ!HEYHEYの精神でついに「り」の境地にまで達したのだ。
一文字だ。ひらがな一文字。アルファベットでも2文字。
びっくりした。彼らが抜いたのは「ご飯」ではなく「どんぶり」の方だったのだ。牛と丼を抜いた牛丼は客のテーブルに無造作に置かれる「ご飯」そのものなのだろう。
僕は、さっきから何を言ってるのだろうか?
しかし、僕には到底理解できない。
「了解」を「り」と。
「それまじ?」を「それま?」と略そうなどとは。
イノベーションとはこうして起きていくのだろう。破壊と創造。既成概念にとらわれない一見突拍子もない発想力。
しかしそれは、紛れもない革新だ。
若きイノベータ―達に格の違いを見せつけられた。
しかし、俄然やる気がでてきた。
こう見えても負けず嫌いだ。
そん所そこらのJK共に後れを取るほど、老いてはいない。
さぁもっと教えてくれ。
このスピード社会を生き抜くために必要な洗練された若者言葉を。
俺に授けてくれ現役JK(妹)よ。
さぁさぁさぁ次のチェリーフレーズ(若者言葉)はなんだ?何でも来い。一発で当ててやる。
妹「卍(まんじ)」
僕「は?」
僕「え?意味は?」
妹「意味も、まんじ」
僕「は?」
以上、若者言葉にことごとく打ちのめされた
わたらいでした。