私と父 #1
今から約10年前ほどの話になります。いくつまで続くかわかりませんが、気長に読んでいただければと思います。
今から約10年前の夏、当時私は高校3年生、父は38歳でした。
高校3年生というと大学か就職を選択する年でした。私は商業高校に通っており、当時の担任と部活顧問のおかげで、大学推薦を頂くことが決まっていました。
進路表に「大学進学」と記載し提出した後、母から「父が家出した」と連絡が来ました。
実はそこまで驚きませんでした。その頃の父は、毎月のように家を出て3日で戻るといった生活がありましたので。
しかしそれ以来、父が家に戻ることは一度もありませんでした。
父が戻らない。生活費も入れてもらえない。離婚したくとも連絡が取れない。まだ小学5年生の弟もいるので今後お金がかかる。
・・・大学進学を考えな直さないといけませんでした。
事情を担任に話し、大学推薦は取り下げ就職に向けて動きだしました。幸い、簿記の資格を持ってましたので、正直選べるほどの求人を頂けました。
しかし学校側は、私の大学進学を諦めていませんでした。実は当時の商業高校は非常にレベル差がひどく、私の高校がライバル視している別の高校は優秀であったため、大学進学率や大学進学校で優秀さを競っていました。
父がいなくなって3か月後、担任から大量の資料を渡されました。
それは「商業高校推薦」の資料一式でした。