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【真珠湾攻撃】陥れられた日本15

🔴アメリカの暗号解読
スティネットの『真珠湾の真実』は、アメリカにおいては「初めからお終いまで間違いだらけ」として顧みられなかったが、日本の一部では「精緻をきわめた手法」で「ぼう大な新資料」を「発掘」して真珠湾攻撃にまつわる陰謀を「暴露し、証明した」ものとして扱われた。


『真珠湾の真実』における主張アメリカの暗号解読班は暗号を知り尽くしていた。
それは、アメリカが初めてこの暗号を破ったのは、1920年代のことだったからである。1941年頃日本はアメリカの暗号を出し抜こうと、この暗号に三ヶ月毎に細かい変更を加えていた。
Jシリーズ暗号の三つの各々が1941年に使用されたが、一日も経たないうちに破られてしまった。アメリカの解読班の裏をかく事はできなかったのである。

Jシリーズは元々皮肉を込めて暗号関係者の専門語で「直接法」と言われている方法で解読された。直接的と言われる所以は、日本外務省の急使の手荷物を盗むなどの手段が用いられたからである。
たとえば福田急使がサンフランシスコの税関を通過しようとするとき、米海軍が税関吏を装って暗号書の入っている箱を開け暗号書の内容を急いで写真に撮って返し、通関を許可したりもしくは公然と買うこともあった『真珠湾の真実-欺瞞の日』。

  • 10月になると太平洋艦隊通信解析主任ホーマー・キスナー米軍暗号解読者が、“親鶏”(第三艦隊)、“子鶏”(侵攻部隊)の正体を知ることができた、と記している。日本の艦艇は基本的な通信機密保全を守ることを怠ったため、傍受局Hの暗号解読班は、第三艦隊の編成を知ることができた。米軍暗号解読者によると、第一艦隊の六隻のどの空母も連絡を取ることはなく、東南アジアではなく、常に太平洋を横断して当方ハワイに向かう行動に関連しているように思えた。9月が終わり日本は中国から主要な艦船と航空部隊の大半を引き上げさせた。マッカラムの覚書に「戦争を企図している国は武力行為に出る前に、船舶が拿捕されたり、破壊されたりする地域から、商船と派遣中の海軍部隊を引き上げさせると思われる」とある。ワシントンは戦争の序曲と理解した。米情報部は商船を中心に無線を傍受していたのが分かる。日本商船にはJAPANからJで始まる記号を割り当てていた。龍田丸は「JFYC」であった。軍艦と海軍基地は仮名文字二字と数字一字だった。空母赤城は「8ユナ」だった。『真珠湾の真実-欺瞞の日』。

  • 日本無線傍受電報の原本記録はすべて機密暗号グループに分類され、現在でもほとんど公開されていない。 『真珠湾の真実-欺瞞の日』。

#真珠湾攻撃15


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