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【真珠湾攻撃】陥れられた日本16

🔴アメリカの暗号解読
スティネットの『真珠湾の真実』に対しての反論。

スティネットの『真珠湾の真実』に対して秦郁彦は以下の反論を展開している。

  • 序章と後方の記述が違い過ぎ、原書ページで5ページと324ページでまるで正反対である。

  • 1999年3月メリーランドカレッジパークの国立公文書館でJN-25bの解読作業に関する文書OP-20-Gを発見、1941年12月1日の時点ではJN-25bのほんのわずかな暗号を、解明できずただの一通も解読できなかった、というのが事実であり、JN-25bが解読されていたという主張を論破するものである(『検証・真珠湾の謎と真実』)。

  • 日本外務省は九七式欧文印字機という暗号機(アメリカのコード名パープル、パープル暗号機)を使用していたが、アメリカはこれを複製することに成功していた。パープルや領事用の解読情報はマジックと呼ばれた。パープル電報の傍受はベインブリッジワシントン州)とサンフランシスコ傍受所で米軍は97%から98%解読できた。日本外務省はこの暗号機に自信をもち、解読されているとは知らなかった。(『検証・真珠湾の謎と真実』)。連合軍は沿岸監視員フィリピンゲリラオシントとしては市販の書籍、雑誌、新聞、または公刊資料などから、理論的に解析、敵の暗号書に近い物を作り上げるが、真珠湾攻撃前に日本外務省の主暗号を真珠湾攻撃前に解読した。(『検証・真珠湾の謎と真実』)。外務省の主暗号は解読されていたが、日本海軍の暗号が解けるようになったのは1942年春以降である。

  • 艦船の位置を特定する「方位測定」は敵電波の方位を測定することであるが、長距離で二箇所以上で同時に測定しなければならない。(以下ジャスパーホルムズの著書)当時の方位測定機の多くは実際の方向と逆の方向(180度真反対)のいずれかは識別することが出来なかった。12月7日(攻撃当日)1100(午前11時)オアフ島アルアレイの方位測定機が357度方向に日本空母を測定したが、それまでのキンメル太平洋艦隊司令長官の情報はすべて南方にあるというものであった。(『検証・真珠湾の謎と真実』)。

  • スティネットが原著57ページで例示した、11月18日から20日付の日本軍の電報の写真に見える解読日付が1946年4月となっている。

スティネットの著作について秦は、「類書のなかでも最低レベル」で「功の側面があるとすれば、真珠湾陰謀論は成り立たないこと」を立証したことと評している。

#真珠湾攻撃16


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