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写真に残らない旅の宝物

 某年11月、ついに念願のモロッコに旅立つ日がきた!エミレーツ航空関空発EK317深夜11:40、ドバイ経由だ。この便に乗るのは2回目。その2年前チュニジア 行きでも搭乗した。その時は、チェックインもスムーズだったので、ゆっくりと関空に向かったのだが、エミレーツのカウンターには長蛇の列。いくつもの団体旅行と同じ便になってしまったようだ。
 なんとかチェックインを終え、大好きなエミレーツの機体の写真を撮りながら待っていると、団体旅行の女性に声をかけられた。「あなたはどこのツアー?」「あ、ひとりです。個人旅行です」。すると、「えー?!!おひとり?またどうして?皆さん皆さんこの方お一人ですって!!」。
 いきなり、妙齢のご婦人たちに取り囲まれインタビュー責めにあった。いつも、ここぞという旅は1人なので自分としてはごく普通。フライトもホテルもネット予約、旅情報だってしっかり調べてきました。そんな説明で、適当にかわし「お気をつけてね!!」とのお言葉をいただき、なんとかインタビュー終了。
 11時間あまりのロングフライトでドバイに到着。キラキラゴールドのデコレーションが絢爛豪華なドバイ国際空港。大好きなアラブグッズ、ラクダグッズを横目で見ながら足早にゲートに向かう。なにせこの空港は広いのだ。
 さらに約9時間のフライトを経てアフリカ大陸に降り立つ。2年前チュニジア で、アラビア文字の不思議な魅力に取り憑かれ帰国後すぐにアラビア語講座を探し習い始めた。看板を一文字ずつゆっくり読んでみる。2年前には、模様にしか見えなかったのがのらりくらりではあるが読める!やった!
 次は会話だ。これだけは言える。「アッサラームアレイクム(こんにちは)」ホテルのフロントで挨拶してみた。「ワ アレイクムッサラーム」とアラビア語で返ってきた。しかし、それ以上話されても困る。あとは英語でチェックインを済ませた。まだまだ修行が足りない。
 カサブランカから憧れのマラケシュへ。迷路のようなスークでは、文字通り道に迷い、ジャマエルフナ広場では蛇使いのお兄さんには大蛇を首にかけられた。親切にシャッターを押してくれたと思ったら、高額を吹きかけられて走って逃げ出した。
 思い出は山ほど溢れてくる。こんな失敗エピソードが1番に心に蘇る。写真には残らない思い出こそが旅の宝物だ。
 そうそう。帰りのトランジットでもやらかしたんだった。ドバイの乗り継ぎ時間は1時間半しかなかった。でも、どうしても買いたかった中東のゴディバと称されるPatchチョコレート。店の位置は往路で確認済み。あの人にもこの人にも、とたくさん買って時計を見ると、ヤバイ。あと30分しかない。広い空港をダッシュしてゲートに着くと、スタッフが待ち構えていた。搭乗するやいなや、飛行機が滑り出した。どうやら最後の搭乗客だったようだ。

#私たちは旅をやめられない
#TABIPPOコンテスト
#関空

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