涙と笑顔混じる乾杯! #いちまいごはんコンテスト
「乾杯」と最後にジョッキを合わせたのは、もう2年ほど前のこと。
マスクも消毒も必要なかったあの頃、年に何度か開催していた仲間との飲み会を、とても懐かしく思い出す。
私たち6人の付き合いは、もう10年以上になる。
一緒に旅行に行ったり、結婚したり、離婚したり、それぞれにいろいろなことがあった10年以上の長い月日は、振り返るだけでも楽しいけれど、そこにはいつも美味しいお酒と食事があった。
しっかり者のお姉さん的存在の亜美ちゃん。
おっちょこちょいで、ちょっと天然な美希ちゃん。
強がりだけど、人一倍頑張り屋の星香。
みんなにいつも寄り添ってくれる智美。
いつもひとりで無理しちゃう芹那。
誰かに辛いことがあると、みんなで泣きながらビールを飲んだ夜。
誰かに幸せなことがあると、みんなで幸せを共有した夜。
どれもが、私たちにとっては、大切な夜で、なくてはならない夜だった。
飲み会の場所は、智美の家。
幹事になった人は、メニューを考え、買い出しをして智美の家に材料とお酒を運ぶだけ。
あとは、時間になって集まってきたみんなに指示を出して、「乾杯」の後に料理が始まる。
智美が事前に用意してくれていたもつ煮込みをつまみながら、ビール片手に野菜やお肉を切ったり、餃子を包んだり。
炊き上がったご飯に、酢を混ぜてうちわであおいで、そこに豪華な海鮮食材をトッピングすれば、海鮮チラシが出来上がる。
包んだばかりのたくさんの餃子を焼くのはホットプレートで。
隣には小さなたこ焼き器が置いてあり、同時にたこ焼きも作り始める。
まだ笑顔ばかりが並び、前回から今までにあった出来事や話したいことで盛り上がる。
ビールも2本目。
焼き上がった餃子やたこ焼きを食べながら、誰かひとりはその熱さに、「熱っ!」なんて声を出す。
どんどんと減っていくお酒と料理。
増えていく笑顔。
誰かが泣き出すことがあれば、誰かがその背中をさすり、みんなが寄り添って泣き出す。
だけど、その涙の後にはみんなの笑顔が戻ってくる。
ビールが缶チューハイやワイン、カクテルなんかにかわり、お待ちかねのチラシ寿司のお時間。
贅沢な海鮮たちをたっぷりと盛り付けて、もう一度「乾杯」をする。
私たちの「乾杯」はこの先もずっと、続いていく。今は少しだけお休みしているけれど、きっとこの会えなかったたくさんの時間を埋めるように、いつも以上に盛り上がるんだろうな。
きっと亜美ちゃんと芹那は仕事で遅くなって、智美はみんなのためにもつ煮込みを作ってくれて、美希ちゃんと星香は泣いちゃうかもしれない。
私もきっと、嬉しくて涙が出ると思う。
早くみんなに会いたい。
「乾杯」の言葉が懐かしい。
上記の企画に参加しています。
ヒトミさん、素敵な企画ありがとうございます!
2021.8.24
いつか自分の書いたものを、本にするのが夢です。その夢を叶えるために、サポートを循環したり、大切な人に会いに行く交通費にさせていただきます。