酵素風呂で前世を思い出した話
あけましておめでとうございます。
酵素風呂の話をします。
酵素風呂ってご存知ですか。多分、あんまりまだ知られてないんじゃないかな。どうかな。
酵素風呂ってのは、砂風呂のぬか床版でして。砂の代わりに、米糠が入ってるわけです。ただ、私が行ったのは米糠ではなく国産のスギとヒノキのおがくずに、薬草とハチミツをブレンドした自家酵素を混ぜ、水によって発酵を促したものなので、ちと違いますが、期待できる効果は「お肌つるつる」「体ポカポカ」といったところなのは同じだと思います。
東広島にある酵素風呂のお店に、夫と母と私の三人でいざ参ったわけですが(よく夫もついてくる気になったな)、コロナということもあり、しっかりねマスクとかして、車で行ってきました。
お店側もコロナの配慮で、同じ時間帯に別のお客さんと更衣室とか待合室ですれ違うことの内容に、時間がしっかり分けられていて、大変安心して、なんなら人見知りなもんでその辺も安心して体験することができました。(ディズニーとかの船で乗り合わせるのすら苦手なもので)
というわけで、レポです。
「着替えは二種類ありますが…」
と店員さんに言われ、指さされた先には、普通に上下分かれた岩盤浴とかでよく見る服と、一方は紙でできたオイルマッサージとかできる使い捨てのものから選べるようす。母(依然来たことがあるので)に、どっちがよかった?と聞いたところ「何一つ以前のことは覚えてない」と、突然記憶喪失のようなことを言われたので、しょうがなく「お店的には使い捨てのほうが楽ですよね」と聞いたところ、「そうですねー」とのことで、紙のほうを選択。(夫はさすがに恥ずかしかったらしく、布のほうを選んでました。)
トイレを済ませ(このとき母はトイレのスリッパをはいて出てくるというミス…どうしたんだよ一体)、男女分かれて更衣室へ。
そこで、一連の流れの説明を受けます。
着替える⇒ぬかの中へ⇒あったまる⇒出る⇒ぬかをシャワーで洗い流す
ここで大切なポイントが、ぬかを手で払い落すなということでした。なんでも肌を傷つけるとかで。皆も行く時は気を付けてね。
さて、着替えも済ませて、意気揚々とぬかの元へと向かうとそこには三人の大人が三つの墓穴を掘ってる最中でした。
「あ、埋められる」
いや、埋められに来たわけだけれども、もうその光景は完全に「お前の墓、今掘ってるかんな」って感じで、おとなしく、三人とも一人ずつ穴に横たわります。
「おおおおーあったかい!」
横になったとたん背中をじわーっと温もりが。
なんでも、下に熱源があるわけではなく、ぬかが発酵して熱を放ってるとのこと。発酵の力しゅごい。
「では、かけていきますね。」
そういわれて、スコップで足元からぬかをかけられていきます。
「足を軽く曲げてください。わきを広げて…はいしめて」
と、隙間なくぬかを、ぎゅぎゅ。
もう全身温かい。
「目元も載せますか?」
そういわれて一瞬悩みましたが、せっかくなのでと。
目元にガーゼのようなものがかぶせられ、その上にぬか。
じんわり目元も温かくなり、リラックス・・・・できるわけなかった。
(うわあああああ!!!いやだ!!!!!!!!)
急にパニックが私を襲います。ナニコレ、嫌だ。ものすごく嫌だ。身体が固定されているのが嫌だ。どけてくれ解放してくれ。
吹き出すのは、冷や汗。じんわり温められて程よくかく汗じゃなくて、どっぷり冷や汗。死ぬ。これは死ぬ。
たしか15分たったら様子を見に来ると言っていたけど、全然来ん!!!!助けて!!!!
いや、普通に拘束されているわけじゃないんだから、普通にぬかから這い出ればいいのに、パニック過ぎて動けない。
そのうち、目元だけでも取らなきゃと、えいやと腕を取り出し(ようやく)、目元のぬかを払う。ここで少し落ち着くけど、体のムズムズが止まらない。
時間が鬼のように過ぎるのが遅く、隣の母と夫に助けを求めようにも、夫爆睡。母、「左手があったまらないなあ」とうごうご。私、声が出ない。
深呼吸を繰り返し、ようやく足を出すことを思いつく(まじでようやく)
なんでだろう。今思うと、パニックのゆえんなのか、せっかくここまで来て金を払ったのにという貧乏性のなせる業なのか…
そんなことをしているうちに時間は過ぎ、店員さんから「あら、熱かったです?無理せずねえ」と言われ、私はああ助かったのだと思いながら、思い出したのでした。
たぶん前世は生き埋めだった。
そのあとは、顔面蒼白の私を心配した二人に連れ出され、「かわいそうに」「大丈夫?」とちやほやされ、近くの牧場でジェラートを食べて、全身が冷えてお腹を壊しました。
酵素風呂のレポでした。
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