私の中の百瀬七海
書くことは、私にとっては生きること。
書いているときも、書いていないときも、私がこの創作の場所以外に身を置いているときも、私はいつだって「百瀬七海」でいたいと思っているし、実際のところ、りあるな世界の私にも、「百瀬七海」の血が流れている。
自分の書いたものをwebに投稿するようになって、もう十四年くらいになる。
ただ書くのが楽しくて、浮かぶ風景やセリフを言葉にしていたあのころ。書きたい気持ちだけは誰にも負けず、なににも縛られることなく、書きたいものだけを書いていた。あのころの私は、まだ夢を見ていなかった。そんなに甘い世界じゃないと思っていたし、夢を叶えることがどんなに難しいことなのかわかっていたのかもしれない。
だけど、同じ時期に書き始めた同期たちが、次々に作家デビューしていった。羨ましい気持ちの中には確実に焦りもあった。見ていなかったつもりの夢に気づいた。その夢の存在に気づいた私は、もうその存在を否定できなかった。
小説家になりたい。
その夢への想いが大きくなればなるほど、夢が揺らいだ。楽しいだけの気持ちで書けなくなった。楽しさと苦しさを感じるようになっていた。
簡単には叶えられない夢。
だけど、夢を追いかけ続けなければ、叶うことはない。
チャンスを活かしてカタチにし続けている人を見るたびに、苦しさが増した。そのたくさんのうちのひとつだけでいいから、私にもチャンスが欲しいと思ってしまった。
チャンスは、その手で掴んだ人だけのもの。誰も代わりに掴むことはできない。わかっているはずなのに、いつからこんなに狡い想いを抱えるようになったんだろうと、自分が嫌いになった。そんな想いまでしてなぜ書き続けているのか、意味がわからない日もたくさんあった。
それでも私は、なんども戻ってきた。
あのころからずっと願い続けた私の夢は、この五月に叶った。だけどそれは、ゴールじゃなかった。
書き続けると決めた以上、この先もたくさん辛いことはあると思う。それでも私は、いつだって新たな気持ちで夢に挑戦し続けたい。この五月に叶った夢は、私のこの先に続くスタートライン。そこに今やっと、立ったばかりなのだから。
2022.7.10
いつか自分の書いたものを、本にするのが夢です。その夢を叶えるために、サポートを循環したり、大切な人に会いに行く交通費にさせていただきます。