選んだ年月の実績と前月比を見たいー
やりたいこと
「選んだ年月の実績と前月比を見たいー」
ということで、それを実現したいと思います。
"選んだ年月"というのが今回のポイントです。
これがもし、"直近"ならば
表計算でlookupして〜ってできるのですが
(優良な記事が沢山あるので、やり方は省略)
年月を切り替えるとなると
表計算という訳にはいかない。
年月をフィルタに入れれば、年月は切り替えられるが
データが絞り込まれ、前月比を計算できない。
やりたいことはシンプルなのに
思いの外、単純にはいかない。
「年月切り替え 」と「not データ絞り込み」
この両立のために今回ご活躍いただくのは
「パラメータ」です。
〜最終イメージ〜
[年月切替]で年月を切り替えると値が変わります。
因みに、初期表示は最新年月。
これを4ステップで作っていきます。
STEP1:年月切替用のパラメータを作る
STEP2:選択年月の実績を求める
STEP3:選択年月の前月比を求める
STEP4:Vizを作る
使用データ:お馴染みの「サンプルスーパーストア」
切り替え対象の年月:[オーダー日]
実績・前年比の算出対象:[売上]
完成形のワークブックはこちら
STEP1:年月切替用のパラメータを作る
1. オーダー日を月で丸めるフィールドを作成
2. [オーダー日(月)]をデータソース順・降順に並び替え
こうするとプルダウンの中身を
年月の新しい順にすることができます。
3. 最新年月を求めるフィールドを作成
全データにおける最新なので "FIXED" を使います。
FIXEDのお話は、ぜひ過去のnoteをご参照ください。
4. 1と2のフィールドを使ってパラメータを作成
初期値に[最新年月]を指定することで
パラメータの初期値が最新年月にできます。
そもそも、新しい年月のデータが入ってきたら
パラメータ値に反映されるのか、ということですが
ver.20.1以降ならパラメータ値は自動更新されます。
「動的パラメータ」ってやつです。
初めて使った時、ものすごく感動しました!
<参考:https://www.tableau.com/ja-jp/2020-1-features#item-55682>
また、表示形式を「yyyy年M月」とすることで
[年月切替]のプルダウンに[オーダー日(月)]を
"2021年12月"といった形で表示するようにしています。
STEP2:選択年月の実績を求める
1. [オーダー日(月)]が[年月切替]で選択した年月
か否かを判断するフィールドを作成
2. 1がTRUEの売上合計を求めるフィールドを作成
ここでちょっとテスト。
[オーダー年月]=[年月切替]の売上合計
を求めることができました。
3. 2の値をすべての行に持たせるフィールドを作成
こちらもテスト。
選択年月以外にも同じ値が入りました。
STEP3:選択年月の前月比を求める
まずはSTEP2の要領で、選択年月の実績を求めます。
1. [オーダー日(月)]が[年月切替]で選択した年月の
前月か否かを判断するフィールドを作成
2. 1がTRUEの売上合計を求めるフィールドを作成
テスト。
3. 2の値をすべての行に持たせるフィールドを作成
再度テスト。
これで、選択年月と前月の実績を比較できそうです。
4. 前月比を求めるフィールドを作成
今回は「▲xx.x%」「▼xx.x%」というように
プラス/マイナスをさんかく記号で表示するために
前月比はABS関数を使って、絶対値にしています。
5. 記号表示用のフィールドを作成
これで、年月切替・実績・前月比という
材料がすべて揃いました!
STEP4:Vizを作る
今回はパネルっぽく見せたかったので、シンプルに
必要フィールドをラベルに配置します。
完成!
ここまで書いていうのも何ですが
過去の実績の前月比を見る必要があるケースは
稀だったかもしれませんね。
今回の例で使った売上というのが尚更に。
このまんま使うというよりは
この中に詰め込んだ要素のどれかが
何かのお役に立てば幸いです。
まとめ
「これ、どうやるんだ...」ということも
落ち着いて、やりたいことを細分化してみると
基本の組み合わせでできるではないか!
となることがよくあります。
特に、過去のワークブックを見返していると
何か最近、難しく考えすぎてたなと
はっとすることがしばしば。
初期の方が限られた知識の中で
工夫していたなーって。
実は今回のも、その一つです。
たまには過去の自分の産物に目を向け
あーこんなことしてたなー、と思ったものを
今回みたいに、1ステップずつ整理しながら
またnoteに書こうと思います。
おしまい。