十四歳の私に捧ぐ
2008年8月13日。
この日に私は、自分自身に百瀬七海と名付けた。
webで、百瀬七海として小説を書くようになってから、十四年。
でも、その前から他の名前で書いていたこともあるし、なんなら原稿用紙やノートに、小説や詩を書いていたこともあるので、小説を書くようになったのは、それよりももう少し前のことだけれど、私が私の書いたものを、百瀬七海として公開するようになってから十四年。その長い月日の中で、辞めようと思ったことは一度じゃないし、いいことも何度もあった。だけど私は、やっぱり自分自身がこの日を選び、自分自身を百瀬七海と名付けたこの日を大切にしたい。
十三歳の一年間は、私の念願だった夢が叶い、『もしも世界から「I love you」という言葉が消えたなら』が発売された。
本当に夢のような出来事で、今手元にあるその本のページを捲るたびに、静かな感動が胸の中で湧き起こる。
ずっとずっと、秘めていたこの夢を、少しずつリアルな友人たちにも話せるようになってきた。七月にもひとり、この告白をして、おめでとうと言ってくれた、大切な友だちがいる。そうやって喜んでもらえて、本当に幸せだなと思う。
あとどのくらい、書き続けていけるのかは、わからない。だけど、私は私自身が望む限りのベストを尽くしたいって思っている。
何事も、予定通りには進まないし、目標を定めても、できないときはできない。だけど、そんな自分を受け止めながら、きちんと歩いていく。これからの私は、そうでありたいって思っている。
書きたいものを、書けばいい。
大切な想いを、一冊に込めた。
そうやって少しずつ、たったひとりの誰かに届けばいい。
百瀬七海様
お誕生日おめでとうございます。
十四歳のあなたが、これからも自分の大切な想いを言葉にし、「I love you」を伝えていけますように。
2022.8.13