ストップオーバーinドーハ#2 朝のスークワキーフでカタール人と友達になった。
17歳女子高生の私が、カタールの首都ドーハで27時間のストップオーバーをした話、今回はスーク・ワキーフについてです。初めに言うと、スーク・ワキーフは最高でした!また色々と珍事件が起きたのですが、とても楽しくて面白く、ドーハ滞在のハイライトとなりました。
スーク・ワキーフ
スーク・ワキーフはなんだか異世界のようだった。私のアラブのイメージそのまま、ごちゃごちゃしていて、暑くて、いろんな匂いがして、全体的に茶色。人々はイスラム教の衣装を着ていて、看板にはアラビア語が書いてある。
駅から出た途端、そんな景色が目に飛び込んできて、近代的な駅とのギャップに一瞬で虜になった。この異世界のような光景は、海外旅行の醍醐味だと思う。
スークワキーフは実はカタールの近代化と同時に整備されたらしいが、、。
まず、Googleマップを頼りに、調べておいたお店、「Shujaa Restaurant」に向かった。ただし、細い通りが交差していてさまざまなお店が所狭しと並んでいるスークではGoogleマップがあまり役に立たないことが判明。
その辺にいた人に聞き、なんとかたどり着いた。想像していたレストランではなく、屋根の下にテーブルが置いてあって、外で食べるようで、一度店の前を素通りしていた。
そしてメニューもよくわからず、とりあえず一番人気らしいHummusを注文することにした。Hummusはひよこ豆がペースト状になっている中東の料理だ。玉ねぎ、オリーブと薄いパン付きで10リヤル、400円。安めで嬉しい。
Hummusには大量のオリーブオイルがかかっており(写真の右下の黄色いのが全てオリーブオイル)、かなり油っぽくて味も単調なので、かなり残してしまった。でも、生の玉ねぎにつけるととても美味しくて、頼んでよかった!
カタール人と。
朝ご飯の後、スーク内を散策していると、いかにも観光客然としたいでたちの私はたくさんの店の人から声をかけられた。何か一個くらい記念になるお土産が欲しいなーと思っていた私はアクセサリー屋さんのおじさんに言われるがまま店内に入ることにした。
そのおじさんはまず、ブレスレットを見せてきて、不覚にも私は欲しいかも!などと思ってしまい「それいいね!」と言ってしまった。値段を聞くと10リヤル。約400円。ちょっと高いな…と思いつつ流していると延々と商品を試着させてくれる。そして気づいたら3品くらい、合計40リヤルくらいを買わされそうに!!そこで私が現金を持っていないことにして断ると、そこにATMがあるから下ろしてこられるよ、と。でもこんなよくわからないアクセサリーに数百円でも出すのは嫌だったので、世間話もしつつ断り続けていた。
すると、おじさんもどうでも良くなったのか、「もうあげるよ!」と、なんと無料で10リヤルのブレスレットをくれることになってしまった。私は流石に申し訳なくなり、日本の現金ならあるよ!と財布を覗くも、一円玉しか見つからず…。一応ほぼ何も買えないけど…とその一円玉をあげたのだが、記念になったとおじさんも喜んでくれた。そしてなぜかお店のアクセサリーをつけて記念に自撮りをして、少し仲良くなれたのだった。
カタール人との交流はこれだけではない。
おじさんのアクセサリー屋さんを出て、あまりに暑いのでアイスか冷たいジュースを探してキョロキョロしていると、いかにもアラビアンなイスラムの衣装を着て、仲間と何か食べながら話しているおじさんと目が合った。
私はHi~などと言ってそのまま通りすがろうと思ったのだが、おじさんがとりあえず座れと言ってくる。"It's free, just come sit!" と。
ということで、なんとなく面白そうだし、無料ならと思い、そのおじさんの隣の空いている席に着席。(今こうして書いていると、知らないカタールのおじさんたち4、5人の中に無防備にも日本人の高校生が座るなんて、だいぶ危ないな…。)
そして席に着くと、いきなり隣接しているお店から皿と飲み物が運ばれてくる。そのお皿には、何やらよくわからないものが載っていた。とりあえずまず黄色い主食のようなものから食べてみると、これがまたとても不味い。甘くて柔らかい麺を刻んだようなもので、歯応えもなく想像していたようなスパイシーさも皆無。結局それにはほとんど手をつけなかった。申し訳ない。その他にひよこ豆と空豆(?)も載っており、ひよこ豆だけ少し美味しかった(笑)
また、飲み物はアラビアンコーヒーなるものらしく、一口飲んでみたが、これまたものすごく美味しくなかった。
その後もどんどん、お菓子やお茶が運ばれてきて、なんだか物凄かった。さっき食べたHummusでお腹がいっぱいということもあり、お菓子も特に美味しいと感じなかったのだが、カタールのお茶だけは不思議な風味がしてとても美味しく感じた。4杯もお代わりさせてもらったほど。気温は40℃、外で屋根と送風機があるだけの場所でも、熱いお茶が美味しかった。そういえば、40℃というと灼熱というイメージだが、屋根がある場所では普通に過ごせるくらいで驚いた。
その日は土曜日。私に声をかけてくれたおじさんはいつもそこでブランチを食べているようだった。約1時間、そこで話をしていたのだが、普通に生きていたら絶対に出会わなかったであろうカタール人のおじさんと、日本人の私が今こんな風に出会って話しているということがなんだか面白かった。普段でも先生と家族以外のおじさんとはほぼ話さないのに。
私はそこで日本人であること、日本について少し話しただが、そこにいた人たちが日本にすごくいい印象を持ってくれていたみたいで、嬉しい気持ちになった。
あともう一つ、なぜかその店にはアラブの女性の衣装が置いてあり、私に着させてくれた。ついでに去年のワールドカップ・カタール大会のトロフィーのレプリカまで持たせてくれて、プチ文化体験ができた。
そして帰り際、またカタールに来ることがあったら土曜日はいつもここにいるから、と言ってくれ、温かい気持ちになった。こんなスーク・ワキーフでの新たな出会いがあっただけで、ドーハの市内に一人でも出たかいがあったなぁと満足して次の場所に向かうのだった。