one tank one crew one chance

知ってる方は、ハッとしたはず。

そう、T-34のポスターの言葉です。かっこよすぎ。口からガソリンでちゃう。

今回のお話は、2019年ロシア公開、その後爆発的な人気に後押しされ日本に堂々上陸、500馬力どこれじゃなく100万馬力ぐらいの勢いで列島を斡旋したあげく、同じ映画をあまり見に行かない私は3回見に行くことになり、あげく同年『ダイナミック完全版』と銘打ってノーカット版が上映されました。

さらにさらにはロシア本国で2020年5月9日の対ドイツ戦勝記念日に国営テレビロシアにて約3時間のディレクターズ・カット版が初公開されたのをうけ、日本では『最強ディレクターズ・カット版』としてやってました。なんじゃそりゃ、どんだけあんねん、全部見たわ。(wikiの力を借りてます)


(話を続ける前に、これだけは。戦争ってのは繰り返しちゃいけないもの。何一ついい事なんてないし、どの戦争も人類の汚点。英雄なんていない。この映画が娯楽としていつまでも愛されますように。)




さて、独ソ線です。泥沼。寒いし人たくさん死ぬし、つらいし、しんどいしもう、見てらんないわけなんですが、今回はしんどさはあまり感じにくい設計になってます。所々に出てくる収容所のシーンや、ソ連の土地の寒そうな感じから、もちろん「しんどさ」を察することはできますが、今回は!!今回は!!!

T34という戦車をみてくれ!!!

そして、ソ連は勝ったのだと。もうめちゃくちゃ死人でたけど(犠牲者1470万人)、勝ったのだと知って欲しい(監督が言ってました )。たしかに勝ったとはいえ、死にすぎだし、泥仕合だし…T34もすごい量が大破したって聞きましたけどね。

だからこの映画は、最高の戦車T34に最高のクルーが乗って大活躍するという、戦争映画というよりは、どちらかというと007的なミッション映画かなって個人的には思います(ミッション映画とは、少人数でどうにかなるかもレベルのミッションを少人数で何とかするてきな映画を言います。私が今適当に決めました)

しかも、1917とかダンケルクみたいに、主人公の後ろで人がバッタバタ死ぬというようなシーンはあまりないです。そういうの胃に来る方御安心ください。

そして、男の汗臭い友情が好きな方お喜びください。

敵×主人公

味方×主人公

熱い友情詰まってます。ヒロインいる?って話もありましたが、個人的にはめちゃくちゃいる。彼女は不二子ちゃんなみに活躍するから。守られるばかりのヒロインではない。強いぞ。なんならヒロインはドイツ兵(クラウスくんをよろしくお願いいたします)疑惑あるし。ヒロイン2人で嬉しいね。


詳しい時代背景とか、詳しい戦車の話なんてごまんと別の人が色んなところでお話されてると思うので、ここではざっくり歴史背景を書きながら、T34という映画にうっとりしようという趣向です。改めてよろしくお願いいたします。

さて、時は1941年。これが主人公の初戦になります。ソ連って国は、職業軍人が割合的に少なかったらしいです。主人公は所謂職業軍人で、軍事学校を卒業し、まあ色々と知識はあるぞ!って感じです。そんでもって周りは志願兵のみなさん。農民だったり、農民だったり、多分農民だったり。おっと主人公槍玉にならない大丈夫?(大丈夫です。)

温食を持ってきただけなのに!今ちょっとやばいからって退却する軍のしりがり隊長に任命されるところから彼の物語は動き出します。

その頃というか、ちょっと遡り、ソ連の雰囲気どんな感じだったかと言うと、1934年のキーロフ暗殺事件以降、スターリンにより党内の粛清が激化し、有力党員、ミハや軍人が次々と処刑されたようです。一般市民も例外ではなく、1930年代に「反革命罪」で死刑判決を受けたものは約72万人。

あげく1938年以降、スターリンが1953年に死ぬまで党大会は一回、中央委員会は数回しか開かれず、重要決定はすべてスターリンによって行われたとのこと(wiki大いに参照しました)やばすぎ。流石初手大粛清の男ことスターリン。この頃の雰囲気の悪さというか、とにかくこの男の機嫌を損ねないよう国民が静かに静かに生きていた様子は、映画『スターリンの葬送狂騒曲』で観ることができます。コメディー調なので、ぜひおすすめです。


そんな中、愛国心を胸に、同志のために、男たちはT34に乗り込むわけです。なんてこった!しんどすぎるだろ!でもまあ、ドイツ兵がすぐそこまで来ている訳ですから、戦うしかない。やるしかない。そのためには生き延びるしかないわけです。ちなみに、映画には一切スターリンらしき影でてきません。お陰で心の平安が保てます。(ロシア人も見たくなかったのかな)

当時のソ連の戦い方といえば、味方が撤退する際には焦土作戦と呼ばれる住民を強制疎開させた上で家屋、畑などを破壊して焼却する作戦を行い、ドイツ軍の手には何も渡らないようにさせたようです。絶対ドイツ嫌いマン。たしかに初戦の街は誰もいなかったもんね…とにかく何としてでも、ドイツには負けないという意気込みは始終伝わります。ですが、映画内ではドイツ兵、なかでもナチスに対するアンチは感じ取れますが、とある1人の男、第12SS装甲師団大佐クラウス・イェーガーに焦点があってから話が変わってきます。


この男、とにかく主人公に惚れぬきます


ああ、時代が違ったなら、生まれる国が違ったなら、2人は双子のように大親友のようになれただろうに。硝煙漂うロミジュリとはこのこと。よくぞこの、寒冷泥沼戦争を爽やか勝負に描けたな…

絶妙なバランス、絶妙な塩梅で描かれているのです。子気味良いスピード感で。

知ってました?T34って、時速50キロ出せるんですって(ただし整地なら)、でもねこの映画体感100キロです。なんという心地よいスピード感。これもまたこの映画の魅力。途中ほとんどダレないのです。

そして、全く戦車に興味のない人でも(私も全く興味ありませんでした)、ちょっとした知識も身につきます。というか教えてくれるので、しっかりとハラハラしながら観ることができます。(横はだめ!!!横っ腹を見せちゃだめぇ!!!)とにかく、タンクは横っ腹は弱いけど、この映画は全方向から楽しめます。もっと知りたくなるって気持ちにさせるのは、この映画の凄さのひとつだと思います。個人的に好きなT34の逸話はギアチェンジの時、特にバックに入れる時はめちゃくちゃ重いからハンマーでレバーを打撃して入れたというはなしです。やばすぎ。あと、この戦車某地域では最近まで現役だったらしいですね。やばすぎ。それと、


ねぇ、踊る戦車って見た事ある?


見たことないなら是非映画をみてください。


さてさて、大活躍の主人公たちですが、この後待ち受けるソ連の歴史。民族問題に冷戦、瓦解する社会主義、ソ連の崩壊…彼らの守ろうとした国とはいったい…とはなるわけです。あげく連合軍の中でもやや嫌われていた様子…(とある有名なルーデルさんの話ですが彼のの勲章を見た英国老大尉が「この勲章の為に何人死んだのか……」と呟いたので「ソ連で稼いだものだよ」と教えると、一転して上機嫌になったとかいう逸話もあるらしいですし)※アンサイクロペディア読んでね


でも!今だけは、今だけは注目して欲しい!彼らの勝利に!!!

one tank   !

one crew !

one chance !


うまいことしめられませんでしたが、とりあえずみてください。以上です。







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