真面目だね。
わたしには、どうしても好きになれない言葉がある。
「真面目だね。」
ああ、大嫌い。
絶対、誉め言葉のニュアンスで言っていないだろう。
馬鹿にしているようにも思えてしまう。
決められたことを守る。
与えられた仕事ならば、できる限り期待に応えたいと思う。
そうしなければ、わたしが気持ち悪いんだもの。
周りなんか関係ない。
良く見られたいわけじゃない。
他の人からすれば、
「そんなことキッチリやっててバカみたい。」
「こいつといると肩こりそう、関わりたくない。」
なんだろうな。
わたしだって、気を抜くところはあるけどね。
それが、どうも伝わらないみたいで、ずっとキチキチやってるように見えるらしい。
でも、『真面目だね。』って、だんだん『そうでなければならない』に変わってしまうかもしれない。
だから、わたし自身、『守らなければ気持ち悪い』と思っている気がする。
「あんなに真面目で、しっかり者で」
彼の事を語るとき、もっとほかに言い方がなかっただろうか。
努力してきたことを誉めたいのなら、『真面目だね。』は言ってはいけないのではないか。
そんな一言で片づけられてしまうんだ、と絶望してしまう。
わたしなら。
言われ続けてきた人にしかわからないだろうな。
彼の心を知る術はないから、推測でしかないけれど。
でも、これだけは言える。
『真面目だね。』は、呪いだよ。
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