いつだって、あなたに恋をしているんだ
「たられば」を嫌になるくらい考えてたときがある。
今にも雪に変わりそうなくらい、冷たい雨の降る日。
バイクで会いにきてくれたね。
大好きで大好きでたまらなくて、嬉しくて嬉しくてたまらなかったのに、素直になれなかった。
「好き」って言える、最後のチャンスだったね。
ふたりで行った花火大会。バイクにふたりで乗るのは、初めてじゃなかったのに、久しぶりに触れたあなたの背中はすごく遠かった。なんで言えなかったんだろう。まだ帰りたくないって。もう少し一緒にいたいって。
ふたりきりの教室。どうしても彼女のもとへ行かせたくなくて、わがまま言った日の困った顔。知ってたの。あなたが私を、振り払えないこと。知ってて困らせたの。行かせたくなかったの。好きって一言さえ、一度も言えない卑怯者の私は、最低だった。「行かないで」って言葉じゃなく、「好き」って言いたかったのに。
初めてキスをした日のこと。初めてあなたの熱を感じた夜。幸せでたまらなかった。たったひとつの夜が、そこにはあった。好きってちゃんと伝えたかった。幸せだって伝えたかった。言わなくても伝わるって信じてた。そんなことなかったのにね。言わなくて伝わるくらいなら、言葉なんていらない。こんな風に言葉を綴ることも否定するしかないのにね。
あなたとの記憶は、遠くならない。
何年経っても、心が痛むくらい覚えてて。
一緒に見た景色も、あなたの後ろ姿も、悲しいくらい、想い出にならない。
「たられば」を考えるなんて、どうかしてる。
消化できない過去を、私はいつまで抱えているんだろう。
それでも、もしあの頃に戻れるなら、ちゃんと伝えるよ。
あなたが好きです。
こちらのnoteで書いたテーマをリライトしてます。
参加しています。
2020.7.21
いつか自分の書いたものを、本にするのが夢です。その夢を叶えるために、サポートを循環したり、大切な人に会いに行く交通費にさせていただきます。