リセットするための旅
私は旅をするために仕事頑張るを繰り返してた時期があるんだけど、楽しむための旅ではなく人生をリセットしたくて旅にでたことが一度だけある。
その時は何をやっても上手くいかなくて空回りして、苦しくて・・眠れない日々、胃潰瘍そして適応障害で動くことができなかった。
仕事の人間関係も絶望的にうまくいかない。
恋愛も不倫をしていた・・罪悪感にさいなまれて自分が苦しくてやめたいのにやめられない。
バカだ・・と思いながらも抜けられない闇の中にいたと思う。
職場にいって眩暈と立ち眩みで動けなくなったり、夜は眠れない日々だった。
心療内科で睡眠薬を処方してもらって胃潰瘍は薬で散らして、、、どこに自分が進んでいってるのかもわかなかった。
仕事はなんとか派遣の契約を終了して終わらせたが、その時は廃人のように動けなくなっていた。
睡眠障害がどんどんひどくなって、睡眠薬の量がどんどん増えてってきて副作用で健忘まででていた。。。
絶望の中で〇ぬことも何度か考えた。
夜眠れなくて膝をかかえて朝を何度もむかえた。
完全に睡眠薬に依存していて・・・でも健忘がでているからぼーっとして何も考えられない。
逃げたい、逃げたい、逃げたい、逃げたい、逃げたい。
このままじゃダメだ・・・
悶々とした日々から闇から逃げないと。
重い体をおこして、気が付いたら旅の支度をしていた。
もがきながらも何とかしたい。
環境を変える、睡眠薬の手に入らないところに行く・・・外国。
弱い自分だと睡眠薬や不倫相手を手放せない。
もう絶対に手放せる環境にいこう、旅に行きたいとその瞬間に思えた。
前に見たい旅先を決める気力もないなかで、外人ハウスで一緒だった友人を思い出した。
彼女は今イギリスにいる・・イギリス一度いってみたかった。
リセットの旅のはじまりはイギリスにしようと朦朧とする頭の中で決めた。
そして重い体を動かして旅のチケットを探しはじめた。
なぜイギリスだったのか?
なぜリセットの場所にイギリスを選んだのかは強い理由があるわけじゃない。
苦しかった時に確かにイギリスの友人に会いたいと思ったのも理由のひとつだけど、ワーホリでいったNZでヨーロッパの人たちと出逢って楽しかったことが大きいかもしれない。
実は20代の前半までは私はアメリカ人になりたいぐらいアメリカが大好きだった。
NYに住みたいと思い何度も通った。
アートが大好きなので美術館巡りやNYで働いてる日本の方にあってどうすれば、NYで働けるのかなど聞いたぐらい憧れていた。
でもある時に姉に誘われてベビーシッター件通訳として旅費だしてやるからと言われてオーストラリアに旅行に行ったことがある。
今でもはっきりと覚えてるのだが、オージの大らかさと大自然の美しさに自然と涙が止まらなくなっていた。
海岸線を走るバスに乗りながら吸い込まれるように外の景色に心を奪われていた。
あ~私はなぜアメリカ以外の国を知ろうとしなかったのか。
世界は広いと思い、その後ニュージーランド、アジア各国、南太平洋と旅をしてきたがヨーロッパには行ったことはなかったので行ってみたいと思ってた。
そして何も決めない、心の向くままに3ケ月過ごそう。
陳腐な言葉だが、時間に追われて生活してボロボロになった自分へのご褒美にするつもりだった。
だから今回は3ケ月のオープンチケットで行きはロンドン、帰りはパリ出発で何も決めないで3ケ月行こうと思った。
イギリスは美しかった
私は散々NYに憧れていたが、ミュージカルもアートもイギリスが発祥なのではというぐらい色濃かったし重厚な建物も見るもの見るものが美しかった。
友人はアート関係の勉強をしてる子だったので、その話を聞くのも楽しかったし彼女の友人たちは演劇の勉強をしてる子たちが多かったので、お芝居をみにいったりと楽しかったのだ。
でもでも私はなぜか息苦しさを感じてた。
刺激的な毎日なのに、なぜだ?
いったんロンドンの友人宅を離れてイギリスを1人で旅することにした。
湖水地方など本当にきれいでため息がでる風景なのに、ユースホステルに戻ると涙がとまらない。
元気になるために旅にでたのに体が重い、そのあとイギリス南部に移動して2週間だけホームスティをしながら語学学校にも通ってみたが心の底から笑顔にはなれなかった。
そんな時に空を見上げて・・・もしかしてこれか?と気づいてしまった。
イギリスは季節にもよるだろうけどとにかく雨が多い。
毎日曇りで突然雨が降ってくることも多いし、私が旅した季節は5月の終わりだったのにダウンジャケットが必要なぐらい寒い日もあった。
太陽が恋しい・・・お日様の光を存分に浴びたい。
え・・そんなことと思うが、長いことロンドンに住んでる友人いわくイギリスに住むなら天気気にしないことだね・・・といってたのを思い出した。
そうだ確かロンドンは鬱の人多いんだった。
なんてこったい、リセットするために来たのにどんどん沈没が進んでる。
もちろんイギリスでの日々は映画のような美しい景色やシュールな会話など元気な時だったらとっても楽しかったと思う。
私は弱ってたのだ、それもかなり💦
太陽の国スペインへ
今回は3ケ月のオープンチケットだしイギリスにずっといることはない。
自分の心に素直になろう。
そうだ!太陽の国スペインに行きたい💗
姉の大学時代の友人が確かスペイン南部に住んでたはず。。。
イギリスの帰りにスペインかイタリアどちらかに寄ろうかと漠然と考えて、姉の友人のメールアドレスだけ念のため聞いてたのだ!!!
語学学校にあるパソコンを借りて姉の友人の小雪さん(仮名)に連絡をとってみたらすぐに返事がきた。
ちなみに姉の結婚式の時に1度だけあった人なので、、、迷惑かなと一瞬思ったのだが切羽詰まってたのでダメ元で連絡したのだ。
1週間後に日本に一時帰国するからお世話とかできないけど、1ケ月の短期アパートの契約とスペイン語のプライベートの先生を紹介してあげるわ!
いつスペインにくる?
小雪さんはめちゃくちゃ親切で一度しかあったことのない私に対して何が必要か、的確に質問してサポートしてくれたのだ。
そして私はイギリス南部ブライトンという街の旅行会社にいって3日後のエアチケットを手配した。
ホームステイは1日滞在が残ってたが、事情を話して1日前に学校も終了してロンドンへ戻った。
友人にもお礼言いまくりつつ、スペインマドリットへ向かった。
この友人のおかげで私はだいぶ元気になったのだ、、そしてたくさん心配かけた。
そしてロンドンに睡眠薬はすべておいていった。
マドリットからグラナダへ
ロンドンからマドリットにとりあえず出発。
スペインはジプシーの子供たちによるスリが多いと友人から聞いていたので緊張しまくってたが、それよりもそれよりも困ったことが。
英語がまったく通じない。
もともと私は英語がカタコトしか喋れないし度胸と絵をかいてなんとかやりすごしてきてるのだが、、、ここまで通じないとは💦
指さしで数字を表してなんとかグラナダ行のバスチケットをゲット!
グラナダでの過ごした1ケ月間はとても濃厚で悲しくもあり美しくて、毛穴から希望がじわじわと湧き出てくるような、心から生きてると感じられた日々だった。
たった1ケ月の滞在だったのに色濃くせつなく私の人生を彩ってくれた。
何か凄いことをしていたわけではない。
ただただ毎日バルに行って飲んだくれたり、夕焼けに浮かび上がるアルハンブラ宮殿の美しさに涙したり、個性的な愛すべき変人たちに囲まれていただけなのだ。
でもこの愛すべき変人いや自由な人々にどれだけ癒されて勇気をもらえたか。
愛すべき変な人の話を次は書いていきたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?