大手未経験からITベンチャーに入ってみた11週目
あっという間に4月も後半戦です。今の環境にいるのが当たり前すぎて、1年前はまだ前職でバリバリ働いていたのがにわかに信じられなくなってきました。GWも目前でモチベーションも上がってきています笑。今週も何かひとつでも転職に役立つ情報を共有できればと思い書かせて頂きます。軽い気持ちで読んで頂けると幸いです。
スキル<<<仕事の頼みやすさ
先週に続きアイスブレイクとしてこの手の話をさせてください。よくエンジニアはスキルにこだわり過ぎて一般的なコミュニケーション力がない人が多い、という事を聞くのですが、これは私も一理あると思っています。実際、自社でも最も技術的に知識量が多い人はとっつきにくく上司とうまく仕事を運ぶことができていません。これは正直上司のマネジメントスキルの無さの問題もあると思うのですが、ここに未経験からの転職組は入り込む隙があります。恐らく他社でもそのような手を動かすスキルはあるけどコミュニケーション力が無い人が管理職になっているケースは少なく、結局管理職に好かれる人が出世するので、技術的スキル以上に人間力が大事になってくるわけですね。現に私の場合も、すでに上司は私の仕事の頼みやすさに惚れ込んでおり、教育にコストを掛けてでも自分の右腕としてやっていってほしいという熱い期待を感じます。私自身は結構そういう職人気質な人は好きなので、自分がマネジメントする側になったらそういう人とうまくやっていきたい気持ちは強いんですけど。せっかく前職で培った経験があるなら、それを無かった事のようにするのではなく、しっかり活かしていきましょうよって話です。
エンジニアに資格は不要かどうか
これもよく言われる話です。プログラマーになる為に資格を取るのは確かに非効率だと私も思いますが、実際資格は取るに越したことは無いと思います。
私も内定が決まってから入社までの約1ヶ月でCCNAを取得し、今働きながらLPICの学習を進めているのですが、中々に勉強にはなっています。私の場合はプログラマー職ではなくて、一般的にはSEと言われる仕事内容に近いので普段ゴリゴリプログラムを書く事も無いのですが、それでも随所で資格勉強で得た知識は役に立っています。例えば、WEB系のエンジニアだったとしても、ネットワーク全体の知識は絶対に必要だと思いますし、それが無いのにAWSの使い方だけ知ってるみたいなのはかなり危ういと思います。実際、私も転職活動のPFでAWSとかdockerとか色々な教材見ながら実装していたのですけど、AWSで言うならそもそも、サーバーとはDNSとはACLとは何なのか?dockerで言うならシェルとはカーネルとかdockerファイルに記述するコマンドの意味は何なのか?って言うのが全般的にわかってないと使いこなせないと思います。また、私は社内情シス的な役割も任されているので、そうなってくるとインフラ全般の知識は必須です。ベンチャーで一応技術職で入ると社内情シス的な役割は未経験で入った人にも任せれる可能性はあるのでそれなりには知っていた方が良いと思います。ちなみに、私の通っていたプログラミングスクールではその辺のカリキュラムはほぼ無かったので、資格は取らなかったとしても基本的なことは抑えておかないと赤っ恥をかく事になると思います。スクールでてドメイン、IPアドレスすら知らないとか。。ヤバイです。
コードを書けないSEにはなりたくない
これ他業界から来てけっこう勘違いしていた事でした。例えば私の大学時代の友人もシステムエンジニアとして新卒で就職していた人もいるのですが、文系からすればそういう人ってゴリゴリコード書いて色んな開発してるんだろうなって思っていました。が、実際はそうでもないみたいですね。大手であればあるほどプログラミングなんて最初数ヶ月研修しただけであとは顧客折衝とか設計とか仕様書書いたりしてるってことを知りました。私も今まさにそのような状態なので、未経験ながら全然前職のスキルで太刀打ちできてしまっているのですが、これどうなんだろうって正直感じます。
マネジメントと手を動かすのは確かに求められるスキルは違うと思うんですけど、プログラマーの人、それでいいのか!って言いたいんですよ。実際、コード書いてる人よりコード書けないのにマネジメントしている人の方が全然待遇良いのが日本の現状なわけじゃないですか。プログラマーって他業界と比べても本当に酷い待遇です。でも、私からすればコードを書けるスキルってけっこう高スキルで大変な勉強が必要なわけで、多分現場ではマネジメント層がプログラミングできないことで発生する問題たくさん起きているんじゃないかなと推測します。スポーツの世界でも良いプレーヤーが良い指導者になるわけではないという事も確かにありますが、実際にプロで試合にも出た事ない人がコーチとか監督はできないですから。だから、私はそうならないように自分でもある程度のコードは書けるように意地になって学習は続けたいと思っています。大変ですけどね。
大手から異業種ベンチャーへの転職は言うほどリスクか?
さて、テックキャンプ の評判も地に落ち、私のように年収350万も下げてプログラミングスクール行って転職した人はまさに情弱、被害者と他人から思われている事だろうと思います。私はどうせならその方向でバズりたかったので、ちゃんとTwitterのアカウント名にもその旨を記載していたのですが、なかなかバズらない笑。。鉄道会社辞めて年収300万下げた人がYahooニュースにも乗るぐらいバズっていたので。。私の場合、自社株のボーナスも含めれば400万下がっていると言ってもおかしくないのに。。
で、実際私自身この転職を後悔しているかと言うと別に後悔していないし、そこまでアホではないです。意外とリスクヘッジはちゃんとしています。
まず、最大のリスクヘッジは前職にジョブリターン制度と言うものがある事です。簡単に言うとある程度の評価を取ってきた社員は一度転職しても戻ることができると言う制度が前職にあります。私は前職でエリートとは言えませんが、それなりに頑張ってきたのでそれに該当することは確認済みです。要するに戻ろうと思えば戻れる算段はあります。また、もし戻れなくても、恐らく競合への入社は容易いです。金の事だけ考えればいざとなれば元の業界に戻れば良いだけです。
次に、現職で前職以上の待遇を受けることは不可能ではないことです。私はプログラマーで転職しているわけではないので、すでに新規事業にアサインしていたり、役員人事の人からも2、3年で前職の年収は超えられるように頑張っていきましょう、と言われています。別に前職程の給料がほしいとは思っていないのですが、頑張れば全然取り返せますし、上場の恩恵を受けられる立場になれれば、前職のように現金給与以外にストックオプションで資産形成することも可能です。
最後にこの10年で蓄えた資産の大きさです。前職では毎年自社株を50万分ぐらいもらっていましたし、ストックオプションで300株を市場価格の5分の1程度で入手しています。前職は何とこの30年で日本で一番株価が上がった会社で何ともラッキーな話ですが、それだけで私の資産は1000万を超えています。さらに転職を見据えて現金預金も蓄えていますし、退職金も200万程もらえました。現職の給与でも家庭持ちで黒字で生活できていることを考えれば、何も無ければ生活に貧することはないです。赤字は嫌なので、今年いっぱいは色々切り詰めて修行僧のような生活をしたいなと思ってますけど。
私がプログラミングスクール通っていたのも、退職時有給が3ヶ月あって、しかもその間に転職しないで下さいと前職に言われていたので、それだったらプログラミングできるようになりたいなーってぐらいの軽い気持ちで入ったわけです。思った以上にプログラミングが楽しかったので、今でも学習は継続していますが。思った以上にテックキャンプ は酷い情弱ビジネスだったので、さらなる被害を出さないようにちょくちょく批判してしまってますが。
大企業での出世争いはベンチャーの数十倍厳しい
さらに言うと、大手に終身雇用されるのもそれはそれで立派にリスクがあります。というのも、大手で食らいついていくのって皆さんが言うほど簡単ではないどころか、相当に無理ゲーです。冷静に考えてほしいのですが、有名大学ばっかり出てる数百人の同期の中で自分が少なくても平均以上で居られる根拠、自信ありますか?ベンチャーではせいぜい100分の1とかになれば万々歳ですが、大企業で幹部クラスになろうものなら、プロスポーツ選手になるぐらいの奇跡的な運と努力が必要です。それでも大企業は安定、楽、成長できないって言えますか?ベンチャーの方がよっぽど楽ですよ。確かに競争に負けても待遇は安定して良いです。でも、このご時世ですから大企業もどんどん成果主義になっていますし、解雇規制が撤廃されるようなことがあれば、平気でリストラとかも起きるようになってきます。また、首を切られなくても、競争に敗れた人間は敗れたなりの汚名を背負って大きな村社会で生きていかなくてはいけません。私は自分に自信がないので、ちょっとこの競争を一生続けるのは無理だなと思いました。前回も書きましたが、新卒で大手に入れたというだけでも転職市場では大きなアドバンテージですし、そのための本気の就職活動をしてれば転職活動なんてクソ楽なので新卒では大手を目指すのは正解だとは思っています。
最後にエンジニアは年収600万も稼げないのか?
今回は珍しくマコなり社長を擁護します。何やら、未経験からエンジニアになって月50万稼ぐための胡散臭いセミナーをやるらしいです。で、これに対してけっこう月50万も稼げるわけない、舐めるな!的な発言をTwitter上で見かけたんですよね。これがこの業界の現実です。
月50万と言うことは、年収で言うならばせいぜい600万です。大企業で30歳でむしろ負け組です。確かに、未経験から即という話なら難しい話だとは思うのですが、普通に頑張ってある程度の期間が経ってもこの程度の年収に届かないのであれば、なぜこんなに人気なのかまじで意味がわかりません。なので、別にマコなり社長が言っている金額に関してはむしろこんなぐらいの稼ぎで煽ることができるの?って中途半端に感じました。ちなみに、大企業では未経験でもそれなりの職歴があって、ポテンシャルが高い人材は普通に年収600万スタートでの転職なんて可能です。私も医療系のベンチャーのマネジメント職で前職以上の待遇で働いてほしいとオファーがありました。それだけに、実力主義という名目でしょぼい待遇でやりがい搾取するプログラマー界隈の現状は本当に闇だと感じますし、インフルエンサーにそそのかされてクソみたいな待遇で勉強の為とか言ってプライベートを完全に犠牲にし学習しても、せいぜい日本の平均給与ぐらいしか稼げないと言うのがこの世界の現実なのかなと思ってしまいます。だったら、プログラマーじゃなくてコンサルとか、営業とかでITベンチャーに入れば良いんじゃない??